たぶん、だぶん(多分、駄文)

記事の更新は不定期となるでしょう。たぶん。

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 このコーナーは、Msの独り言を書き綴ろう、という空虚なコーナーです。
 日頃思う事、時事ネタ、そしてもちろん音楽ネタその他もろもろについて書こうと思います。HP本編のネタの素材なども、予めこの場で紹介するかもしれません。その素材が、正式な記事として完成するかは???思いつくまま、勝手に書かせていただきます。

 ただし、新世紀の「たぶん、だぶん」どうぞご期待下さい、などとはとても言えない。
 世紀末、昨年の駄文以上の駄文を書くだけになりそうだ。自分ひとりだけが書きこめる掲示板みたいなものか?たまったら消していきますので、どうぞお見逃しなきよう・・・。ちなみに、ここのコーナーの記事については、更新履歴には今後載せないこととします。


 11月末の上京、東フィルのタコ8、さらに、ブルーメン・フィルなるアマオケの素晴らしい演奏については「トピックス」を見ていただくとして、いろいろ音楽三昧で楽しく過ごす。
 初日は、まず神田神保町「新世界レコード」・・・店内の配置が変わりましたね。でも購入物件はなし。続いて古賀書店にて音楽書立ち読み、そして前回の上京にて音源入手した芥川の「響」のスコアを若干定価より安く入手。エキサイトしますね。
 その後歩いて御茶ノ水、ディスクユニオン。ショスタコの交響曲第10,11番の2枚組、コンヴィチュニー指揮のゲヴァントハウスそしてシュターツカペレ・ドレスデンによる1960年前後の東独のショスタコ演奏を購入・・・・連休で聴きましたが、致命的な欠陥はあるものの全体的な雰囲気は良い。何かしら鋭い、恐さみたいなものは感じる。弦、金管(ロシア吹きではないが)などいい味出しているところ多し。ただし、打楽器が、なぁぁぁ。ドラに至っては全く聞こえないに等しいし、小太鼓も迫力不足。その他、全体的にパート譜の誤記か、半音ずれている旋律など何箇所か苦笑。まぁ、でも、4分を切る10番の第2楽章など、一度聴いておいても良さそうな部分はあります。かなり壊れている、という印象はありながらも捨て難いものは感じられる。
 食事をした乃木坂のデンマーク料理店から歩いて、六本木を通り過ぎ神谷町近くの「日本近代音楽館」訪問。これも「トリニタ」のページ参照。今後いろいろお世話になりたい場所だ。
 じっくり、芥川の自筆譜との対面を果たした後、渋谷へ。タワーにも寄って、試聴などしつつ、またダスビがらみな宣伝があるなァ、と思いつつ、オーチャードへ。
 オーチャードにてビラをパラパラみますと、今年の東急ジルベスター・コンサート、井上道義指揮、で、ロシアもの多数のコンサート。11:30からのTV東京の放映以前の第一部では、シュニトケの「ハイドン風モーツァルト」、シチェドリンの「カルメン」組曲と毒が混ざってるな。その他、プロコの「シンデレラ」から、「ワルツと真夜中」、例の12時の鐘が鳴る場面か、やってくれる。最後は、「花のワルツ」と「剣の舞」で無難に。しかし、一番注目の2002年を迎えるカウントダウン・・・ななんと、ショスタコの5番フィナーレ・・・今年の締めはタコ5に決定。皆さん、TV東京系で年を送りましょう!
 さて、翌日も再び御茶ノ水に寄る。この次の定演でブラームスの3番を取り上げるので、ザンデルリンクの名盤もこの際入手。超廉価盤16枚組を入手以来、ザンデルリンクを契機として、東独サウンドにはまっているのだが、これまたいい演奏だ。重厚でこれぞブラームスの王道・・・ひるがえって本日は、どうもこれと全く違うであろう、弱冠26歳のハーディング指揮によるドイツ・カンマーフィルの生演を聴きに行きますが。さてさてどんな按配やら。ちなみに、日曜の朝日新聞には、作曲家、林光による好意的な批評が載ってましたね。期待してよろしいかな?

(2001.11.27 Ms)


 早いもので今年もあと2ヶ月。まだ今年を総括するには早いけれど、結局、戦争の年・・・なのか・・・。気にはなっていたが、今年の日本、プロオケの異常なまでのショスタコ8番ブーム・・・・何か預言的ですらあって怖い恐い。戦争真っ只中に作曲された8番、7から9までの3曲のなかでもっとも戦争交響曲らしい内容だと私には感じられるのだが、今こそ、8番、全世界で聴くべき音楽なのか、とすら感じてしまう。
 戦争交響曲と言えば、私が最も鑑賞の際、気にしているテーマでもある。最近、よく聴いているのは、エストニアのトゥービンの、戦争交響曲三部作。3番から5番。これも壮絶な内容を聴かせている。是非、聴いて欲しい作品。第2次大戦、真っ只中の第4番「叙情」は、全く戦争を感じさせない美しさがかえって印象深い。戦争初期の第3番は、英雄的に意識し過ぎて、その後の結果を考えるなら(ソ連による併合、独ソ戦でドイツによる占領、さらにソ連による再占領)高らかな凱歌が逆に悲しい・・・・(ショスタコの7番はレニングラードが陥落せずソ連の勝利に終わったからこそ、まだあの誇大妄想的なフィナーレも、良かったねェ、と気楽に聴けるが、エストニアではそうもいかない。)。私のお気に入り、5番は、とにかく凄い。ティンパニ奏者2人の圧倒的な威力は、故郷エストニアがソ連に蹂躙され、スウェーデンに亡命したトゥービンの怒りが直截に表現されたものとして聞こえてしまうが、とにかく一聴の価値はあるだろう・・・・ただ、入手しやすいBISのヤルヴィ指揮、バンベルク響は演奏に難点あり・・・他の演奏を期待したいところではあるのだが・・・・。
 あと、ショスタコが、国家対国家の大戦争のなかで大規模な戦争交響曲を書き綴ったのとは対象的に、ナチスドイツに実質的に占領されたフランスでの、オネゲルの戦争交響曲三部作、2番から4番は、それこそ、2番のレジスタンス的なムードが緊張感も高く素晴らしい。
 その他、島国イギリスから、やや不安げにナチスの台頭を眺めるような、ウォルトンの1番、さらに冷ややかに遠くアメリカから戦争を映像として見、それに音楽をつけたストラヴィンスキーの「3楽章の交響曲」など、戦争にまつわる交響曲、いろいろ聴き比べるのも興味深い。でも、個人的には、それらの作品群の中では、ショスタコとトゥービンが最も、今の私の心には共鳴するようである。

