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砂田喜昭 2007年9月14日更新  
「国に応分の財政負担を求めよ」
  国保運営協議会で砂田市議が主張

 8月30日に開かれた国民健康保険運営協議会で、2006年度決算の概要、2008年度から始まる後期高齢者医療制度の概要、新しい健康診断について、市当局より報告があり、協議しました。

2006年度 決算
実質2700万円の赤字


 当局の説明によると、2006年度決算では1億220万円の黒字となったが、前年度繰越金や基金の取り崩しなどを清算すると実質単年度収支では2778万2千円の赤字となります。これは前年度の単年度赤字3570万3千円より約8百万円の改善です。2007年度の国保税値上げの影響は、まだここには影響していません。

国の財政負担削減が大問題

 国保財政が赤字で厳しいのは、単純に医療費が増えているだけとは言えません。国が負担をしなくなったからです。1984年度には小矢部市の国保収入の46.7%が国庫支出金でした。ところが2006年度には25.7%にその割合が21%も減少しています(表参照)。国全体でも、1984年から2004年の間に、市町村国保の総収入に占める国庫支出金の割合は約15%、1兆6600億円分も減らされ、それが国保税の高騰をひきおこしました。

(表) 小矢部市国保会計に占める国庫負担金の推移

1984年度 1984年度 1995年度 1995年度 2006年度 2006年度
金額 割合 金額 割合 金額 割合
国保税 605,670,279 37.3% 758,281,069 37.9% 840,626,812 29.2%
国庫支出金 758,380,245 46.7% 731,833,294 36.6% 739,617,019 25.7%
歳入総額 1,622,766,445 100.0% 1,999,596,406 100.0% 2,880,537,489 100.0%

国庫支出金の不足を国保税の増税、他の健康保険組合(職場ごと)の負担、地方自治体の負担などで補わされている。

日本共産党の提案

国の負担で 国保税
1人一万円引き下げ


 日本共産党はこんどの参院選で、国の責任による国保税値下げを緊急に提案しました。国保税の「応益割」部分を、年間1人1万円(4人家族なら4万円)、国の支出で引き下げます。所得にかかわらず “頭割り”で課される「応益割」の引き下げは、国保税の逆進性を緩和して、中・低所得者の負担を軽くするものです。1人1万円引き下げに必要な財源は4000億円で、減らされた国庫負担の4分の1に過ぎません。
 この財源を生み出すことは、5兆円の軍事費、3兆円の米軍移転費の負担など税金の無駄づかいを正せば可能です。大企業、大資産家への減税を見直すことも必要です。
 国保運営協議会で砂田市議は、「事業主負担のない国保制度では国が責任を果たすことがきわめて重要だ。国保会計が苦しいのは国が負担を減らしているからで、国保運営協議会として国に国庫負担を増やすよう、意見を言うべきでないか。全国市長会も国庫負担の増額を要望している」と述べました。中西会長はそのような意見があったことを市長に伝えると答えました。

後期高齢者医療制度

年金から保険料天引き


 後期高齢者医療制度は、来年4月からスタートする予定です。この制度では、家族に扶養されている人も含め、すべての75歳以上の後期高齢者が、介護保険と同じ「年金天引き」で保険料を徴収されます。保険料を払えない人からの保険証とりあげも計画されています。政府は、後期高齢者の診療報酬をそれ以下の世代と “別建て”にし、 “粗悪医療”や “病院追い出し”をおしつけることも検討しています。
 これは自公政権が強行した医療改悪法によるものです。06年10月からは、「現役並み所得」とされる高齢者(70歳以上)の窓口負担が3割に引き上げられ、療養病床の食費・部屋代の大幅値上げ、高額療養費や人工透析の患者負担増が強行されました。08年4月からは、70〜74歳のすべての人の窓口負担が2割に引き上げられます。また、65歳以上の国保税が年金から天引きされます。

日本共産党

抜本的見直しを


 日本共産党は、無慈悲な保険料取り立てと差別医療の押しつけに反対し、「後期高齢者医療制度」の抜本的見直しを求めてたたかいます。

生活習慣病を  減らす目的だが……

新しい健康診査、  保健指導はどうする?

 このほか、国保運営協議会には糖尿病など生活習慣病に関する健康診査、保健指導を新たに行う計画づくりについても報告がありました。第1期計画は2008年度から5年間で、国は達成すべき目標を、最終年度の2012年度には健康診査の受診率で65%、保健指導の実施率で対象者の45%、内臓脂肪症候群該当者及び予備軍の減少率で15%と定めました。5年後の第2期計画からは、これらの目標を達成できないときには市町村に対する補助金を削減するというペナルティーをかけると、脅しているそうです。
 健康診査の項目が現在のものより少なくされることについて、医療関係者から、これまでの検診結果が活かされないことになると警告、国が省いても小矢部市としてはひきつづき検査項目に加えるべきだとの強い意見が出されました。
 保健指導対象者は検診結果に基づき選定しますが、第1段階では腹囲で男性85センチ以上、女性90センチ以上を対象に選ぶそうです。
 保健指導を受ける人が実際にどれだけいるかも、議論されました。市は今年度210名を対象に健康教室(ヘルスアップ教室)への参加を呼びかけたが、実際の参加者は10数名にとどまりました。
 仕事が忙しくてなかなか教室を受けられない人が多いのが現状で、そこを改善しないと国の目標は机上プランに終わってしまいます。
 国のやり方は医療費削減だけが目的で、国民の健康づくりが二の次になっているという批判も出されました。





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