バナー2006年6月18日号
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2006年6月議会質問原稿より
税金の使い方の見直しについて


 市民が納めた税金が、自分たちのために使われていると実感できることが一番大事ではないでしょうか。

カナダ人の税金感覚

 2年前にカナダ人の家庭を訪問したとき、ごく普通のカナダ人が「若いころからたくさん税金を払ってきたが、それは老後を国がちゃんと面倒見てくれるからだ」と国の福祉政策に深い信頼を置いていたことが、大変印象に残っています。

日本での税金の使われ方

 翻って日本では、長く続いた自民党政治のもとで、所得税・住民税だけでなく、買い物するたびに消費税を取られ、ガソリン税や酒税、たばこ税など毎日毎日税金を納めているにもかかわらず、「自助自立」「受益者負担」が強調され、老後の安心どころか、施設に入ったら、こんどはホテルコストだと言って、部屋代や食費まで、自己負担させられるし、年金は削減され、医療費の負担はどんどん増やされています。一体、自分たちが納めた税金は、どこへ消えたのでしょうか。
 小泉内閣・自民党公明党政権は「お金がないから」と福祉予算をどんどん削減する一方で、アメリカ軍の再編のためには気前よく3兆円もの予算を出そうとしています。こんなひどい税金の使い方をあらためさせなければなりません。そのためには、国の政治を変えることがどうしても必要です。

小矢部市で検討する課題

 それと同時に、小矢部市としても、できることから、税金の使い方を見直していくことが必要です。

「ヘルシーパルを買い取る余裕なし」に賛意

 6月議会初日に大家市長は、「小矢部市としては市民の暮らしを支えることに予算を使うべきで、ヘルシーパルを買い取る余裕はないと、今のところは考えている。」とおっしゃいましたが、私も同感です。

(ア) 市長退職金の廃止について
 そこで市民の暮し第一に考えて、3月議会でも提案しましたが、1億円近い市長退職金を返上されてはどうでしょうか。
 
@ 小泉首相も「知事市長の退職金は多すぎる、返上を」といっている時代だから、大家市長が決断しても、日本列島全部に悪い影響は与えない。かっこよく決断を。
 3月議会での市長の答弁は、「かっこよくやりたいが、日本列島全部に影響するので、差し控えたい」というものでした。
 しかし、その心配はもう無用です。報道によると小泉首相が、「自分の退職金はいらない、知事や市長の退職金も多すぎる、見直したらどうか」と発言しました。総理大臣の5年分の退職金が600万円あまりで、市長に比べると大変少ないのも新しい発見でしたが、いずれにしても、知事、市長の退職金は多すぎるのです。せめて地方公務員並みに減額すべきです。是非、これは市長の決断を伺いたいものです。
A 報道によると最高裁判事の退職金を3分の1にした。中沖前知事の退職金裁判では、専修大学大学院教授晴山一穂氏が、退職金額を県議会の議決に委ねた富山県条例は地方自治法違反で損害賠償請求ができるとの意見書を提出した。
 報道によれば、総理大臣だけでありません。最高裁判所の裁判官も退職金が多すぎるというので、3分の1に減額したそうです。これが今の世の中の流れであります。
 ここで富山県の前知事に対する退職金の支払いについて、地方自治法に違反して支払われており、返還すべきだという裁判が起こされていることを紹介しておきます。原告三人はいずれも小矢部市民であります。
 地方自治法は知事も県職員も、給料、手当は、条例で定められてものしか支払ってはいけないと第204条、204条の2に明確に書いています。ところが富山県は、退職金条例第15条で、特別職の退職金を県議会の議決によって決めることができるという条項にもとづいて、中沖前知事の退職金を2億3500万円支払ったのです。知事の退職金を議会の議決で決めることができるとしていたのは、全国で富山県だけのきわめて異例なことでした。そこで富山県もその半年後に、知事の退職金を条例で決めることになったのです。
 しかし、中沖前知事への退職金支払いは、条例に基づかず、県議会の議決だけで行われたのであり、違法な税金の支出であります。
 この裁判に、強力な助っ人が現れました。その方が専修大学大学院教授で、行政法が専門の晴山一穂教授です。裁判所に提出された意見書によると、前知事への退職金支払いは違法で、損害賠償請求ができるというのです。
 その理由は、地方自治法改正の経過からも退職手当を条例で決めるべきだと言うこと、つまり法が改正されたのは、条例に基づかないまま議会が予算を決めただけで支払っていた手当の支給を明文上も禁止する必要があったことです。このことは政府のこれまでの行政実例や最高裁判決からも明確だとしています。また、職員の給与は条例で決めるべきだが知事の手当は県議会の議決でOKということは地方自治法の解釈としては絶対に成り立たないことも強調されています。
 法的にはこのように大変明快な事件であり、8月2日には富山地裁で判決が言い渡されることになります。原告のみなさんは大変元気で、最高裁まででも争うといっています。
 このように、知事や市長の退職金が莫大すぎるという国民の世論は高まりつつあります。この際、小矢部市長は、率先して退職金の返上を明確にされてはいかがでしょうか。

