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文科省「学力テスト」にかこつけ 受験産業に個人情報が筒ぬけ
子どもの個人情報を守れ
「みんなの会小矢部」 市教委へ申し入れ
「みんなの会小矢部」の代表らは3月1日、小矢部市教育委員会を訪ね、文部科学省(以下「文科省」)がこの4月24日に小6、中3を対象に実施しようとしている「全国学力・学習状況調査」(以下「全国一斉学力テスト」)にかかわって、実施には個人情報保護に照らしても大問題があり、重大な人権侵害のおそれがあると、実施について再検討を申し入れました。
文科省が1月19日付で各教育委員会や学校に送付した実施マニュアルによると、「教科に関する調査」の解答用紙および「学習意欲や生活習慣等の質問紙調査」の回答用紙には、学校名、男女、組、出席番号、名前を書かせます。そしてこの解答用紙および回答用紙は、そのまま梱包して「文科省が委託する民間機関」、すなわち小学校は潟xネッセコーポレーション、中学校は鰍mTTデータへ送付することになっています。
これでは、潟xネッセコーポレーション(「進研ゼミ」を事業の一つにした受験産業)、鰍mTTデータ(旺文社と一緒になってテスト開発をおこなっている企業と連携)という一民間企業が、日本全国の小6、中3児童生徒の学力、家庭状況の個人情報をすべて握るということになります。
え! こんなこと
まで質問されるの?
市教育長もびっくり
学力調査と併せて実施される、「学習意欲や生活習慣等の質問紙調査」の質問内容は、記名・悉皆の公的調査として不適切で、プライバシイ保護の観点から大きな問題を含んでいます。昨年暮れに実施した予備調査の質問事項は、小学生92項目、中学生93項目もあり、通塾状況や家庭状況にもふれた膨大なものです。
たとえば、中3では「自分は家の人から大切にされている」か、「あなたの家には本が何冊ぐらいありますか」、「1週間に何日学習塾に通っていますか(家庭教師の先生に教わっている場合も含む)」、「学習塾では主にどのような内容の勉強をしていますか」などとなっており、4月の本調査では、文科省がおもてに掲げる目的を超えて個人・家庭の状況まで聞き出すものとなる恐れがあります。
これには、応対した市教育長も「学習意欲などを簡単に質問する程度だと思っていたのに、驚いた」とこたえました。
文科省が説明するように、本当に「全国的な義務教育の機会均等と水準向上のため」の調査であれば、無記名・抽出の統計的手法ですむはずです。記名・悉皆とする理由は、児童・生徒・や学校をあくまで点数で序列化することをねらい、受験産業に利することをねらっているからではないでしょうか。
「みんなの会小矢部」の
申し入れ事項
(1) 現場教師や保護者の意見と実情をよく確かめられ、実施について再検討されること。
(2) 実施する場合にも、個人情報の流出の恐れを排除するため、無記名とすること。
少なくとも、受験産業に個人情報が流出することについて保護者や児童生徒の同意を得、無記名を求める保護者や児童生徒の希望を認めること。
(3) 実施する場合にも、学校、個人を問わず、結果の公表は一切しないこと。
申し入れに対して市教育長は、「調査は実施する。個人結果の公表はしない。」としたうえで、県教委から細かい指示が届いていないとして明言は避けましたが、「みんなの会小矢部」は、早急に市の「教育委員会」に諮って真剣に検討することを求めました。
市は公表しない 本会議で教育長言明
3月議会本会議、予算特別委員会で砂田喜昭市議の質問に、西川教育長は次のように答弁しました。
本市もこの調査へ参加する。
文部科学省が作業の一部を民間会社に委託するが、契約の中で機密の保持や個人情報の取り扱いについて遵守すべき事項を明示し、厳密に取り決められているので、個人情報の流出はないものと思っている。
学力調査なので名前を書いた調査になる。
個々の学校名を明らかにすると学校の序列化や過度の学力競争につながることから、学校名を明らかにした公表は行わない。
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