バナー2006年2月26日号
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第18回富山県農民連定期大会に参加して
農村地域社会を崩壊させたくない

     辻 慶輝


 農民運動富山県連合会(富山県農民連)の定期大会が2月12日10時より富山県農業総合研究所(富山市月岡新)開かれ、私は小矢部市からの一員として参加しました。

 農民運動全国連合会副会長の真嶋良孝さんより基調講演がありました。
 真嶋氏は、輸入農産物の激増と流通大企業の買いたたきによって農産物価格の暴落がさらに進み、農民経営と産地の危機がますます深化したことを指摘されました。
 それにもかかわらず、小泉「改革」では、食糧自給率を上げる対策どころか、2007年から「品目横断的経営安定対策」(経営面積4ha以上の個人農家、20ha以上の集落営農など大規模農家にしか転作などの補助金等が出ません。)の実施を打ちだしており、これが実施されると圧倒的多数の個人農家はものを生産できなくなるほどの打撃を受け、過疎化をいっそう進行させ、農村地域社会を崩壊させかねないものであることを訴えられました。

世界の大きな流れは食糧主権

 小泉「改革」は、WTOによる関税引下げ圧力を利用し、食糧を「弱肉強食」の市場原理に巻き込み、一部の国・大資本だけの儲け口にしようとするねらいは見え見えです。しかし先の香港でのWTO閣僚会議では、将来の人口増に見合う食糧生産の必要や、環境問題等の面から多くの疑問や反対意見が出され(日本からも農民連、食健連が108人参加)、とうとう結論を出すことなく終わっています。世界の流れは大きく動いています。日本政府のいうことを鵜呑みにすることはないのです。
 小矢部市内でも多くの農民から不安でたまらない、今後の農業はどうなるのかなど、借金や担い手の心配などがどこでもされていると思います。

定年退職者の出番

 農民連は―――まだあまりよく知られていませんが―――、食糧自給率を高め、安全安心な農産物の生産をモットーに、消費者と連帯していく運動を進めています。私は、食糧主権を確立しようという大きな世界の流れに確信をもち、このことを多くの農家の方に理解を深めていただくための行動が大切であると痛感しました。
 定年退職者のみなさんの出番でもあります。集落営農の活用も重要だと思います。農民のみなさんと話し合いをどんどんすすめていきたいと思います。

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