コラム 伊藤千代子と日本共産党
「こころざしつつたふれし少女(をとめ)よ/新しき光のなかにおきて思はむ」。アララギ派の歌人、土屋文明の歌です。
軍国主義の時代、稀代の悪法、治安維持法の下、特高警察の激しい拷問を受け、24歳の若さで生涯を閉じた伊藤千代子を歌っています。千代子は土屋文明の教え子でした。
映画「わが青春つきるともー伊藤千代子の生涯」を見ました。戦争反対、民主主義を求めることが犯罪とされた時代、主権在民、貧困と差別の解消を貫いてたたかった若き千代子の物語です。
警察は主権在民の主張を下げれば釈放すると言います。これに屈した人たちの多くは後に転向していきます。
獄中でも学習を続け、仲間を励ましつづけ、志を貫きました。看守から目の届かない木の下に、考えやつかんだ情報や励ましの交換をするなどの工夫をして戦っていました。若い女性たちが拷問に耐えながらよくここまで頑張れたものだと思いました。
拷問のシーンは目を背けずにはいられません!! ウクライナの戦争が頭をよぎり、とても辛かったです。
「戦争と弾圧は手をつないでやってくる」映画のパンフレットの言葉ですが、今のロシアやウクライナだけではありません。
戦前の日本、女性が政党に加わることも御法度でした。唯一、非合法の日本共産党にだけは千代子のような女性党員がいたのです。
今年は日本共産党創立100周年。「高き世をただめざす少女等らここに見れば/伊藤千代子がことぞ悲しき」。土屋文明自筆の書が党本部に寄贈されています。
今では当たり前の女性参政権、男女平等、国民主権、これらが100年前の千代子や名もなきたくさんの先人の方々の勇気と行動、苦闘の上でつかみ取ってきたものだと、改めて気付かされました。
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