バナー2013年5月号
本文へジャンプ 更新日 2013年5月10日 

コラム 沖縄の議会を視察して思うこと
TPP参加なら自民党を離党すると表明していた議員の腰砕けにふれて

 議会視察で沖縄へ行ってきた。読谷村役場の真正面に「日米地位協定の抜本的見直し」「オスプレイ配備反対」の大看板が掲げられていた。

 移動に利用したタクシー運転手は元自衛官で、「あれがステルス戦闘機で、あそこに見えるのが対潜哨戒機」と詳しい。その彼が「沖縄では米軍基地撤去を言わなかったら、自民党でも当選できませんよ」と語ったのが印象的だった。

 日本「政府」は「主権回復の日」などと銘打って4月28日に「式典」を開いたが、沖縄の地方紙がそのことについて社説を載せていた。「式典に副知事の参加とは、いかがなものか」と。てっきり天皇が参列するから知事も参加すべきと書いているのかと思ったら、さにあらず。「沖縄をアメリカに売り渡した屈辱の日に知事が抗議の意思を表明し参加しないのは当然だが、それなら副知事も出席させるべきではない」と。

 知人も同様の感想を漏らしていた。国民の声に政治家やマスコミがどう向き合うのかが問われている。「政府」の宣伝機関になるのか、それとも国民の声を実現しようとするのか。

 沖縄の議会では、ほとんど全議員が3か月ごとの定例会で、毎回一般質問し、それだけで4、5日開いていた。「政府」の方ばかり向いていたら発言テーマがなくなる。常に市民の声を聞いて歩かないと、とうていできないことだ。これがあるから、役場にあの大看板なのだとわかる。

 ある参院議員が市民の前で「TPP参加なら自民党を離党だ」と決意を語っていたが、「政府」の風向きが変わり、今はだんまり。沖縄ならまったく通用しませんぞ。

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