 さて、話かわって、邦人作品、盛り上がってますね。ナクソスの日本作曲家シリーズ開始も話題沸騰だ。早速買いたいところ。
 10月末の、東京での、黛敏郎の歌劇「古事記」日本初演も、聴きには行けなかったが、評判も良いようで、興味を持った・・・聴きに行けば良かったか・・・・。
 昭和期の映画サントラの復刻シリーズも良い。とりあえず、芥川作品、それも、松竹「八つ墓村」これに、はまった。「たたりじゃぁー」というフレーズは当時小学生の私もよく覚えている。音楽は、以外とゲンダイ的な訳わからない怖いものでもなく、美しいものも多くて、とても聴き応えもある。また、落武者のテーマ、映画バージョンと、先行シングルバージョンとは全然違う代物ながら、どちらも、芥川ファンとしては感涙モノ。いいですわ、これ。

 やや、とりともめもなく書いてしまったが、今後2ヶ月、演奏鑑賞ともに多忙なる予定。ちょっとHP的には低調ではあったので、これからまたどんどん書きたいと思ってます。

(2001.11.2 Ms)


 レコード芸術11月号購入。このHPからも相互リンクさせて頂いている「ショスタコーヴィチ」HPの工藤さんが、レコ芸の「究極のレコードコレクター列伝」に登場ということで。
 工藤さんと同世代の人間として嬉しいニュースである。工藤さんのコレクションから、ソ連から出た全集スコアや、井上頼豊氏の著作やらの写真が載っていたり、聖地(笑い)新世界レコード、京都の十字屋などなど、ショスタコーヴィチを訪ねての情報収集の話等、私も同じ頃同じように(コレクションの質量とも比較にならないほどではあるけれど)高校、大学、社会人とここ20年弱ショスタコを追いかけてきたわけだ、うんうん、とうなづきながら記事を読ませていただく。このHPに訪れていただいている人ならば、是非ご一読、おすすめします。
 さらに、今号、廉価版の詳細な情報や、団伊玖磨氏の交響曲にからめた、「3人の会は米ソ中三大大国、団氏の日本列島改造論」なる記事、さらにナクソスからついに出る日本人作品CD第1弾の話等、興味津々である。

 フィンランド紀行もあと少しで完結。そう言えば、最近、フィンランドもよくTVで取り上げられているな。先週は、北欧トレッキング紀行とかいうBS番組でフィンランドの森、湖、海、山と訪れていたし、この日曜日も、梅宮辰夫一家がフィンランドを訪れる番組をやっていた・・・・ちらっと見たが、釣りしてバーベキューして・・・・アンナがスキャンダルに対して母に弱音はいて・・・・別にフィンランドである必然性がないじゃん。全部見たわけじゃないがそう思った次第。続いて、フィンランド映画も教育TVでやっていた。着実にフィンランド、日本においても近い存在になりつつはあるのか。

 先週、東京の某学生オケの方よりお便りあり。中高生の団体のようだが、次回、グラズノフの7番を演奏するとのことで、私の「隠れ名曲」の記事にたどり着いたとのこと。なかなかに意欲的で素晴らしい。ただ団で誰も知らない曲とのこと、私のあんな記事でもお役の立てれば良いのだけれど。
 ちなみに、その方、その団体で今まで、ショスタコーヴィチの1番、12番とやっているのだそうな・・・・若い頃からなかなかハードに頑張っている。これまた素晴らしいことだ。そんな貴重な経験をされたオケの皆さんにはこう伝えたい。「是非、大学、社会人とオケを続けて欲しいな。そして、ショスタコやグラズノフ始め、まだまだ珍しい曲をもっともっと演奏して欲しいな。」

(2001.10.22 Ms)


 秋真っ盛りの連休を利用して京都への小旅行。大徳寺を中心に寺院・庭園など観光。目当ては大徳寺内の「芳春院」。来年のNHK大河ドラマ、加賀前田家の菩提寺である。前田利家の妻まつ所縁の場所。普段は非公開ながら、今年の10月より公開ということで早速でかけた。金閣銀閣など京都4名閣のひとつ「呑湖閣」(どんこかく)は、みものである。観光ボランティアの方が丁寧に解説もしてくれて楽しめた。前田家の墓所でもあるが、ここに、アンディ・フグも眠る。日本の侍と共に葬って欲しいとのことで。ちなみに、大徳寺は織田信長の葬儀が行われた寺で戦国大名も多く眠っている。
 その他、同じく大徳寺内の「瑞峯院」は、九州のキリシタン大名、大友宗麟の菩提寺。庭園の石の配列が十字架の形になっているのが興味深い。観光客も少ない穴場である。

 食事も、フレンチ、イタリアン、ロシアといろいろ巡って大満足である。
 鴨川ぞいのロシア・レストラン「キエフ」は、歌手、加藤登紀子の店。眺めもよい。キエフと京都、姉妹都市でもあるらしい。民俗音楽のショーもやっているらしいです。
 フレンチの「メゾン・ド・イッテー」、北の端、北山の閑静な住宅街にある。特にパンが素晴らしくおいしい。1500円のランチ、何度でも食べたい。絶対のお勧めスポットである。
 四条河原町の阪急デパートの裏手の狭い路地にある「カルド」は、スパゲティの麺がいい。店自体、戦前の古風な雰囲気もまたよし。ショスタコの掛けていたような眼鏡をした客もいて、これまた古さを感じた。
 その他、京都市民の台所、錦小路の散策。有名な打田の漬物、それも大人気の(何故か)白菜キムチ。これまた美味である。

 音楽ネタとしては、北山に行ったついでに、コンサートホールも立ち寄ったら、シベリウスの交響曲第2番のオルガン版(京都コンサートホールによる委嘱らしい)をこの秋の音楽祭の一環で初演するらしい。面白い企画ではある。
 大学時代はよく立ち寄った、十字屋、三条本店、そして四条店も立ち寄る。N響過去の名演のシリーズより、コンドラシンのプロコ、ブロムシュテットのニールセン入手。それ以上に収穫あり。ワゴンセールにて、オーレ・シュミット指揮ロンドン響のニールセン交響曲全集、3枚で2000円。ザンデルリンクの16枚BOXがなんと5200円(1枚300円ちょっと!!)・・・シベリウス交響曲全集、ショスタコ交響曲選集、マーラー後期3大交響曲などなど盛り沢山。さらに、最早入手不能と思われていた、ヴァンスカ指揮のショスタコの3番「メーデー」も見つけて大喜びだ。
 ちょっといかがわしくて手は出なかったが、コンドラシンの最後の演奏を含む2枚組も発見、マーラーの1番。その他シベリウスの5番など、ただ出典のよくわからない、いかにもと言うような海賊版・・・・・興味はあるのだが・・・・・。買っときャ良かったか?

