コラム 真鍋淑郎氏とノーベル賞 科学を大切にする政治へ
コロナ禍で苦しんでいるところへ、「真鍋淑郎さんがノーベル物理学賞を受賞」との明るいニュースが飛び込んだ。気候温暖化に関する基礎的研究が評価されたものだ。
真鍋さんを含め日本のノーベル賞受賞者のかなりの方々が、海外で研究されていることは気になる。さらに菅前首相は就任時に、日本学術会議の会員6名を何の理由もあげずに任命拒否するという事件があった。この2つは関連するのではないか。
真鍋さんは、「自分の得意分野で、自分の好奇心に従った一途の研究がノーベル物理学賞に結び付いた。米国では当時、地球温暖化問題はまだ無かったにも関わらず、政府は先行き判らぬ研究にも潤沢に研究費を回してくれた」と。また、「米国国立科学アカデミーが政府に非常に効果的なアドバイスをしている」と述べていた。
一方日本では、政府の判断で研究費が増減されたり、先の任命拒否事件に象徴される学問の自由が脅かされたりするから、アメリカ等へ頭脳流出が起きるのではないか。
ノーベル物理学賞を受賞した故益川敏英氏も、学術会議問題で「こんな乱暴なことをしたことは歴史上長く糾弾されるだろう」、「戦争の反省のうえにつくられた日本学術会議に汚点を残す」と痛烈に批判。科学にもとづく良心にしたがって、時の政府に意見した人たちを排除していては日本の将来は暗い。
益川氏はたびたび「しんぶん赤旗」に登場し国民連合政府と日本共産党への期待も語っていた。科学を無視する政治は、国民の手で変え、希望の持てる国づくりをしようではないか。
|