バナー2005年10月9日号
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小中学校統廃合審議会の
二小学校の授業参観を終えて
小規模校の特長を生かすには?
      審議委員 砂田喜昭


 小矢部市小中学校統廃合審議会は9月27日、石動小学校と岩尾滝小学校での授業を参観しました。
 普通規模校と小規模校での授業内容を見て、子どもたちの教育にとって適切な学校規模を探ろうというのが目的でした。石動小学校では3年生と5年生の授業、岩尾滝小学校では3、4年生と5,6年生の複式学級での授業を見せてもらいました。

石動小学校の場合

 5年生は習熟度別学習と言うことで、1クラスをじっくりコース(16名)とチャレンジコース(18名)に分けて別々の教室で算数の授業(小数点のかけ算)をしていました。
 コース分けは、子どもたちの希望にもとづくものです。事前に簡単なテストをして、その結果を見て、子どもたちが自分で判断してコースを選んでいるそうで、1年間に何回かコース替えがあるようです。
 3年生は28人のクラスで、磁石を使っての授業でした。

岩尾滝小学校の場合

 3,4年生は図形の授業をやっていました。各学年の児童はそれぞれ2名ずつで、一人の先生が同じ教室で3年生と4年生を交互に教えていました。マンツーマンのような授業でした。
 5,6年生は総合学習の一環として米作りをやってきたようです。当日は稲刈りについて話し合っていました。6名の児童が一つのテーブルを囲んで、実際に稲刈りをした経験から何を学んだかを、一人ひとりが順番に発表し、それに対する他の児童からの質問に受け答えしていました。それを先生が白板に書き留めていました。

授業のイメージがすっかり違っていた
少人数学級での良さが見えた


 これらの授業風景を見て、私は、先生が黒板に書いたものを児童が書き写すというような昔の授業風景とまったく違っていたのには驚きました。子どもたちが意見を発表し、みんなで考えあう授業であったことには、感心しました。子どもたちに考える力、意見を発表する力、人の意見をよく聞く力を育てることになるのではないかと思いました。
 世間では教師の質への批判など学校教育への風あたりが強い傾向もありますが、多くの教師が真剣に取り組んでいる様子がよくわかりました。どのような授業が行われているのか、実際を知ることが大事だと痛感させられました。
 また、参観したいずれのクラスも30人以下学級でした。一人ひとりの子どもに発言させ考えさせるような授業をしようとすれば、少人数学級でないとできないだろうと思います。

小規模校への期待や不安の声

 授業参観を終えての短時間でしたが、統廃合審議委員から感想を出し合いました。私は今述べたようなことを発言しましたが、各委員からも発言が相次ぎました。
 一人は会社経営者の方で、「岩尾滝小学校のような小規模な学校では『人の優しさ』を身につけることができる。」と、少人数学級の良さをきちんと評価されていたことに注目しました。ただ、「あまりにも少人数なので子ども同士で揉まれることがないのではないか。」との懸念も述べていました。また、岩尾滝小学校の米作りの勉強に注目され、「このような勉強については石動小学校からも参加するような交流学習ができないものか。」と提案されました。
 ある委員は、親の立場から、「岩尾滝小学校のような小規模校から中学校へ行くとなるどうなるのか」と、いじめや不登校への不安を述べ、極端な小規模校への疑問を投げかけていました。

小規模校の特長を生かした学校づくりができないか

 また、「岩尾滝小学校のようなマンツーマンで教えて欲しいという親もいるのではないか。石動町部からでも岩尾滝小学校へ通えるように、通学区域を一部柔軟に選択できるようなことも考えてみてもよいのではないか。」という意見が出され、これには大変注目しました。というのは、不登校や、保健室登校児童などを岩尾滝小学校で受け入れ、マンツーマンで援助できないか、これは検討に値するのではないかと思ったからです。

 次の統廃合審議会は11月20日で、それに向けて10月20日までに各審議会委員からアンケートを出すことになっています。「しんぶん赤旗」読者のみなさんの意見や声をそこへ反映させたいので、ぜひご意見をお寄せ下さい。

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