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CSBTS 中国国家標準(GB,GB/T規格)
発行状況の簡単な分析

対象とした規格
GB,GB/T比率  今回、対象としたものは、中国国家標準(GB,GB/T規格)のうち、現在でも有効(最近まで有効だったものを含む)と思われるもの、 約 19,700 件であり、2001年末までに、発行(制定、改訂)されたものである。

中国国家標準 = 強制規格」のイメージが強いが、意外にも、全体の 90%近くが、 技術標準やガイド的なGB/T規格となっている。

 下図は、発行年(新規制定年、改訂版は改訂年)別に分類したグラフであるが、数百〜千数百件/年 発行されている規格の大多数が GB/T規格 となっている。
1970年代以前に発行され、いまだ有効、つまり、改訂も廃止にもなっていない規格では、GB規格の比率が高いが、 改訂時には、GB/T規格化される傾向がある。
制定/改訂年別件数 改訂前後の変化
 改訂された規格で、旧版(被代替規格)情報が入手できた約 5,100件 について、改訂の前後について調査してみたが、 全体の 55%が 改訂を機にGB規格からGB/T規格化されたもの、30%が旧規格時代から既に GB/規格であったもので、 改訂後も GB規格のままであるものは 14%にすぎず、改訂時の見直しによるGB/T規格化傾向が顕著である。
 なお、わずかではあるが GB/T規格からGB規格になったものがあるが、その規格固有の事情によるものか、何らかの誤り(データミス) であるかは確認できていない。

ICS(国際規格分類)コードの大分類(Field)による分類
ICSコード別分類""  左図は、対象規格をICS(国際規格分類)コードの大分類(Field)別の件数で表したものである。
 日本のJISや、ISO,IEC規格等とは異なり、GB,GB/T規格は全分野が対象であるため、ほぼすべての分野で満遍なく発行されているが、特に、  が、群を抜いて多く  と続いている。
 また、  等における GB規格の比率が高いが、これらの分野では安全にかかわる規格が多いと推定されるので、納得のいく結果といえる。

 なお、複数の分野(ICS Fields)にかかわっているものでも、単一の分野に分類されており、データの精度も必ずしも高いとはいえないし、 対応する国際規格等とは異なる分野のICSコードが付与されているものも見かけられたので、左図はあくまで、傾向をつかむための、参考情報 として捉えてていただきたい。

対外(中国外)規格との対応状況
対外規格対応状況 対応国際規格別比率  対象とした規格 約19,700件のうち、何らかの対外(中国外)規格との対応情報が得られたものは、半数弱であった。
内訳は、ISOIEC ITUISO/IEC JTC1、 国連(UN)等の国際機関の規格対応が 33%、地域規格(主として欧州)関係が 0.3%、 他国の国家規格、民間規格対応が 10%程度であった。

 対応する国際規格の内訳は、ISO65%を占め、 IEC26%となっているが、 ISO/IEC JTC1ITUは、 4%、2%と、低い比率となっている。

国際規格との整合度合  注意すべきことは、対応が直ちに一致・整合を意味しないことである。
 左図は、国際規格ごとの整合度を示したものである。

 ISOの場合、様式も含めて内容の一致(IDT)のとれているものは、 4,000件中の 800件程度にすぎず、不一致(NEQ)が、1/3を占めている。
 ただ、不一致(NEQ)といっても、まったく話にならないと言うものではなく、少なくとも比較の対象となる程度の相似性が 有るのだから、全体としての整合度は、決して低いものとはいえない。

 ISOITUも同様な比率であるが、 ISO/IEC JTC1は、情報技術という分野の特性として、新しい規格が多く、 新規制定時に、WTOの精神を尊重してか、既存規格の取入れからか、 国際規格を採用する作業が違和感無く行われたようで、一致度が高い結果となっている。

各国国家民間規格との対応  左図は、対応する国家・民間規格について、国別に分類したものである。

 JP(日本)の規格(JIS,JAS,その他)と対応しているものは 26% あり、US(米国)43%には及ばないが、 RU(ロシア)17%DE,DD(ドイツ及び旧東独8%を凌駕していることは、意外な結果(驚き・喜び!?)である。

 ただ、JIS等の比率は年々低下しているが、JIS自身、国際規格との整合(一致)作業が進められている点から当然の帰結ともいえる。

 一方、米国規格の場合、その唯我独尊的態度(国際規格取り入れに消極的)からか、国際規格に匹敵するレベルで普及している(いた?) 民間規格(ASTM等)の実力のためか、今後もある程度の比率で残りそうな気配である。

JIS分野別比率  右図は、GB,GB/T規格に対応規格として記載されているJISを分野別に分類したものである。
 素材等の基礎分野である

 の比率が高いが、  も、ある程度の比率で存在しており、  も健在である点など、隣国としての親近感を感じさせられる。

 以上、簡単な分析を行ったが、源データが十分な精度で収集できておらず、 大雑把な処理しかできていないので、あくまで傾向(イメージ!?)をつかむ程度のお気持ちでご利用いただければ幸いである。

 GB,GB/T規格の各種分類による一覧表(番号、中文/英文タイトル、etc.程度)は、 CSBTSの説明をご参照願いたい。


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