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二つの「道の駅」新潟・西山ふるさと公苑 長野・オアシスおぶせ
物品販売の有無でにぎわいに差
小矢部の「道の駅」でも歴史と特産品を生かしたい
市議会桜町プロジェクト特別委員会が行政視察
「道の駅」の運営について、市議会桜町プロジェクト特別委員会は10月18,19日、新潟県柏崎市の西山ふるさと公苑と長野県小布施町のオアシスおぶせを視察しました。日本共産党砂田議員も参加しましたので、その感想を寄せてもらいました。
西山ふるさと公苑もオアシスおぶせも、他の事業でつくった施設を、あとから「道の駅」として登録したもので、国土交通省の補助金を得て「道の駅」をつくろうとしている小矢部市のやり方とは違いました。
西山ふるさと公苑
電源立地促進対策交付金事業では物品販売できず
西山ふるさと公苑は、電源立地促進対策交付金対象事業として建設された施設で、展示室や600席の多目的ホールを備えた文化会館的な施設でした。旧小学校跡地に建てたそうです。道の駅の指定は施設が完成した翌1998年度で、当時の入場者数12万人が2004年度には3万6千人に減少しました。これには震災の影響もあるそうです。
ここでのいちばんの問題は物品販売ができないことです。それは電源立地促進対策交付金対象事業では物品販売ができない条件とされているためです。この補助金は原子力発電所を設置することと引き替えに来るものですが、地域振興にほんとうの意味で役立っているのか、疑問です。
オアシスおぶせ
ハイウェイオアシスを「道の駅」に登録
オアシスおぶせは、上信越自動車道の小布施ハイウェイオアシスを「道の駅」として指定を受けたものです。上信越自動車道を造るときに、小布施にもインターチェンジをと運動してきたが実現できず、そのかわりにつくられた小布施総合公園は、高速道路利用者の利便施設・ハイウェイオアシスとして、56億円をかけて2000年に全面開園しました。ここにはレストラン・農産物直売所をはじめ、美術館や野外コンサートも開催できるステージ、芝生ひろば、噴水ひろばなどがあります。
人口1万2千人の町に130万人の観光客
小布施町は人口1万2千人の町で、ここに年間130万人の観光客が訪れています。大変にぎやかな町でした。600年の歴史を持つ小布施栗と葛飾北斎の肉筆画を展示する北斎館、北斎筆の大天井画がある岩松院などが全国に知られているそうです。リンゴ、ブドウなどの果樹栽培も盛んです。この町での、歴史と地元特産品を生かした街づくりは教訓的で、さらに研究したいものだと思いました。
お客のニーズに合わせた物品販売の努力
ハイウェイオアシス(小布施総合公園)には年間40万人くらいが訪れるそうです。
レストランは長野電鉄を主体とする第3セクターが6000万円(町はそのうち2割出資)でつくり、運営しています。運営主体については公募し、町が選んだ選考委員会で選考した結果、長野電鉄グループになったそうです。
当初は高級レストランとしてオープンしましたが、客の入りが今ひとつだったので何回かリニューアルをし、今では庶民的なレストランと土産物売り場として単年度収支では黒字となっています。
地場産品の販売はJA農家有志による100円ショップが駐車場横に、2002年11月にオープンしました。2005年春先に全面改築し売り場面積を1.5倍にしたら、売り上げは当初の倍近くになったそうです。リンゴやブドウ、野菜が売られていました。町は土地を1uあたり月40円で貸しているそうです。
安くて新鮮な地場産品を販売できることが、にぎわいづくりのカギだと思いました。
美術館は千曲川ハイウェイミュージアムといい、町がつくり、子どもの学習の場としても位置づけているそうです。11月28日まで「木のからくりおもちゃ展」が開かれています。
公園管理は直営方式
「その方が安上がり」
公園広場の維持管理は、町の直営で年間3千万円ほどの費用がかかっているそうです。そのほとんどが木の手入れや草刈りなどの人件費で、ここだけでなく町内すべての公園の維持管理も行っているそうです。「なぜ民間委託しないのか」と質問したら、「直営の方が安上がりだから」との答えでした。確かに公園は草が刈り込まれ、きれいに手入れされていました。
1時間に1本のシャトルバスで町内観光
町内周遊シャトルバス「おぶせ浪漫号」が1時間に1往復で走っていました。一日300円で乗り放題です。小矢部市のキーバスも1日200円乗り放題で、この点では同じだなと思いました。
私は1週間後に木のからくり人形に関心のある人たちと再度小布施を訪ねました。車を駐車場にとめ、シャトルバスを利用してまず岩松院に行き、そこで1時間散策。再び次の便のシャトルバスで北斎館へ行き、そこでも1時間見学。約3時間近くでハイウェイオアシスに戻ってきました。1ヵ所1時間でじっくりと見学できたのがよかったと思います。
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