尖閣諸島問題と日本共産党
中学校の同級会で定年を過ぎた面々が、宴会前にテレビのニュースを見ながら、「日本は中国になめられている」と。尖閣諸島での中国漁船領海侵犯への政府の対応を責めているのだ▼
一部の政治家の中からは自衛隊の配備、日米安保でアメリカの介入を望むなどと言う物騒な議論も聞こえてくる。日本の実力と決意が足りないと言わんばかりだ▼
今は無人島の尖閣諸島が何でこんなに大問題になったのか。尖閣諸島周辺海域に石油天然ガスがあるとの調査結果が明るみに出た1970年代初めころから、台湾、中国が自分の領土だと主張し始めた▼
問題はこれにどう対応するかだ。「目には目を、歯には歯を」でよいのか。領海侵犯を取り締まるのは海上保安庁だが、力だけでは解決できまい。日本政府に足りないのは外交力だ▼
驚いたことに、日本政府はこれまで中国にも、国際社会にも尖閣諸島の領有の歴史的根拠も、国際法上の根拠も積極的に主張してこなかった。日中国交回復時に、中国のケ小平が「棚上げ」論を主張したことをいいことに、うやむやにしていたのだ。国会で日本共産党・笠井議員の追及に、前原外相も「中国や国際社会に対して日本の立場を発信してきたかどうかについては、大いに反省するところがある」と答弁▼
言うべきことは道理立ててきちんと主張してこそ、解決が図られる。それをぬきに力の対応を言い立てるのは、外交力のなさを白状しているようなものだ。尖閣問題に対する日本共産党の見解を、本紙今号と一緒にお届けした「しんぶん赤旗」10月号外で、ぜひ読んでいただきたい。
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