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大多数の農家を切り捨てる
小泉「農業改革」に反対を
政府は2007年度から一部の「担い手」農業者に絞って支援を行う「経営安定対策」を導入します。政府の言う「担い手」は経営面積の大きさで決め、個人または法人の認定農業者では4ヘクタール以上、集落営農では20ヘクタール以上を原則とします。
これに該当しない兼業農家などはどんなに「やる気」があっても作物の価格保障の対象から外されます。
ご存じでしたか 新しい「農業対策」
来年から「経営安定対策」
転作作物の価格保障が「担い手」だけに
影響が大きいのは大豆、麦などの転作作物の場合です。生産費に比べ販売収入が4分の1程度で、支援がないと作付けできません。
稲作の場合には過去の販売価格に比べて下落した分の9割を補填する対策だけしかなく、「担い手」の支援対象から外されても、金額的には1俵あたり数百円の違いです。
小矢部市
耕作面積の9割が支援対象
小矢部市の場合は集落営農が組織され「担い手」の基準に合致するため、大豆、大麦の耕作面積の9割が価格補償の対象になります。
どれだけの支援額となるかは2006年秋に決まりますが、農水省の最近の試算では、大豆の平均反収205Kgとして10aあたり30200円が支援水準だとしています。大豆の生産費は10aあたり54181円なのに、販売収入は23992円で、この差額を支援します。2007年度からは、この支援対象を「担い手」に限定します。
市当局は小矢部市の場合に9割が支援対象となり、「一部農家だけが対象ではない」と答えました。
「産地づくり交付金(転作奨励金)」は
全農家が支援対象
1ha以上まとめて転作した場合に10aあたり4万円支給される「産地づくり交付金」(転作奨励金、稲作に比べ収入が少なくなる転作作物の作付けを奨励するために支給される補償金)は「担い手」でない農家も含め全体に支給されます。「担い手」農家以外には支給されないとの誤解が見受けられますが、そうではありません。
小矢部市の場合は転作作物を作った耕作者に支払い、耕作者が農地の所有者に地代として支払います。砺波市の場合は転作した農地の所有者に支払われ、地主がそのなかから耕作者に耕作料として支払います。
砂田市議
「市の活性化に
農業の振興が欠かせない」
3月議会で砂田市議は、小矢部市の将来像とも絡めて「農家を切り捨てて市の人口増、市の活性化はあり得ないし、集落の共同を壊して市が元気にならない」と強調しました。
自民・公明党政権はWTOを絶対視し、アメリカや経団連などの要求を入れて5年後にはさらに「担い手」要件をきびしくしようとしています。「農業をやめろ」「農村に住み続けるな」と言わんばかりです。これこそ「亡国農政」です。
地域の営みを守り、作物を作り続けること、そのうえに立って小泉「農業改革」を変えさせる運動を強めましょう。
「担い手」の所得目標
当局「達成しなくても影響ない」
「米価の値下がりが続くなかで主要な担い手に年間550万円の所得目標をどうしたら達成できると考えているのか」との質問に、当局は「達成しなくても『経営安定対策』に加入できないものではない」と述べるにとどまりました。
砂田市議
「多様な共同を尊重すべき」
また砂田市議は「何十年と続いている多様な農家の共同(機械利用組合、集落営農、何人かのグループでの機械の共同利用)を尊重し、その経験から学ぶことが大事で、国の基準に合わせて農業従事者、オペレーターの人数を絞るべきでない」と強調しました。当局も「実情に応じて農業従事者を確保すべきで、国の基準についてそこまで決めるのは難しい」と答えました。
当局「地元農産物の
販路拡大に努力する」
地元農産物の販路拡大について当局は「Aコープで生産者の顔写真、コメントを掲示し販売を始めた」「保育所でも2006年度から地場野菜を活用できるよう担当課やいなば農協と協議していく」「ケアハウス、特別養護老人ホームなどにもこれから依頼していきたい」と答えました。
農地・水・環境保全対策
当局「希望のある集落を
対象にするよう努力する」
2007年度から始まる「農地・水・環境保全向上対策」について砂田市議は予算特別委員会で質問しました。農地・農業用水など集落の資源や環境を農家以外の人とも共同で守っていこうというのがこの対策の趣旨です。多くの集落が、すでに江ざらいなどを共同で行っています。
「この趣旨の沿うよう積極的に取り組むべきでないか」との質問に、当局は「希望のある集落がこの対象になるよう全力を尽くす」と答えました。
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