バナー2012年10月号
本文へジャンプ 更新日 2012年10月8日 

尖閣諸島と日本外交の低劣さ

 「しんぶん赤旗」の購読をおすすめに、あるお店を訪ねた。「尖閣領有は正当 外交交渉で解決を」との9月30日付「日曜版」を広げて、「志位委員長が日本政府と中国大使に直接働きかけたんですよ」と語りかけた。お店のご主人は「政府の対応はなっていない」と。
 「そうなんですよ」と私。続けて「これだけこじれたのは、ウラジオストックで胡錦濤が『国有化に反対』と言ったときに、野田首相はまともに答えもせずに、その二日後に国有化を宣言。なぜ国有化するのかを伝える外交努力をまったくしなかった。石原知事が都で購入しようとしていたが、中国にもっと喧嘩をふっかけるようなことをしでかしただろう、それを防ぐためなんだと説明すべきだった」と。
 そのご主人は「でも日本も何かしないといけないのでは」と。
 私はこう答えた。「領土問題はいまでは力で解決することはできない時代ですよ」。「中ソもかつて国境紛争で戦争をした(1969年)が、結局は外交交渉で決着した(2004年)し、フィリピンと中国のにらみ合いも力の行使を避けて話し合いに入っている」。
 「尖閣諸島は、台湾や澎湖列島と違って日清戦争で中国から奪ったのではなく、日本固有の領土で、国際法上も根拠がある。ところが日本政府は一度も中国にも国際社会にもきちんと主張せず、野田首相はいまだに『領土問題は存在しない』との一点張り」「日本政府には侵略戦争への真剣な反省がないから領土問題でも道理ある対応ができないのでは」と。
 私の話に、そのご主人は「じゃあ、これは読んでみますよ」と。

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