コラム Sing a Song と核兵器禁止条約に日本政府もの請願
砺波演劇鑑賞会が例会毎に19年間余、会員を増やし続けている。辞めた会員を上回る新しい会員を増やし、全国でも希有な存在とか。
コロナ禍で延期された舞台の一つがSing a Song 。戦前、派手なドレスに身をまとい、敵性音楽として官憲から厳禁されていたブルースを歌い続けた歌手が、前線の軍慰問でも軍歌は絶対に歌わず、兵士たちの故郷を思う気持ちを慰めていた。淡谷のり子がモデルのようだ。時の流れに棹さして、自らの信念を貫く、キッパリと、しかもしなやかに。
話は変わるが、7月にアフリカのセーシェル共和国が55番目に核兵器禁止条約に参加、核廃絶が世界の流れである。一発の原爆で広島、長崎という大都市が破壊され、数十万人の生活と命が一瞬にして奪われた。こんな非人道的な兵器は人類と共存できない。
ところがアメリカなど核大国は「核兵器、俺は持つ、おまえは持つな」。こんな無理筋の理屈に世界中の人々や国々が声を上げ始め、国連で採択されたのが核兵器禁止条約である。
だが戦争被爆国日本政府はこれに背を向けている。「核兵器禁止条約に日本政府も参加を」、この声が1021名の署名となって小矢部市議会に請願されたが、議会は否決。反対した議員たちは全世界の時の流れを読めないのか。それとも時の政府のやることに棹させないのか。
淡谷のり子ならどうしただろうか。一つの舞台が私たちの生き方を考えさせてくれる。
こんな鑑賞舞台を続けるのに、仲間を増やしつつづける粘り強い努力があった。ここに学んで核兵器のない時代を開こう、さあ世直しだ。
|