 さぁCD、バシバシ聴きまくるぞ(2001.10.8 Ms)

とうとう始まってしまった戦争。長期戦は必至か。こんなお気楽な生活ともいつかお別れしなきゃいけない時代になるんだろうか?不安感つのらせつつ、ショスタコの8番など聴いてみるか。


 高橋尚子がベルリン・マラソンで世界新、女子で始めて2時間20分台を切った、とのニュース。走りっぷりをTVでずっと見ていたわけではないが、2年前に訪れたベルリンの町並み、ふと懐かしく。それ以上に、バッシングなども吹き荒れた後に、これだけの記録を出すという精神力、素晴らしいと思う。昨年の秋、岐阜交響楽団さんのエキストラで訪れた際、街中に、高橋尚子の名前があふれていたのも懐かしく思い出したりもした(そう言えば、芸術の秋も本番、本日某オケのトラの練習に出掛けたのだが、途中岡崎にて、琴光喜おめでとう、などと垂れ幕を見つけたな。)。
 ただ、こんな素晴らしいニュースなのに、午後7時のニュースにて、アフガン情勢のニュースの後というのはやはり物騒な世の中なものだ。・・・さらに、ニュースの取り扱いで感じたのだが、かわいそうなのは、巨人・長嶋、中日・星野その他の監督の方々の引退か・・・。

 さて、今日の演奏活動。「展覧会の絵」の「ババ&キエフ」の打楽器類一人掛け持ち、「幻想交響曲」第4楽章ティンパニなどなど充実の極み。あとは、ややお遊び。ルロイ・アンダーソン小品集、譜読み大会。「タイプライター」は楽しいね。「ワルツィング・キャット」は、ワンワン鳴きまくってバカ受け?やや珍しい「フィドル・ファドル」面白いぞ。本番が多いに楽しみ。趣向も凝らしつつ楽しいステージになりそうだ。また、詳しく書いてゆこう。

(2001.9.30 Ms)


 しばらくパソコンをいじらない日々が続いた。
 9/11の連続テロ、そして最近のコンピュータ・ウィルス。パソコンを遠ざけた私。言葉も失う。ただ、ここのところの国際的な緊張、日本という国がどうあるべきか、もっと真剣に考えたい。取り返しのつかない方向へ進んではいないか?・・・・・・多言無用、ここでは音楽が主役である。

 9/16の早朝、BSで放送されていた、ロンドンでの、プロムス・ラストナイト。テロを受けて大幅な曲目変更。「威風堂々」はじめ定番の英国ナショナリズム選曲が消え失せ、コンサート自体、お祭りムードも消え失せた。確かに、人を嘲るようなアイヴズの「アメリカ変奏曲」などやっている場合でもないか。・・・楽しみにしていたのだが。「威風堂々」の代わりの、ラストの「第九」フィナーレは私は聴いていない。こんな時にこんな曲でいいのか?歌詞をよく読もう、

「ひとりの友を真の友にするという大きな難事に成功した人、また優しい女性を得る事のできた人、そのような人々はかれらの歓声をあげよ。
そうだ、地球上において、ひとつの魂でも自分のものと呼びうる人もまた歓声をあげよ。
しかしこれのできなかった人々は、
涙を流しながら、この団結から立ち去れ。(全音版ポケットスコア解説より)

 私には、何かひっかかりを感じる団結の方法に思えるのだが?

 私の心に強く突き刺さったのは、第1部の最後、バッハの「パッサカリアとフーガ、ハ短調」のレスピーギによるオーケストラ編曲。マーラーを思わせるような四管編成の大オーケストラ、悲劇的テーマの止めどもない連鎖、パッサカリア、さらに同一主題によるフーガ、このテンションの継続は尋常ではない。特に、パッサカリアの終盤、ティンパニによる、運命モチーフによる主題の再現など壮絶な効果だ。演奏自体はやや詰めの甘さを感じさせつつも、特に最後のティンパニの怒涛の嵐の如きトレモロの持続を始め、力のみなぎる演奏で感銘するところ甚大である。あの悲劇に対して、最も私はこの音楽がオーバーラップし得た。バーバーのアダージョよりも・・・・。仮に、チャイコの悲愴だろうが、マーラーの悲劇的だろうが、いくら大編成でも、バッハの音楽にはかなわない。何かは具体的にはわからない、でも超越した凄みがある。バッハの偉大さについて考えさせられた。

(2001.9.22 Ms) 


 ここのところ、演奏会らしい演奏会とは縁がないままの生活が続くのだけれど、前回書いたTVネタも含め、いろいろ音楽づいた生活は続いている。

 やはり、BSでは、8/31に、グリーグの伝記映画的なドラマをやっていたが、かなりショッキングな内容。最晩年のグリーグが旅の途中、船に乗りつつ、人生を振り返るのだが、「私の本当に伝えたいことは、この2曲に込めてあるのだ」と言い、その2曲が流れる中で、人生のさまざまな場面がほとんど言葉もなく回想されてゆく。曲は、ピアノ曲「ノルウェーの主題による変奏曲形式のバラード」と「弦楽四重奏曲」。それぞれ、楽譜出版商の前での披露の様子がまず映り、みんな理解できないような顔をしている。「世界に知られた巨匠グリーグの、巨匠的な音楽ではないことに落胆しているのだろうか」などとつぶやきつつピアノに向かうのだ。
 学校に行きたがらなかった子供時代、ホームシックになったライプツィヒ留学、女どもをはべらせてピアノを弾くリストにおっかなびっくり近づいたり・・・と音楽遍歴、まではまだよい。妻ニーナとの結婚、娘の死、夫婦間のすれ違い、音楽に没頭するグリーグ、それぞれが禁断の果実を・・・・ダブル・不倫・・・・・チョイ待ち! これはホントの話か? 私の伝え聞くところのグリーグとえらく違っているのだが。
 なんだか、見終えての感想は釈然とせず。ただ、弦楽四重奏曲の第1楽章など、ダブル不倫の危うさとうまく合った雰囲気ではあったな。このドラマは紛れもない問題作だ。

 日曜はこれまた、名古屋に所用あり、ただし車で藤ヶ丘まで。ついでに、アジア系料理の堪能、そして、お気に入りのベルギーの白ビール購入などなどインターナショナルに楽しんできたが、偶然、中古CD屋によったら、一枚250円で、ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデンのベートーヴェンがあったのでこの際買っておいた。ベートーヴェンやブラームスの交響曲なぞは、ほっといても自分の耳に飛び込んでくるような代物なので基本的にCDを買わない主義だが、250円だし、以前BSで聞いた、東独ビロード革命10周年、ブロムシュテット・ゲヴァントハウスの「運命」の爽快さが気に入っていたし、今更ながら「第九」のCDもっていないし、ということで、店頭にあった、2,3,4,9と買っておく。重厚さのみでは聞いてられん、推進力、これぞ音楽の命。改めて実感。

(2001.9.4 Ms)


 「お知らせ」にも書いたとおり、ブロムシュテット・ゲヴァントハウスの来年の来日公演のプログラムからニールセンがはずされて、立ち直れない状態なのだが、その心の隙間をささやかながらも埋めてくれる朗報が耳に届く。
 来月、再来月と、N響の伝説の名演シリーズとして、CDがぞくぞく発売とのこと。(HMVのHPにての情報)
 そのなかにありました・・・・ブロムシュテット・N響による、ニールセン、3番と4番の組み合わせ・・・・4番是非聴いてみたかったのだ。今から楽しみにしています。
 その他、個人的には、コンドラシンによるプロコの5番もよろしいかと。

