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本文へジャンプ 更新日 2008年10月18日 

細川家700年 越中守伝来の名宝展

 富山県水墨美術館で「細川家700年 越中守伝来の名宝展」を観てきた。越中守を名乗るが、富山とのつながりはない。目を引いたのは猿猴図(えんこうず)。水に映る月を本物と見誤って、腕を伸ばして取ろうとし、深泉に没して死んでしまう猿の掛図だが、「見かけに惑わされると、真実を取り違えてしまう」との戒めが込められているとか。300年前の作品が今も細川家に伝わる。

 元首相の細川護煕氏(細川家18代)も訪れたそうだが、15年前の「非自民」政権を思い出してしまった。金丸信自民党副総裁が金の延べ棒を隠し持っていた金権腐敗政治に、国民の怒りが爆発、生まれたのが細川内閣だった。しかし実際には、政党助成金を分け取りしながら企業団体献金はそのままに、小選挙区制で国民の多様な意見を切り捨てた。米どころ越中として許せないのは「コメ輸入自由化受け入れ」を表明したことだ。「似自民」政権とでも呼ぶべきだった。

 その後「消費税反対」を叫んでいたはずの社会党党首が総理になった「村山内閣」は、5%に増税を強行。年金支給開始を65歳にしたのもこの内閣だ。

 「自民党をぶっ壊す」と叫んだ小泉自公政権で貧困と格差がいっそう拡大。トヨタなどには空前の利益を上げても減税、庶民には福祉切り捨て・定率減税廃止で増税。つぎつぎと政権の担い手は替わったが、悪政はますますひどくなるばかり。

 さきの猿猴図は語る、「見かけに惑わされてはならない」と。私たちの15年間の体験は貴重だ。国民に心を寄せ、大企業にも、アメリカにもきっぱりできる政治へと、その中身を変える道を歩もうではないか。

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猿猴図の図は MIHO MUESEUM のHPで紹介してありました。「名宝展」で掲げられていたものと、同じようなものです。作者は白隠慧鶴(1686-1769)
http://www.miho.or.jp/booth/html/imgbig/00005459.htm

「名宝展」での説明文を紹介する。

水に映る月を本物の月と見誤って、腕を伸ばして取ろうとする猿。枝から手を離せば、本物の月の光が十方に輝いていることがわかるのだが、深泉に没して死んでしまいます。水月は、真実でないものの例えで、「見かけに惑わされると、真実を取り違えてしまう」という戒めた寓意が込められています。

 これは、猿猴捉月図ともいわれ、よく描かれる画題ですが、この作品の場合、寓意よりも文句なしにかわいい猿の姿に心が和みます。

 

この掛図には

 

十方光皓潔

放手没深泉

到死不休歇

?猴探水月

文字が化ける場合は、下の画像を見てください。


 

と書いてあるそうです。

 

作者は白隠慧鶴(はくいん えかく・1686-1769

会場で購入した図録「永青文庫 細川家の歴史と名宝」によると、白隠慧鶴は江戸時代の禅僧だそうです。駿河国(現・静岡県)松陰寺で、親しみやすい書画を持って、門外にある民衆を導いた禅僧として知られているとのことです。(P140)

細川護立(16代)が収集したものの一つだそうです。(P64



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