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砂田喜昭 2007年9月1日更新  
希望が見えないようでも、勇気とみんなの力で変えられる!

〜第53回日本母親大会に参加して

 「生命を生み出す母親は、生命を育て 生命を守ることをのぞみます」と、全国の母親が集う日本母親大会。第53回目の今年の大会は東京で開催。私は初めての参加です。
まず、「東京大空襲・戦災資料センター」と「第五福竜丸展示館」を見学しました。空襲や水爆実験による被害に胸が締め付けられました。東京大空襲の資料の収集や保存、語り継ぐ活動などが全て民間募金で維持されていることを知り、後世に残すべき記録が軽く扱われていることへの憤りとともに公的援助がなくても活動している人々のエネルギーを感じました。
 夕方5時、「今こそ生かそう憲法を!手渡そう子供たちにいのち輝く平和な世界を」と4000名を超える母親達が芝公園に集まりました。このパワーに誇らしい思いを抱きながら、日比谷公園まで「母親大パレード」を行進することができました。北信越ブロックは「憲法音頭」を踊りながらの行進です。この踊りは、今の憲法ができたとき、広く国民に広く知らせようと詞・サトウハチロー、曲・中山晋平、振り付け・藤間流で作られたのだそうです。
 2日目は4つの問題別集会に5550人が参加しました。子どもと教育の集会では、講演や発言から今の教育環境やあるべき姿が明らかにされました。
 法政大学の尾木直樹教授は、格差社会が、「わが子を負け組みにしたくない」不安でビジネスマン向け中学受験雑誌が大ベストセラーとなり、父親による家庭塾が生まれている。また、携帯電話によるいじめの深刻さ。その中で、4人に一人の中学生がうつ症状となり、世界で突出して多くの孤独な子供がいることを指摘されました。甲子園で優勝した佐賀北高校の選手のなかに育っていた技術を超えた総合的な力を例に、競争ではなく共創の教育、平等で子供たちが希望をもてる教育をつくるために、父母と教師を応援したいと熱く語られました。
パネルディスカッションでは、心の病を抱える母を支えながらの保育、発達障害に向き合う保育など、みたかつくしんぼ保育園のもがきながらの実践に感動しました。また、いじめ自殺をした中学生の母親は、法的手段でしか学校でわが子に何があったのかわからない悔しさ、いじめをしている子にこそ親・学校が手をつなぎ、向き合い寄り添うことが大切だと辛い経験からわかったことを話されました。このほか東京都一斉学力テスト・学校選択性・小中一貫教育・教師評価などの実態に思わず「えー」と声を上げました。大東文化大学の村山士郎教授は、子供の声をまっすぐに受け止め、ていねいに聞き取る中で心を開き「みんなと一緒だからがんばれる」という子供が育っていることを紹介されました。これは大学生と小学生の対話という形でされ、両者の成長が見られます。尾木教授の「子育てはあわてることはない」の言葉と一致します。
 希望が見えないように思えることも、一人一人の勇気とみんなの力で変えられると教えられました。学びあり一流の演奏家による文化活動ありの楽しい2日間でした。来年は愛知で開催されます。

(初めて参加の一母親)
    <小矢部市在住>

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