 ここのところ、TVから目が離せない。ビデオ録画ばかりしていて、まだすべては見ていないのだけれど。
 8/24、BSにて別府アルゲリッチ音楽祭。以前チャイコのp協は教育TVで見たが、そのコンサート全部を放映。ペルトの「ブリテン追悼歌」、そしてシベリウスの2番。イタリア人若手指揮者、なかなか熱く聞かせてくれている。
 8/25、やはりBSにて、小澤征爾最後のタングルウッド音楽祭。バルトークのオケ協。ハンガリー語のアクセントを例にとっての音楽作り、興味あった。続いて、深夜、昨年のプロムス・ラストナイト再放送。ショスタコの新・ジャズ組曲第2番初演も、標準速度にて再度録画。
 8/26、またまたBS、仙台での音楽コンクール・ガラ・コンサート。ブルガリアの若手奏者による、ショスタコのVn協1番。時間の都合で第1楽章割愛なのは悲しかったが、ソリストの腕前は確かだ。速いテンポで押しまくっていた。
 そう言えば、その日はバイオリンづいていた。「題名のない音楽会」にて竹沢恭子ゲスト。まだ聴いてないラベルのツィガーヌが楽しみ。
 N響アワーでは、クレーメルの15年前の演奏。ベートーヴェンの協奏曲だったが、自作のカデンツァがふるっている。カデンツァなのにオケがいろいろ伴奏している。ティンパニの同音連打も効果的に。実はこれ、池辺氏はクレーメルのオリジナルのような解説であったが、ベートーヴェン自身による、ピアノ協奏曲への編曲の際、書き入れたピアノ用カデンツァをアレンジしているのだ。このあたりのことも時間を見つけていろいろ書きたいところ。

 もういっちょ、フジTV系、朝の「とくダネ!」で、テルミンの特集あり。伝記映画が東京で大人気、満席続きなのを受けて。テルミン奏者もゲストによんで、楽器をいろいろ触って演奏法を解説、最後にガーシュインのサマータイムを演奏。テルミン、ブレイクの予感・・・・。YMOで育った、テクノ世代としても、このややレトロで新鮮な電気楽器、おおいにそそられるのだ・・・・ショスタコの書いたテルミンの曲、弾いてみたいな。

これらのネタ、まとまった記事になるかどうかは?(2001.8.29 Ms)


 丁度、タダで聞ける名古屋フィルのファミリーコンサートがあって名古屋へ。シャブリエの「スペイン」、アランフェス協奏曲、「三角帽子」第1・第2組曲と、スペイン・プロで華やかな演奏楽しめました。指揮は、最近活躍の沼尻氏、熱い演奏で派手派手、終幕はカスタネット四つ重ねるはで(大太鼓やシンバルなどの奏者も片手でカスタネットを掛け持っててオモシロイ)、もう感激。定演並の高レベルでのコンサート、よかった。アンコールも、三角帽子の終幕のみ、観客にカスタのリズムで手拍子を求めたのも楽しかった、モルト・リットかけるのは観客のほとんどは無視しちゃったのは残念・・・。プログラムに全力投球、適当に「カルメン」の抜粋とかしなかったのは、ファミコンとしてはいささかサービス不足かもしれないが、演奏態度としては多いに共感。
 

 追記。ダスビの次回が決まった。ということで、唯一スコアを買っていない交響曲、2番と3番もこの際、購入。10月革命に捧ぐ、という詩を熟読しつつ、今の日本の改革熱など想起したり。

(2001.8.12 Ms)


 フィンランド・ネタ続きます。
 朝、新聞見たら、普段は見ない「めざましテレビ」、「北欧でムーミン満喫」などとあり見てしまう。7時半前くらいの枠だったのでちょうど出勤直前、拝見。
 日本人の画家に手紙を渡すべく旅してはるか、タンペレまで。おぉ、懐かしい、赤い煙突群。町の中心の水力発電だ。フィンランド第2の都市、そして工業都市ながらも、ゆったりとした雰囲気、とナレーションも。まずは、ムーミン・グッズの店へ。数々の本場もんの絵本やらキャラクター・グッズ紹介。これだけ見てると、ただの店みたいだが、タンペレ市立の図書館の一部であるムーミン谷博物館、その併設のお店である。「ムーミン満喫」のわりには、肝心な博物館に入る事無く、次に進む。あれれ。
 手紙を渡すのが主体のようで、その画家の方の紹介に時間をさいていた。でも、フィンランドの美しい風景を主題にして絵を描いている。特に最後に紹介されたのはその名も「フィンランディア」と名付けられた、森と湖の、フィンランドの湖水地方の典型である美しい風景。旅行時のガイドさんのことも思い出しつつ、日本人、遠くフィンランドにて様々な活躍しているのだと再認識。日本人の心をつかむ何かが存在しているのだろうか?
 無味乾燥なる毎日、仕事前に爽やかな風を受けた。

 追記。旅行帰りの土日。まだ時差ボケなどありながらも、再度、某中学、吹奏楽部訪問。旅行中に見事、県大会に進むこととなったと。さらに東海大会めざす練習を見に。もう、何も言うことは無い。まじめに、みっちり練習しているのがとてもよくわかる。社会人オケでは、こんな感激、見られない。持てる力、すべて発揮してほしい。頑張れ。
 個人的にも、審査員の評判、打楽器に好意的で嬉し。某プロ打楽器奏者のコメント、欄外に、打楽器の演奏、好きでした。などと書いていただいており、中学生達もよく頑張ったのだなぁ、と。僕がそれに役だったのかはわからないけれど。とにかく嬉しい。

 (2001.8.7 Ms)


