バナー2005年6月5日号
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行政視察報告
あきれた! JR西日本のやり方

JR長浜駅の橋上化 費用の大半が市の負担


 産業建設常任委員会は5月24,25日、愛知県碧南市で「やさしい街づくりについて」(愛知県が制定した「人にやさしい街づくりの推進に関する条例」にもとづいて、道路や建物のバリアフリー化を進めるもの)、滋賀県長浜市で「駅舎改築橋上化事業について」視察してきました。砂田市議も参加しました。石動駅南第三区画整理事業に関連して石動駅の橋上化を話題にする向きもありますので、長浜市の取り組みについて紹介します。

北陸本線・湖西線の直流化工事
普通電車製造費まで自治体負担


 滋賀県では北陸本線や湖西線の直流化工事が進められています。1991年には米原〜長浜間が直流化され、京阪神地方から直流電車が直接、乗り入れられるようになり、通勤圏や通学圏が拡大し、長浜駅の利用者が増加しました。
 さらに、2006年秋には長浜〜敦賀間が直流化される予定で、京阪神と直結し、より多くの乗降客が見込まれています。これにかかる概算事業費は161.34億円ですが、このうち地元負担(滋賀県、福井県、地元市町村負担)がなんと143.34億円です。これには車両新製造費として普通電車(ワンマン電車)16両の31.50億円まで含まれます。JRが負担するのは新快速電車14両の製造費18.00億円のみです。


駅の橋上化
駅舎にはトイレもつくらせず

 この区間の直流化にあわせて、長浜駅の改築橋上化が進められています。線路の上に橋を造って駅の東西を自由通路で結ぶとともに、駅舎も橋の上につくり、駅舎とホームを階段、エレベーター、エスカレーターで結ぶことになります。この事業費26.31億円も地元負担となり、JRはほとんど負担をしません。JRが管理する駅舎にはトイレが無く、公衆トイレは自由通路部分につくり、その管理は長浜市の責任だと言うことです。JRが駅舎部分につくらせなかったそうです。
 JRとの協議にあたった市の担当者は、JR側が駅の改築で効率化されるので駅員を減らしたいと言い出すなど、JRの一方的な言い分に苦労したことを紹介しながらも、駅利用者が一日1万人であり、これほど市民に利用される公共施設はないと強調されていました。しかし、駅を改築しなくてもほぼ同じ程度の乗降客があったのです。
 JRの乗降客が増えることは、JRの儲けにつながります。ところが、そのための設備投資を自らやらずに、ほとんど自治体に負担を押しつけるJRのやり方に、あきれてしまいました。


 将来、小矢部市でも石動駅の橋上化などが話題に上った際に、JRが事業費をまったく負担しようとしなかった長浜駅の場合をよくよく考慮して対応すべきでしょう。

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