バナー2006年1月29日号
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北陸原水協学校開かれる
核兵器のない世界の実現にむけて
     −これからの運動のポイント−


事実を直視することが力に…
正論は世論に、世論が大きくなれば情勢を変える


 北陸原水協学校が21日富山市で開かれ、北陸3県から約100名が参加、原水爆禁止世界大会運営委員会代表・日本平和委員会代表理事 佐藤光雄さんが、「核兵器のない世界の実現にむけて――被爆国日本の運動の役割」と題して講演しました。小矢部平和委員会からの参加者に、講演の要旨を聞きました。


 佐藤さんは、小学3年のとき広島で原爆に遭い、育ててくれた姉や祖母を原爆症で失った生い立ちから話し始め、原水禁運動の歴史を振り返り、被爆国日本の運動が果たした役割を明らかにし、これからの運動のポイントを提起しました。要旨は以下のとおり。

◆「核兵器廃絶」を
     掲げ続けた


 1955年(昭和30年)の第1回世界大会決議、@核戦争阻止A核兵器廃絶B被爆者援護・連帯、の旗を掲げ続けた。
 60年〜80年代の米ソ冷戦時代は、激しい核軍拡競争が「核抑止論」で正当化されていて、せいぜい「核実験禁止」「核凍結」が共通のスローガンになる程度だった。その中で日本原水協のみが「核兵器廃絶」を掲げ続けた。被爆体験がそうさせたのである。

 85年の『広島・長崎アピール』にはソ連、中国の首脳が署名を拒否した。93年の国際平和ビューロー総会では核拡散防止条約(NPT)が核保有国の核廃絶を求めていないため、これを評価しない日本原水協が孤立した。
 しかし日本原水協は事実と道理を粘り強く説き続けた。中国、フランスが核実験を再開し,核廃絶が無期限に延長されるなどの情勢の悪化で、96年の会議では日本原水協の正しさが世界的に承認された。
 こうして2000年のNPT再検討会議ミレニアム国連総会で『期限を切った核廃絶の約束』が採択されてくる。

◆運動の原則を
   打ち立ててきた


 被爆国日本の原水禁運動は、旧ソ連、中国および日本の反動勢力から激しい分裂攻撃にさらされた。
 ここからの教訓として、3つの原則を確認した。@不一致点は保留し、一致点で団結し、粘り強く討論する。A相互不干渉、自主性の尊重。B妨害分子は排除する。これらは今日の運動にも生かすことが求められている。

◆世界の構造的変化、
    平和の流れに


 アメリカのイラク侵略戦争に賛成または支持した国49カ国、総人口12億人。反対した国は142カ国50億人。世界は反核反戦の巨大な流れが生まれている。国連憲章に基づく平和、協調、話し合い解決を志向する国が大勢を占め、ブッシュ、ブレア、小泉が孤立している。
 小泉はアメリカの世界戦略に追随して「新憲法草案」と「日米同盟――未来のための変革と再編」を国民に押し付けようとしている。災害予防にかこつけて武力攻撃事態法の先取り訓練をさせる工作が進んでいる。

◆『知ること』
 『知らせること』で


 しかし政府は戦争準備の実態を国民に知られたくない。マスメディアも、自衛隊法「改正」で「防衛秘密漏えい」罪などが新設され、知らせなくなっている。
 したがって、知ること、知らせること、事実を直視することが力になる。そのための学習、討論、対話、宣伝、共同を!正論は世論になり、世論が大きくなれば、必ず情勢を変える。

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