 行ってきました、フィンランド。7/25〜8/1の1週間。
 ヘルシンキから、電車で南カレリア地方へ。ロシア国境の町イマトラプンカハリュー、オペラ・フェスティバルの最中のサボンリンナ。一転、湖水地方、タンペレ、そしてシベリウスの生誕地、ハメンリンナ。最後は、ムーミンワールドのある、バルト海に面したナーンタリの豪華スパ・ホテルを拠点に、世界遺産ラウマの旧市街、スウェーデン支配時代の古都トゥルク。そして、ストックホルムへの船旅をもって旅行は終わり。
 それにしても、暑かった・・・・30℃越えてるのだから・・・。セーターを使わずに済んだのは良かったが、本気で地球温暖化、考えてしまうな。
 それはともかく、実は今回、フリータイムのないツアーで、単独行動はほとんどなし。ということで、フィンランドの自然満喫、及びムーミン関連の観光に重点がおかれ、オタク的音楽ネタはあまり充実していません。多少は、空いた時間でなんとかしようとも考えていましたが無理でした。それでも、現地ガイドさんがクラシック音楽に詳しく、いろいろ楽しい経験もできました。シベリウスの生家では、何でもCDリクエストしてください、なんて言うので、ピアノ曲の即興曲ロ短調やら、弦楽四重奏など聴かせていただき、係員の方に、「いい趣味してますね」と誉められご満悦である。聞けば、「毎日、10回以上「フィンランディア」を聞かされてる」とのこと。「独立記念日のためにとっておきたいのに・・・・」とのことだ。確かに、前回ここを訪れた時もフィンランディアだったっけ。
 ハメンリンナのシベリウス公園も私のリクエストで寄っていただき感謝。ヘルシンキの公園と違ってこちらは、若き日のシベリウス像。ここを寄る日本人は少ないとのこと。おまけに、公園のとなりの学校は、シベリウスの母校で、「フィンランディア賛歌」の冒頭の楽譜が刻まれていました。これは初めて知りました。
 食事のおいしさは格別。魚料理などは、日本人の味覚に近いのか、満足。さらに、カレリア地方の伝統料理、これは素晴らしい。特にカレリア・パイ、是非また食べたい。しかし、都市部で売られているのは全然ダメ。カレリアの田舎にしか残っていないという。それも消えつつあるのだとか・・・。洋梨のシードルもまた美味。
 街としてとても気に入ったのは、中部の工業都市タンペレ。街のど真ん中に水力発電所があってびっくり。ホテルもその隣。フィンランド工業化の象徴たる街、労働者の街だけあって社会主義の聖地?レーニンが革命前、潜伏していた街、そしてスターリンと初対面した街。ということで、世界でおそらく最後の「レーニン博物館」のある街。時間の都合で入ることは出来なかったが、記念撮影だけはしてしまった。朝早くで右翼の襲撃は避けられたか。また、アイノラと同じ設計者の手によるタンペレ大聖堂もまた凄い迫力。祭壇画など内部の絵画は黄泉の国をイメージした不気味さが売りだ。もちろん、タンペレのメインであるムーミン谷博物館も楽しめた。

 などなど、思い出も豊富なフィンランド・ツアー、またゆっくり回想しつつ、旅行記でも書きましょう。
 実は、フィンランド情報通な添乗員さんから事前に情報を得ていたのだが、私達の帰国の飛行機で、ムーミンが来日すると。もちろん、ムーミンが座席には座っていなかったが。乗客を全部降ろした後、特別なタラップが用意され、報道陣用に、ムーミン来日撮影会。私達のツアーの人達はそれも見届けることが出来た。ツアーの女性たちが「ムーミン、こっちむいてぇ」と叫ぶなか、ムーミンはホントにこっちむいて、大歓声である。
 空港内でもいろいろ出没していたムーミン。なかにいるのはフィンランド人、日本の暑さに耐えて頑張れ。でも辛いだろうな。

詳細はこちらにて連載開始(2001.8.2 Ms)


 6/9のニールセン誕生日にちなんでの、ニールセンHP発足よりはや1ヶ月、結局更新できず、で大変申し訳なく思います。ただ、6月、私にとっては、大好きなショスタコの5番の演奏もありましたし、彼の音楽によるアニメ映画の上映、など話題満載でそちらにかかりっきりでした。そして、つい最近は、日フィル・ヤルヴィのシベリウス演奏。我がHPの主役級の2人がこんな大活躍では、ニールセンさんもいきなり可哀想でした。

 ということで、結局、曲解からニールセン、本格始動といきますか。まだ、ほんの序の口だけしか書けていませんが、このネタはずっと温めていましたので、結構、長文になるような気配。勉強もこの際、しっかりさせていただきます。

 ニールセンの歌曲のCDの購入も1ヶ月ほど前に「だぶん」で紹介しましたが、今回の生ヤルヴィの上京時は、歌劇「サウルとダビデ」の輸入廉価版CDも入手。この土日で2回、部分的には3,4回聞きました(聞き流した、が正しいか。)。6月の土日はひたすら忙しく、もうバテバテ。特に後半は、暑さも手伝って。7月最初のこの土日はしっかり休息をとりました。その中で、ニールセンの大作オペラも思いきって聞きまくり。なかなか辛いものはありました。廉価版で、歌詞の掲載がない、当然、英語の解説のみ、それもちょっぴりだけ。曲目のインデックスも大雑把、かつ歌詞の冒頭だけで意味不明・・・。結局、1回聞いた後、本屋で、旧約聖書に関する解説本を立ち読み、「サムエル記」の、サウル王の失脚と、ダビデ少年の台頭、そして即位の物語を頭に入れてきました。
 詳しいことはまたいずれ。しかし、ニールセンらしからぬ、重厚な、そして悲壮なもの。交響曲第2番第1楽章と同じパッセージ、そして「愛の賛歌」と同じ発想、など初期の作品との関連も興味深い。
 また、彼にしては珍しい、ハープの使用も特筆すべき。「オケの中のハープは、スープの中の髪の毛」なんて言い放つ彼ではあったが、旧約聖書にダビデは竪琴の名人、なんて書いてあるんじゃしょうがないわな。
 あと驚きは、金管打の第4幕での炸裂、金管がユニゾン・オクターブで荒々しく旋律を吹奏しつつ、高弦、木管がヒステリックな早技で修飾するのはショスタコ風だ・・・「バビ・ヤール」第1楽章の再現部を想起。ホーレンシュタイン指揮のデンマーク放響、トランペットがトランス状態・・・一人で合唱を消すぐらいのロシア吹き・・・完全にいっちゃってる。サウル王の最後の場面なのだろうが(ペリシテ人の軍に敗れるところかな?)、何だか壮絶、オペラ、見てみたいよ。

(2001.7.9 Ms)


 渋谷タワーレコードにて、メロディア大安売りセール。旧ソ連のメロディア・レーベルの再販をしているBMG、契約切れですべて廃盤になるとのこと。ロジェベン指揮のショスタコの「鼻」&「賭博師」の2枚組が1200円弱、オイストラフのショスタコのVn.ソナタが800円弱。買い。聴いてみて、良い。

(2001.7.2 Ms)


 トーベ・ヤンソンさん死去。6/27。86歳。ムーミンの生みの親である。
 昨年、ムーミン・コミックスが日本で刊行、あらためてムーミンの、文明社会批判的な側面に気がつき、多いに感銘を受けつつも、素直に笑ってしまうギャグのセンスにも脱帽。大人としても、ムーミン、楽しめるなァと感じたところであった。2年ほど前には、本国でのアニメのビデオも入手、ムーミンの世界、一般の人々よりは堪能していた方だろう、私。それもこれも、シベリウスの音楽を通じて、また民族的な親近性(アジア系)もあって、フィンランド贔屓になってしまった故に当然、ムーミンも近い存在になっていったのだ。
 そんなムーミンの作者の死、唐突に今日、新聞にて知らされた。作者に関しては直接的な思い出も特にない。でも、なんとなく淋しいもの。偶然にもこの夏、ヤンソンさんの追悼に結果としてふさわしいであろう複数の機会に恵まれそうだ。冥福を祈ります。

(2001.6.28 Ms)