(イ) 行政評価システムを機能させ、公共事業の中止、変更、縮小の決断ができるようなものに。そのためには。
 次に税金の使い方に関して、十分に吟味すべきは大型公共事業です。かねてから問題にしていました綾子河川公園に7億5千万円を使うことが、ほんとうに有益なのか、計画の見直しが必要ではないか、市民の間からもいろいろな意見が出されています。
 桜町遺跡活用施設、道の駅についても、昨年日本共産党が行ったアンケートでは、賛否両論がありました。
 石動駅南土地区画整理事業についても、新幹線がらみの事業ではありますが、対象地域に関係する人たちにとっては、減歩率がどれだけになるのか、今住んでいる宅地しか持たない方々にとっては同じ場所に住み続けるには精算金を払わなければならないという問題があります。また、すべての市民にとってはこの事業に莫大な税金をつぎ込んで、それでどれだけの行政効果があるのか、住宅用地足りなくてまだまだ確保しなければならないのかなど、多くの問題を抱えています。
@ 事業着手前、計画段階、実施中、完成後のそれぞれの段階で評価し、それにもとづいて変更、中止、縮小の判断ができる仕組みにすること
 そこで、これらの事業の計画、実施にあたって、小矢部市自身として行政評価システムを機能させることが、必要ではありませんか。行政評価によっては、計画の中止、変更、縮小などの決断ができるようなものにする必要があります。ただ漫然と計画の遂行を追認するだけの行政評価システムでは、行政評価に値しません。
A それを真に機能させるには、評価する人を役所内部の人ばかりにせず、公募による市民参加でワーキンググループを作り、そこで検討を加えること。
 それを真に機能させるには、誰が評価するかが重要です。役所内部の人ばかりでは、計画の追認になる危険性が大です。そこで広く市民を公募し、市民参加でワーキンググループを作り、そこで検討、評価することを提案します。
B 検討した内容、問題点を広く市民に知らせ、意見を求め、さらに検討を加えること。
 さらにワーキンググループで出された意見を市民に具体的に知らせ、市民から意見を公募し、さらに検討を加えることが必要です。
 これを事業着手前、計画段階、実施中、完成後のそれぞれの段階で行うようにしてはどうでしょうか。当局の見解を伺います。

◆◆◆
6月議会
道の駅で議論に

 6月議会では「道の駅」「桜町遺跡活用事業」について各議員から「維持管理が市の負担ならないか」「道の駅に国の補助金が付くのか」などの心配の声が出されました。
 これに対して大家市長は、事業の完成を目指す決意を述べるとともに、「国の補助金がこないなどの事態になれば、一般論としては市民の暮らしを守る仕事に支障を来さないよう計画の見直しも可能性としてはある」との趣旨の発言をし、注目されました。



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