バナー2005年11月6日号
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市議会産建委 まちづくり視察から
「無い物ねだり」から「あるもの探し」へ

「市民参加で現況調査から始める市の姿勢」に感心

 まちづくりについて、市議会産業建設常任委員会は10月31日福井県小浜市、11月1日愛知県犬山市を視察しました。日本共産党砂田議員も参加しましたので、その感想を寄せてもらいました。

福井県小浜市

食育がまちづくりの柱


 「御食国」という文字があちこちにありました。読めない。意味がわからない。市の担当者の話を聞いて「みけつくに」と読むこと、奈良・平安の時代から豊富な海産物を朝廷の食料である「御食(みけ)」として献上していたとのことでした。若狭は、伊勢・志摩、淡路と並び「御食国」と呼ばれ、都の食卓を支えてきたそうです。

市民参加で地区ごとにまち・むらづくり計画

 新世紀いきいきまち・むらづくり委員会を市内12地区で2001年に設置し、地区ごとのまちづくりプランを検討したそうです。この委員会は半数が公募による市民でつくられ、「無い物ねだり」ではなく、「あるもの探し」をモットーに話し合い、計画をつくったそうです。それぞれの地域の良さ、伝統を見つけ、それを生かす計画づくりです。

食育の中心が自校方式の学校給食

 市全体としては、「食」をまちづくりの柱にし、すべての小学校で自校方式の学校給食を行っており、その食材に地元のおばちゃんたちが作った野菜を使っているそうです。通学の途中にその畑で子どもたちがおばちゃんたちと交流したり、総合学習で畑作りを手伝ったりしています。学校給食をいかに安上げるかとか、民営化するなどという話はみじんもありませんでした。

幼児にも調理実習
キッズ・キッチン

 もう一つ感心したのが、幼稚園、保育所の時代から子どもに包丁を持たせ、調理させる取り組みです。
 スーパーの一角などで、元保育士などを指導員に任命し、親がロープの外で見守るなかで、子どもたちがグループごとに豆腐を切ったり、野菜を刻んだり、火を使って料理をつくり、みんなで試食する取り組みです。嫌いな野菜も自然に食べ、残さなくなったそうです。
子どもの調理教室で、大人も変わったそうで、たとえばお母さんがスーパーで県外産の野菜を手にしたら「地元のものでないとダメだよ」と子どもが注意したというエピソードも聞きました。
 これらの詳しい内容は小浜市のHPから知ることができます。ホームページから「食のまちづくりについて」「小浜市の食育について」へ進んで下さい。

愛知県犬山市
空き店舗活用のまちづくり


 犬山城を中心にした街路に面している空き店舗を借りて、改装し、店を出す人に市単独で補助する事業を取り組んでいました。現在14店舗がこの事業を利用していました。内装、外装の改修費に対する補助と家賃の半額補助(期限付き)です。

どんでん館
曳山の引き手を公募


 360年の伝統のある曳山祭りの山車を保管するどんでん館が街路沿いにつくられ、4町内の山車が保管・展示されていました。市の積極的な働きかけで春祭りの日をみんなが参加しやすいように4月の第一土、日に変更してもらったこと、曳山の引き手には愛知県内に広く呼びかけてボランティアで多数の参加を呼びかけていることなどに、注目しました。

都市計画道路拡幅計画を取りやめ
歩いて暮らせるまちをめざす


 犬山市で感心したのは都市計画決定されていた道路拡幅計画を見直し、現状のままの狭い道路で歩道を整備したり、電柱の地中化を進めていることです。当初は国土交通省の反対が強く、数年がかりで国を説得したようです。ここでも街角アンケートに取り組むなど現況調査で、市の強み、弱みをしっかり把握して、「歩いて暮らせるまち・歩いて巡るまち」をめざしているそうです。
 犬山城を見に行ったらたまたま犬山市長とバッタリ会い、そこで話を聞くことができましたが、都市計画道路を廃止したのは全国で初めてでないかといっていました。その後、いくつかの自治体でも広がっているようです。犬山城についても、成瀬家の個人所有だったものを、市長が説得して2年前に寄付してもらい、財団法人の所有にしたそうです。

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