バナー2024年1月号
本文へジャンプ 更新日 2024年2月2日 

コラム  能登半島地震と産業廃棄物最終処分場建設問題

 能登半島地震で大量の廃棄物の処理に困った方も多いのでは。小矢部市は2日にはもう不燃ゴミの無料引受を発表、その後罹災証明があれば可燃、不燃とも災害廃棄物を分別しての無料受け入れをはじめた。

 91年の台風によって東蟹谷地区で発生した「小矢部大火」被害に際し、市は焼け跡の不燃物を無料で引き受ける制度を、初めてつくった。この良き伝統を生かしたのだろう。

 自然災害は別として、売らんが為の頻繁なモデルチェンジによる大量生産、大量消費と大量廃棄は資本主義につきものの浪費の悪循環ではないか。廃棄物処理は製造者が責任を持ち、その地域で発生した廃棄物はそこで処理すべきだろう。

 ところが今、高速道路網をフル活用して、中京、東京、関西の産業廃棄物が、岐阜県高山市の別荘地「清流ケベックの森」のすぐ隣に持ち込まれようとしている。汚泥、燃えがら、動物の死体・糞尿、煤塵、鉱滓、廃石綿、水銀など18品目である。高山市の六厩(むまや)地内に東京ドーム2杯分の産業廃棄物最終処分場建設が岐阜県に申請された。

 この森にはカワモズクなど貴重な動植物が生育し、その湿地帯には庄川の源流となる六厩川が流れている。「清流の国」岐阜県を象徴する場所でもある。

 庄川下流域に位置する富山県にとっては、35万人の上水道用水と井戸水の水源であり、農業用水でもある。土地改良区や県西部の自治体、自民党市議団なども反対、慎重にとの声を上げはじめているが、県や小矢部市はまだ表明していない。災害廃棄物で素早い働きをした小矢部市こそ真っ先に反対を明言すべきではないか。

 

トップへ戻る 
砂田喜昭のホームページへ戻る