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2006年5月号ひろばの原文
ディベートの学習で、「日本人」VS「外国人」のテーマで話し合った時のことです。背が高いとか低いとか、肌の色がどうのこうのと話し合っているうち、一人の子どもが、きっぱりとこう言いました。「日本人は、戦争をしません。」一瞬、反論を考えるためか、全員しーんとなったのですが、「そうだよ。ほうりつで決まっているんだから。」というつぶやきが聞こえました。もちろん、「外国人」派からは反論が出ず、論点は別の方向へ進みました。
「日本人は、戦争をしません。」全く、当たり前のこととして信じて疑わない子どもたちの、この感覚に心の底から感動を覚えました。そうだった。誇りをもって、世界に向かって高らかに宣言できるのが日本の法律だったと、目が覚めたような気がしました。
子どもたちのこの大人に対する信頼に、しっかり応えなければならない。物事は、話し合いで解決していくんだと、再三教え、日本は絶対に戦争はしませんと世界に誓ったから、法律にしたんだと憲法記念日にも教えてきたはずでした。
子どもたちは、いつも真剣です。学ぶことが毎日の仕事だからです。誠実に教師の話を聞き、いろんな寄り道はありつつも、誠実に大人に応えようとする純真な存在です。
この子どもたちにまともな法律を、命を真ん中に据えた世の中を手渡していかねばと、改めて心に誓った機会でした。子どもの成長にかける、手間、お金、誠実さ、どんなことでもムダなことはありません。行政のムダの一つに35人学級を入れて、とうとう撤回してしまった小泉内閣の感覚とは何なんでしょう。この、まともな子どもたちの感覚を見習いに学校で勉強して欲しいと思うほどです。
ひとりひとりの子どもの気持ちに、ていねいに寄り添う行政をつくること、今こそ求められていると実感します。
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