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本文へジャンプ 更新日 2011年5月1日 

コラム 東日本大震災と福島原発事故

 東日本大震災に福島原発の深刻な事故が加わり、世界中が心配し、カナダの身内からもインターネットテレビ電話がよくかかってきた。「フランスが自国民に東京から離れるよう避難指示を出した」「成田空港が国外脱出者でごった返している」と。ガセネタでないかと、思わず「どこの放送局が」と問い返した。その頃日本では「直ちに健康に悪影響がない」との発表が繰り返されていた。

 ところが今になって、あのチェルノブイリと同じもっとも深刻な原子力災害・レベル7であると。原発周辺住民は着の身着のまま避難したが、今では自分の故郷へ立ち入ることすら禁止されてしまった。コメは、今年はもちろん、いつ作付けができるかわからない。

 「想定外」ではすまない。共産党や市民団体が繰り返し「津波による過酷事故を想定した対策を」と求めていた。しかし、政府答弁は「そういったことはあり得ないだろうというぐらいまでの安全設計をしている」「(議員の心配は)論理的に考え得る、そういうもの」。現実にはあり得ない頭の中の話という姿勢だった。

 この質問をした共産党の吉井英勝衆院議員が昨年10月『原発抜き・地域再生の温暖化対策へ』と題する本を出版した。これを読むと今日の事態を予告している。これは「頭の中の話」ではなく、志賀原発も含め現実に起きた数々の原発事故を現地調査した上での警告だった。

 この題名が示すエネルギー政策へと転換を図らねばならない。小矢部市でもエネルギーの地産地消、バイオマスタウンの実現をと、改めて思う。

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