バナー2005年4月17日号
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石動駅南第三土地区画整理事業に調査費500万円
必要性、有効性について、事前評価を

  3月議会予算特別委員会で砂田市議が主張


 小矢部市は2005年度予算で、石動駅南第三土地区画整理事業について、組合設立準備を含めた可能性を調査するために、500万円の予算を計上しました。
 場所は北陸線と千歩島線に挟まれた地域で、西は野端高架橋から、東は朝日化工までで、ちょうど石動駅の南側に当たるところです(地図参照)。新幹線がこの区画を斜めに横切る予定です。
 3月議会予算特別委員会で砂田市議は、その必要性や有効性などを事前に十分評価して、着手するかしないか、判断するように求めました。


石動駅南地区の区画整理事業の検証を


 このため、これまでに実施した、駅南第1、第2および上野本東地区の土地区画整理事業の成果と問題点を検証してみることも必要です。

土地区画整理事業の仕組み

 土地区画整理事業(組合施行)は、土地所有者が土地区画整理組合をつくって、自分の土地の4分の1から3割あまりを無償提供し(減歩という)、保留地を生み出し、それを販売して区画整理の事業費に充てるやり方です。このほかに税金(国・県費や市費)が投入されます。道路の拡幅や新幹線の線路敷地などは、地権者から個別に買うのではなく、土地区画整理組合から買い上げ、組合はそれを事業費に充てます。

51億円の事業費の8割は税金で負担

 三つの土地区画整理事業(施行期間1986年から2002年まで)に要した総事業費は51億4204万円で、保留地処分金は9億7832万円、市の負担は12億円を超えます。残り29億円余りも税金(国、県の負担)でまかなわれます(事業概要は別表の通り)。
保留地が売れず、市が買い上げ
 このほかに、駅南第二地区では、保留地が売れ残り、結局市が、2557.22u(770坪)を9103万7千円で購入し、区画整理事業地区内の公園も別途、3年間かけて、市の予算でつくりました。
 これだけの税金を投入して、それにふさわしい成果があったのかどうか、市民参加で検討する必要があります。

目的は優良宅地の造成

 土地区画整理事業の目的は、優良な宅地を造成することです。三つの土地区画整理事業は、この地域で将来、無秩序な宅地開発がされることを防いだとは言えるでしょう。ただ、いずれの土地区画整理事業でもまだかなりの農地が残されており、住宅用地として供給できる余地が十分あります。
区画整理によって、農地としては使いやすくなったと言えるでしょうが、生産性向上効果としては、減歩で面積が少なくなったので、余り期待できないと思われます。

事業着手前に検討すべき5つの課題

 石動駅南第三区画整理事業については、
  @新幹線が通過し騒音が激しいところが優良宅地として好ましいのか、
  A優良宅地を造っても、売れる見通しが立つのか、
  B工場の移転(朝日化工や石動合金など)という課題があり、その移転費用を、保留地販売で生み出す見通しが立つのか、
  C減歩がどれだけで、地権者の合意が得られるのか、
  D公費負担がどれだけで、税金投入に市民の合意が得られるのかなど、
市民全体でその必要性や有効性を議論することが求められます。

事業概要
石動駅南土地区画整理事業の場所
石動駅南第一土地区画整理事業

施行面積 20.7ヘクタール
総事業費 17億4700万円(うち市費4億1745万円)
施行期間 1986年から93年
減歩率 25.11%

石動駅南第二土地区画整理事業
施行面積 19.8ヘクタール
総事業費 31億9820万円(うち市費7億6400万円)
施行期間 1992年から2002年
減歩率 30.98%

上野本東地区土地区画整理事業
施行面積 3.5ヘクタール
総事業費 1億9684万円(うち市費約3700万円)
施行期間 1992年から97年
減歩率 26.40%

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