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砂田喜昭 2018年1月17日更新  
種子法廃止で農業と食の安全は?
           12月議会

 これまでは国や県の主導により、稲や麦類、大豆などの優良な種子の生産、普及をして、安価に農家に供給していました。その保証となっていた種子法を安倍内閣は廃止しました。

種子が巨大化学企業に独占される 
農家には高い種子、消費者には遺伝子組み換え農産物

 これからは都道府県に種子生産の義務づけをなくし、巨大化学企業などが種子を独占できる道を開こうとしています。農家には数倍の高い種が押しつけられ、消費者には遺伝子組み換え農産物を食べされられることが危惧されます。
 農民連小矢部班から「主要作物種子法に代わる公共品種を守る新しい法律を作ることを求める請願」が出されました。砂田市議はこの請願に賛成しましたが、自民党や保守系議員が反対し、不採択となりました。

種子生産に県が責任を持つのは当面の間

 砂田市議は「当分の間というのが一番くせ者で、ゆでガエルにされたら困る」と批判し、「ここ数年でその被害があらわになることはないかも知れないが、20年30年先には深刻な事態に陥る危険性がある。数十年前の木材の自由化を見れば、いま山村がどうなったか、自分の山がどこなのかもわからない世代が増えている。そんなことにしてはならない」と強調しました。

 この10年ほどで野菜の種がほとんど国産のものはなくなり、外国産に切り替わってしまいました。米などの主要作物の種子がアメリカの農薬メーカー、モンサントなどに独占されると、農家には種籾の値段が5〜10倍にもなり、肥料、農薬とセットで買わされるようになり、遺伝子組み換え農産物が日本人の口に入るようにされる恐れがあります。

 産業建設部長は砂田市議の質問に「従来通り種子生産に国の予算が確保されるよう求める国会の附帯決議があり、当面の間はこれまでどおりの種子にかかわる業務は行われていく」「これからは民間の活力を最大限生かし、国・県と民間の長所を生かしていく」と答えました。

県は種子生産の知見を
民間事業者に提供する役割
 農水省事務次官通知

 国会での附帯決議があるから大丈夫との意見もあるが、気休めにもならなかったことが、11月15日付農水省事務次官通知で明らかとなりました。

 これによると「都道府県は、・・・民間事業者による稲、麦類及び大豆の種子生産への参入が進むまでの間、種子の増殖に必要な栽培技術等の種子の生産に係る知見、ノウハウを維持し、それを民間事業者に対して提供する役割を担う」。

 これは、国会の決議「優良な種の安価な供給には、従来通りの都道府県による体制が維持できるように措置すべきだ」という付帯決議に真っ向から反して、早く民間事業者が取って代われるように、移行期間においてのみ都道府県の事業を続け、その知見も民間に提供して、スムーズな民間企業への移行をサポートしろ、 と指示しているのです。こんなことは許されません。

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