 ここのところ、音楽ネタにことかかない休日を送っており充実のきわみ。その分、HPの更新は低調なのだが。
 先週、6/16(土)は、私のHPとも相互リンクしている、音間鳴さんの中学校へ訪問、打楽器の指導の依頼あったため。とても楽しく過ごせました。なかなかに自己流で新鮮に映ったりもするのだが、とにかく飲みこむのが早いです。ちょっと指摘をしただけで随分変わる。私もオケでトレーナーなどすることもあるが、やっぱ大人は融通がきかないってことかな。
 しかし、最も笑えたのは、タンバリンの16ビートのやりかたがわからない、と言われたこと。ようは、バンドでやってるみたいにモンキータンバリンを左右に手首で振って鈴の音だけ鳴らせばよいのだけれど、彼女達の方法は、ひたすら16分音符を皮の部分で正直に叩いてしまっているのだ。これは、やれ、と言われてできるものではない。すごい手首が柔らかいのね。
 あと、思ったのは、最近、吹奏楽もご無沙汰だが、演奏する曲の質が私の現役時代とは違います。なかなかクラシカルで、最近はやりのケルト風でもあった。さて、もう一度訪問することとなるのだが、今から楽しみである。

(2001.6.20 Ms)


 さて、ショスタコMLでも話題となった、シャンドスから出たショスタコCD−ROMを入手。矢場町パルコのタワーレコードにて。
 さっそく見たが、感激・・・確かに映像としても情報満載・・・ピアノ協奏曲第1番の自演(1940)、フィナーレの最後だけだが、こんな映像があろうとは、まだまだいろいろ潜んでいそうだが、これはみなさん自身の目で確かめてくださいませ。

 なお、当HPからリンクの、工藤さんのShostakovichのHPの最新の記事で、このCD−ROMの中身の詳細な紹介があります・・・これ見たら、みんな絶対欲しくなりますよー!

 ニールセン・ページも、彼の誕生日に正式立ち上げ。これからが大変だな。
 ただし、この土日はショスタコ三昧だった。来週再来週も某アマオケのタコ5演奏に専念予定。ニールセンは気長に構えてて下さいませ。気が多くて・・・。

(2001.6.10 Ms)
記事追加(2001.6.13 Ms)


 とりあえず、仮公開のニールセン・ページも、FS番号による全作品リストが完成(まだまだ手を加えて行きますが)。まだまだ情報量は少ないものの準備も順調に1ヶ月で出来上がり、正式公開も間近か。作品全体を今回ざっと見渡しての感想もあります。その辺りもコラムで取り上げたいです。
 リスト作成に当たり、我が所有のCDも全てチェック。やはり交響曲第5番の多さは納得・・・好きなのよ。あと、我ながら全般的に集めたなぁと思いつつも、声楽曲が手薄。ということで6/3、名古屋に行って来たのを良い機会に、歌曲のCDを入手、ざぁっと聞き流してみる。比較的簡単な歌い易いものが多く、交響曲の世界とは随分違っている。そんな中にも、たまに、よく聴き慣れた交響曲のニールセンの節回しも聞こえたりすると嬉しかったり(交響曲第1番第2楽章、交響曲第5番第1楽章とそっくりな主題がでてきたときにゃびっくりだ)。まだ、歌曲集の詳しい題名について書き入れていないし、それと合わせながら、CDの欄も歌曲についても充実させてゆきます。
 
 そう言えば、ストラビンスキーの作品を聴いてきたのだが、管楽器の愛好やら、ユーモラスな表現やら、ストラビンスキーとニールセンなんて言うのも興味深いテーマだと感じた。彼らが同じ写真に収まっている姿など見ると、結構、馬が合っていろいろ意見交換したのかな、などと想像したり。

(2001.6.4 Ms)


 さて今日(6/3)は、1週間ほど前に急遽依頼のあった、「プランタン管弦楽団」なる新規のアマオケの設立記念のコンサートに出演。本番前日からの合流でスミマセン。
 メイン、ハイドンの「時計」のティンパニ、楽しくやらせていただいた。のだが、やはり出来立てのオケ、アンサンブルの荒さはかなり気がつく。実際、本番もテンポ感が安定しない。演奏しにくいのは確か。なんとか最善は尽くしたつもりだが、客観的なご意見は聞きたいところ。
 ただ、結構ハイドンなんて、アマオケでも取り上げない難曲のくせに音はしっかり並んでいた。勢いも、特に弦、あった。その勢いはとても好感を持つ、しかし、その勢いを収斂させて一つの団体としての一つの音楽にまとめあげてゆく、のが今後の大きな課題でしょう。素材、としてはもうそろっている。あとは的確な調理、といったところか。今後の発展を望みたい。

(2001.6.3 Ms)


 團伊玖磨氏逝去。中国にて自作演奏会の準備の途中のことであったと言う。冥福を祈ります。
 思えば、2000年DAN YEAR という日本音楽史上最大級のイベントの後、また、長編連載、パイプのけむりの終了直後、ということで、彼の人生にとっては何か区切りのような時期ではあったのかもしれない。それにしても急な話である。私も、まだまだこれから創作欲旺盛な彼がどんどんオペラや交響曲を書いてゆくのだろう、と漠然と思っていたのだが。享年77歳。
 昨日、本屋でニールセン情報調べつつ(5/16下記参照)、何気に團氏の著作、現代日本音楽史にかかわるものを手にしたのも感慨深い。私が團氏の著作に手を取っていた頃、突如、彼は健康を害し、死への道を駆け始めていたのか・・・・。

(2001.5.17 Ms)

團氏追悼記事、続きは、’01 9月 今月のトピックスにて。


 ぱっとしないGWではあったのだが、よくよく考えれば、4/19のN響から、5/13の蒲フィルまで、シベリウスのヴァイオリン協奏曲と、ニールセンの交響曲第5番が常に傍らにあった、至福の黄金月間(GM?)であったんだなぁ、と回顧。
 あれ、シベリウスは良いとして、ニールセンと蒲郡は?と思うなかれ。やはり、ラベルのボレロ、ニールセンの5番なしに生まれ得なかったのだ、という曲解が妙に確信的に感じられるようになってきたという意味で、蒲郡も、ニールセンGMの一環なのだ。ボレロ作曲前のラベルとニールセンの接触、怪しい・・・。今日、仕事の帰りに結構大きな本屋に寄ったら、ちゃんとラベルの伝記があった(さすが愛知県第2の都市ではあるな。)が、年表見ても、そんなこと書いてない。ちなみにブラームスの評伝を読んでも、グリーグやチャイコに会ったことは書いてあるのに、ニールセンに会ったことは書いていない。ニールセン情報、なかなか得られないもの。でも、また、ラベルとニールセンの5番についてもしかるべきところで書いてみたい。

 さて、さえないGWの成果でもあるニールセン・ページも今のところ順調にエスパンシーヴァしています。も少し記事が増えて、ニールセンの全体像のおおざっぱなことが分るレベルになったら正式公開としたいと思っています。
 思えば、4月はショスタコの5番のスコアを職場への行き帰りに眺めていたのだが、5月は一転、ニールセンの英語本に取って代わられた。その成果がHPに反映できれば良いのだが。

(2001.5.16 Ms)


 5/5。GWもいつのまにやら終わろうとしている。
 昨日は、清流氏が来訪。某アマオケの本番を翌日に控え、夜、練習の後立ち寄ってくれた(私は出演しない)。結果として、このGW最大のイベントが彼の来訪か。いつもの通り、ビデオやCDの応酬をやりつつだべっていたら、気がつけば午前4時過ぎ。さらに寝坊。気がついたら午前9時。あわただしく出発。なんとか練習には間に合ってくれたと思うが・・・・。私は飲み過ぎと寝不足で、またゴロリ。
 ただし、明日、今回のGWの総括をHP上で発表。さて、何が?

