近代憲法の目的
国家を押さえ、個人を生かす
「小矢部で日本国憲法を読む会」スタート 参加自由
富山国際大 彼谷 環先生が講義
憲法「改正」の動きが報じられるなか、月に1回のペースで六回まで予定されている「小矢部で日本国憲法を読む会」が3月16日夜、開講されました。第一回目のこの日は、石動コミュニテイセンターに、約40名が参集しました。
第一回目は入門講座で、はじめに「憲法とはいったいなんでしょう」と題して、富山国際大学の彼谷環先生が講義しました。
現行憲法 @ 立憲政治の原理に立つ
彼谷先生は、まず、近代市民革命に焦点をあて、そのときの憲法の目的は「国家権力を制限して人々の権利(基本的人権)を保障すること」であった、と「立憲政治」の原理を説きました。そして皆で日本国憲法を開き、第99条や前文を参照して、日本国憲法にも、人権保障が政治の目的であり、権力や政治はそのための手段という関係が明確に書き込まれていることを確認しました。
また、権力の乱用を防止するための原理として、国民主権と権力分立の原則が確立されましたが、これも日本国憲法に取り入れられています。
A世界の新しい流れを先取りした 平和主義…
彼谷先生は「日本国憲法にはこれら近代市民革命の成果が生かされているだけではありません」と、次の点を強調しました。
「太平洋戦争の悲惨な体験を踏まえて、『無軍備平和主義』が書き込まれました。これは1945年に成立した国連憲章の精神を早くも具体化したものでもありました。また『生存権』や、『両性の平等』が盛り込まれました。これらは世界の動きを先取りするものでした」
国民にやさしい憲法を 子らにも残して!
最後に彼谷先生は、「いま『国民』にやさしい憲法から、『権力』にやさしい憲法に代えられようとしている」、と国会などの改憲の動きを批判して、「将来世代のためにもう一度日本国の憲法の意義を考えましょう」と、小矢部の輪読会を激励しました。
続く「クエスチョンタイム」では、参加者8人から、自衛隊がなぜあるのか、公共の福祉とは何か、など熱心な質問が出され、今後五回の輪読会が充実したものになることを予感させました。
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この会は、美谷克己さんや堀内喜亨さんなど、最近の憲法「改正」の動きを憂慮する市民10名が、「自分の目と耳で憲法そのものを読み、『改正』が本当に必要かどうか考えてみましょう」と呼びかけ、準備してきたものです。
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第二回は4月13日(水)に憲法前文と天皇制を中心テーマにして行われる予定です。その後続けて8月まで、毎月第2水曜日、午後7時から石動コミュニティセンターで開かれます。
【問い合わせ先】
(六八) 二八一三
美谷克己さんまで
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