(2001.5.5 Ms) 


 自宅にまる一日缶詰だった4/28も利用して、4/19〜22の東京大阪旅行の戦利品CDの数々を一気に聴きまくった。
 ニールセン。こういう時は自分への景気付けとしても良い。まず、最新のBBCミュージックなる英語雑誌、おまけのCDが、BBCウェールズのオケで、「不滅」クラリネット協奏曲。前者は、ペトリ・サカリ、後者は尾高忠明。ライブのようだが悪くない。「不滅」は結構派手に華々しくやってるな。
 ロジェストベンスキー指揮、王立ストックホルムの交響曲全集。これは、あまり勧められない。とにかく全体に重い。遅い。ダサい。重厚さを狙っているのだろうけど、アレグロ楽章はかなり辛い。もっと精悍に、スマートに駆け抜けるように、という音楽であって欲しいのに(ブロムシュテット、サンフランシスコがやはりベースにあるな、自分としては)。ただ、第2番の第3楽章などはそれがいい方向ではあろうが。
 ただし、例外は、第6番。これはすごく面白い。ショスタコ指揮者のロジェベンならではの、皮肉かつ大胆な演奏。一番彼のキャラにあっているんだろう。音楽自体の流れが、邪魔な動きによって寸断されたり乗っ取られたり・・・・そういう箇所の面白いこと。ニールセンの書いたユーモアを最大限ひきだそうとした怪演。これは聴く価値ありとみた。

 ショスタコの周囲の作曲家。フィンランドのエングルンドの交響曲第4番「ノスタルジア」。ショスタコとストラビンスキーの死に触発された、弦と打のための作品。第2楽章「光陰矢のごとし」なる楽章の打楽器は面白い。しかし全体としては、あまり「ノスタルジー」は感じられなかった。
 ショスタコの弟子ティーシチェンコの「オルガンのための12の肖像」より第12曲「ショスタコーヴィチ」。これはつまらない。なぜかティンパニも入っているが、全然つまらない使い方。音楽的にも訴えるものはなかった。ちなみに、昨年出た没後25周年記念CDの一環で、メインは、「ミケランジェロ組曲」のオルガン伴奏版。これまた演奏がひどい。やはり、オルガンを使っての細かなソリストとのアンサンブルが取り難いのだろうか。

 さて、ショスタコのCDとしては、ベラルーシのオケによる映画音楽集。「コルジンキナ」「僧侶とバルダ」など、ロジェベン版でのみ聴かれる隠れ名曲の他の演奏、初めて聴いたが、たるい。ロジェベンを意識してか、違う演奏を目指して失敗している。遅い。重い。ハチャめちゃさが欲しい。「黄金の丘」もイマイチ。しかし、このCD、「愚かな子ネズミ」原典版の世界初録音がメイン。これが素晴らしい。シャイーのCDで、他人の手が入った版が聴けるが、ようは、声楽パートを割愛し、オケだけでやれるようにしただけ。原典版は、ナレーションと子ネズミの語り、そして、母ネズミ、犬、ブタ、猫などの歌が入って、とても楽しい。「1幕の子供のためのオペラ」としてのサブ・タイトル通り、オペラを書きたくて書けなくなった彼のささやかな抵抗でもあろうし、かつ、非政治的なスタンスに立った、彼の本質を表す佳曲である。子ネズミを寝かしつけようという動物たちのコミカルな子守唄、鼻を鳴らしてうるさいブタの子守唄、結局自分が寝てしまうオチ。馬の、やたらと威勢の良い子守唄、などホントに楽しい。ハープやチェレスタなどが効果的なオーケストレーション。それこそ、「トムとジェリー」を彷彿とさせる愉快な世界。「ピーターと狼」ほど鮮やかではないけれど(プロコに比べるとショスタコ、表面上の貧しいイメージは否めないな)。子供のための作品として、もっと普及してもいいのではないか?CitadelなるレーベルのCTD88129。興味あれば是非探して聴いてみてください。ここで、また曲解、「愚かな子ネズミ」に触発されて、オペラ作曲への夢、止みがたく、結果として発表できないのを承知で「賭博師」の作曲に突入したのかな?

(2001.4.30 Ms)


 ミールも無事廃棄。ロシアもやる時ャァやる。でも超大国、ソ連も遠くなりにけり、か。
 そんなミールが通過するということで緊張感の高まった中国四国地方、ミール騒動の息つく間もなく、地震の報道。確かに最近多い。私達の住む辺りも昔からずっと地震ついては言われ続けた地域。気をつけなければ。中国四国地方の皆様、一刻も早い復興を願っています。

 さて、そんな我が故郷たる地域の生んだ画家「芥川紗織」さんのことについて知ることができて興味深かった(詳細は「トリニタ」のぺーじにて)。
 ネット上でも調べたら、かなり激動の人生を歩んだ方のようだ。またいろいろ調べたいテーマではある。

 遅ればせながらダスビ体験記もやっと、ステンカ書き上げて、1917年を残すのみ。頑張りまっす。
 ムソルグスキーは私の今後の課題。3/28の120年目の命日、心にとめておこう。彼のロシア史もののオペラへの道、ステンカが開いてくれたし。

(2001.3.25 Ms)


 ダスビの興奮冷めやまぬまま、また、燃え尽きた自分の演奏会の疲れも癒せぬまま、再び上京、明日。
 新日フィルのニールセンの5番が目当て。本当は、来月のN響、ブロムシュテットで是非聴きたいのだが、なにせ、転勤あるいは配置換えするかもしれない4月、危険な賭けをするより、今のうちに聴ける物だけ聴いてしまえ、ということで、キンポウ・イシイ・エトウという未知なる指揮者の演奏がどんなものか不安もあるのだが、ほとんどトンボ帰りで、行くこととした。
 ニールセンの生演奏は、学生オケで、1,2番を聴いたくらい。10年前には5番くらいしか聴けなかったショスタコはもう完全に認知され、そこらでバシバシやられるようになってとても嬉しい。次の期待はニールセンか。まだまだ聴く機会がないね。学生時代、読売響でショスタコの1905年、すんごく期待をふくらませて上京した気持ちを思い出す。これをのがしたら当分聴けないだろう、という鑑賞する側のテンションの高さ。・・・でも、ニールセン難曲だろうなぁ。期待しすぎずに行こうか。

(2001.3.8 Ms)


 燃え尽きた。
 3/4,こんな演奏会をやったわけですが、こんなにも大規模な打楽器群を要し、また、出番だらけな本番は始めてじゃなかろうか?
 だがっきの皆さん、お疲れ様でした。よくここまでまとめあげて頂きました。停滞がちな我がオケを充分ひっぱって、いい形に仕上げていただいて感謝の気持ちで一杯です。
 私も、「木星」や「スターウォーズ」ではティンパニを、「サウンド・オブ・ミュージック」「ウェストサイド」などの映画音楽はドラムスもどきな小太鼓を担当したわけですが、とにかく楽しくやれました。特に、大太鼓の清流氏とのアンサンブルは、我々2人がオケ全体のリズムの要として、オケを支えることができたと自負したいところ。・・・学生時代、「トランペット吹きの休日」で急速なズッチャッズッチャッ・・・てなリズムをしっかり練習した賜物ですかね。アンサンブル軽視がちなオケにあって、久々に、「音楽できた」と思える機会を持ててありがとう。

 それにしても、まだ疲れてる。しかし、来週は、大量に借用した打楽器を返しにいかなきゃ。わたしにとっては、まだコンサートは終了してないわけ。

 おまけ。アンコールには弦楽オケで「タイタニック」をやったのですが、時節柄よかったでしょうか?それとも、沈みゆく森政権の暗示か?地元選出、民主党国会議員もこの土日に里帰り、演奏会に来たとか来なかったとか?それとも、最近マニアで話題の、ニールセンのタイタニック追悼曲にかこつけて、次回定演にニールセンを取り上げるという伏線か?・・・事実、第2番「四つの気質」が大穴として候補に上がってたりして。
 それはともかく、本番前日になって、アンコールにピアノがないから、ヴァイブで代用、Ms君お願い、と指揮者に依頼されて、思わずラッキー。弦楽オケとヴァイブ、個人的には、ショスタコの14番「死者の歌」みたいなサウンドだ、と大喜び。タイタニック聞いて、ニールセンやショスタコを思い出してワクワクしている自分はかなり普通では無さそうだ。いまさら言うことでもないけど。

(2001.3.6 Ms)


  それにしても、ショスタコ生誕95年の今年、一月から、例年にないほどにショスタコが充実している。テレビでコンサートで。ショスタコも今や、旧世紀の作曲家として、古典となり、歴史のふるいにかけられつつも、しっかりと定着してきた、ということか。21世紀最初の年、ダスビの処刑は、処刑の再評価を決定付け、そんなショスタコ受容の歴史の新たな1ページを開く有意義なものであったと言えよう。

 また、最近のニュースから。ソ連時代の宇宙開発のシンボルでもあった宇宙ステーション「ミール」、役割を追えて地球に落下の時も近い。ソ連時代の遺物も、新世紀、次々消滅してゆくという事か。そんな時代の、12番で描かれた「人類の夜明け」・・・ショスタコの音楽が、今は亡きソ連の栄光(見せかけだけか)を忍ばせているのも複雑な感じ。

(2001.2.21 Ms)


 なんだか、今年、やけにショスタコーヴィチががんばっている。正月そうそうからTVでバシバシ流れていたのはトピックスでの紹介のとおり。
 最近も、2/10、N響定演をBSで。デュトワの指揮で祝典序曲。2/11、N響アワーでも交響曲第5番のフィナーレ。これもデュトワ。後者は、プロレスラーを迎えての番組、プロレス的音楽として紹介されていた・・・まぁ確かに。
 さて、演奏はといえば、祝典序曲は、テンポも緩いし、のほほんとした感じで、趣味ではない。緊張感なし。ダラダラしている。ファンファーレの再現部で、バンダも無くて不満。
 それにひきかえ、5番は凄かった。95年の演奏、だったと記憶しているが、鬼気迫る凄みを感じる。この5年の間に、随分、骨抜きになってしまったのか?演奏姿勢が全く対照的な2つの演奏であった。今思い出せば、スベトラーノフが指揮したロシア小品プログラムも凄かったが、それは2,3年前だったかな?N響らしからぬ、燃える演奏、もっと聴きたいのだが。

(2001.2.15 Ms)


 早いもので、もう新世紀も1ヶ月と1週間経過。もうすでに「新世紀」なる言葉も死語か?色あせた感じもしないではない。時の流れも容赦ないな。

 さて、私のHPも2周年。何とか、へたばらずに、ネタにも困らず書きつないではいる。が、中途半端なものも多くてなんとかしなければ、と思いつつ、時の流れは容赦ない。にもかかわらず、なのだが、昨年思い立ったもののお蔵入りとなった、ショスタコーヴィチの「前奏曲とフーガ」解説も今年トライしてみる。うまくいけばいいのだけれど。息の長い連載になりそうです。

 ショスタコと言えば、2/4のNHK教育TV、芸術劇場。ベルリン・フィル、指揮ヤンソンス。ソロ、ヒラリー・ハーンによるヴァイオリン協奏曲第1番が、なにしろ凄かった。凄いテクニックだ。あの難曲を極めて、冷静にかつ完璧にこなしていたのには参った。特に偶数楽章のスピード感。快感である。生で聴きたかった。いわゆる若さゆえの熱演、という訳ではない。堂々たるもの。作品の素晴らしさを見事、表現しきった感じ。凄い奏者が現れたものだ・・・21歳でしたっけ。今後おおいに期待。

(2001.2.6 Ms)


 すっかり、ショスタコの映画音楽に、はまりまくってしまっている。先日、名古屋への出張のついでに、芸術文化センターに立ち寄り、ソヴィエト時代に出版された、ショスタコーヴィチ全集を探し、映画音楽の巻、第42巻を借りてきた。「ミチューリン」「ベルリン陥落」もあり、やったぁ、と思ったのも束の間、抜粋で、全てが掲載されているわけではない。「ベルリン陥落」にいたっては、組曲に編まれたもの以外しか載っていない・・・。

 その他の映画音楽も抜粋なのでいささか不満ではあるが、それにしても貴重な楽譜の数々、今後の我がページのネタを数多く提供してくれたと思う。下に書いた「ハムレット」のなかの弦楽四重奏曲第9番の引用部分もしっかりありました。これはメッケモン。

 当分ショスタコ・ネタ続きそうな予感・・・。北欧ネタはどんどん後回しに?こちらも書きたいことがたんとあるのに・・・。時間が欲しい!

(2001.1.19 Ms)


 ショスタコが映画音楽をつけた映画「ハムレット」を見ました。昨年BSでやっていたのをビデオで録画、冬休みのうちにようやく見る事が出来ました。ショスタコの音楽も重厚で雰囲気を醸し出していますね。一応、映画音楽のCDも持ってはいますが、そのCDに入っていない音楽で興味深いものが。・・・なんと、弦楽四重奏曲第9番の第3楽章が一部使われていますね。作品目録を見れば、「ハムレット」は作品116、弦楽四重奏曲第9番は作品117。なにか深い関係があるのか、それとも単なる使い回しか?これでひとつ、久しぶりに書いてみますか?

 (2001.1.10 Ms)


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