ESPANSIVA! NIELSEN

ニールセン演奏会 番外編


私が演奏会で聴けなかったニールセン演奏も含め
Msからのお知らせ
の記事を転載します。

ニールセン生演奏情報。

ニールセン コンサート情報 2006 上半期
(主にHPからの情報です。内容の変更の可能性もありますので事前に詳細を調べていただくことをお勧めします。)

5/18(木) 第33回フルートデビューリサイタル(Fl.隈倉麦) ルーテル市ヶ谷 フルート協奏曲
5/16(火) 第33回フルートデビューリサイタル(Fl.吉成律子) ルーテル市ヶ谷 フルート協奏曲
5/15(月),16(火) 東京都交響楽団定期演奏会 (Cond.ヨゼフ・スウェンセン) 交響曲第4番「不滅」、歌劇「仮面舞踏会」序曲
4/22(土) 東京音大卒業演奏会(Fl.三浦茜) フルート協奏曲
4/1(土) 第6回ジャパンユース合唱団演奏会 仙台公演 3つのモテット
3/29(木) 第131回日演連推薦新人演奏会・名古屋(Fl.吉岡次郎) フルート協奏曲
3/5(日) 多摩フレッシュ・コンサート2006(Fl.冨田朗子) フルート協奏曲
2/19(日) アンサンブル・フラン ウィンターコンサート (Cond.新田ユリ) ボヘミアとデンマークの民謡によるパラフレーズ
2/18(日) 水越典子CD発売記念コンサート(Fl.)・大阪 霧が晴れてゆく
2/15(水) 第127回日演連推薦新人演奏会・札幌(Fl.岩原敏美) フルート協奏曲
2/6(月) 洗足学園音楽大学 大学院修了演奏会 フルート協奏曲
1/22(日) 河内長野ラブリーホール・ロビーコンサート(Ob.渡辺佳代子) ロマンス
1/22(日) 武蔵野市民管弦楽団第60回室内楽定期演奏会 木管五重奏曲

さて2006年、木管楽器関連、昨年から続いてます。

1/22(日)、関東関西で同時多発ニールセンか。

東京は、武蔵野市民管弦楽団 第60回室内楽定期演奏会にて
木管五重奏曲。

大阪は、河内長野ラブリーホール・ロビーコンサートにて
渡辺佳代子氏のオーボエで「ロマンス」・・・これは、作品2の「幻想的小品」の1曲目と思われますが・・・。

 

ありそうで、なかなかないのが、フルートの名作、
「霧が晴れてゆく」
見つけました。
2/18(土)、新大阪のムラマツリサイタルホールにて、
水越典子氏、CD発売記念コンサート。
さて、そのCDにはもちろんニールセン、入ってるんですよね?

続いて、珍しい晩年の秀作、
ボヘミアとデンマークの民謡によるパラフレーズ

アンサンブル・フラン 2006ウィンターコンサート。2006年の2/19(日)
北欧ものに積極的な新田ユリ氏の指揮で。
他の作品も北欧ものばかり。
グリーグの「ホルベルク組曲」
ノルドグレンの「弦楽のための交響曲」
あとは、シベリウスで、「プレスト」「かわいらしい組曲」「田園組曲」
なんとも魅力的なプログラムでしょう。

ニールセンの弦楽ワールド、「小組曲」のみならず徐々に浸透の感、じわじわ感じられて嬉しい限りです。

 

フルート協奏曲、久々です。
日演連推薦新人演奏会にて、札幌と名古屋にて偶然、違う奏者で取りあげられます。
まず、2/15(木)、札幌コンサートホールにて、岩原敏美氏のソロ。
高関健氏指揮、札響。
そして、我が地元でも、3/29(水)、愛知県勤労会館にて、吉岡次郎氏のソロ。
竹本泰蔵氏指揮、名古屋フィル。
若手もどしどし挑戦しています。頼もしい限り。

さらに、フルート協奏曲は続いて、
3/5(日)、アミューたちかわにて。多摩フレッシュ・コンサート2006。
若手演奏家たちの饗宴にて、管楽器部門で取りあげていただきます。冨田朗子氏のソロ。

さらにさらに続いて、
4/22(土)、東京音大卒業演奏会にて、三浦茜氏のソロ。

またまた、フルート協奏曲づくし。ホントに演奏機会、増えましたねえ。
ヴァイオリン協奏曲におけるショスタコーヴィチの1番の存在感が、この数年で一気に重くなったのと同様、
フルート協奏曲におけるニールセンの存在感、グングン増してきています。

第33回フルートデビューリサイタル、ルーテル市ヶ谷にて。
5/16(火)は、
吉成律子氏、5/18(木)は、隈倉麦氏の独奏で。

珍しいところで、合唱曲も。
「3つのモテット」
第6回ジャパンユース合唱団演奏会、仙台公演。4/1(土)です。

交響曲も着実にレパートリーに。昨年の読響に続き、今年は都響。
おなじみ第4番「不滅」。そして「仮面舞踏会」序曲も。
5/15(月)、16(火)。指揮はヨゼフ・スウェンセン。

 

ニールセン コンサート情報 2006 下半期
(主にHPからの情報です。内容の変更の可能性もありますので事前に詳細を調べていただくことをお勧めします。)

12/16(土) 兵庫県芸術文化センター管弦楽団 PACクリスマスコンサート 歌劇「仮面舞踏会」より   .
12/3(日) 葛飾フィルハーモニー管弦楽団 第32回定期演奏会 (Cond.山田和樹) 交響曲第1番
11/11(日) 諏訪交響楽団 第141回定期演奏会 (Cond.濱 一) 岡谷市 カノラホール 交響曲第3番「ひろがり」
10/22(日) アンサンブル・ドゥムカ 第22回定期演奏会  静岡音楽館AOI 小組曲
10/9(月) ベルリンフィル木管五重奏団  めぐろパーシモンホール 木管五重奏曲
10/8(日) トーマス・ローデ & 真坂亮一 (Ob.) さいたま芸術劇場 2つの幻想的小品
9/18(月) オーケストラ・エレティール 第34回定期演奏会 (Cond.新田ユリ) 交響曲第4番「不滅」
8/27(日) オーケストラ・ディマンシュ 第24回演奏会 (Cond.金山隆夫) 交響曲第1番

 

アマチュア・オーケストラによる、交響曲の演奏会。

なかなか珍しい、交響曲第1番、8/27(日)です。
我がHPでもたびたび話題となります、オーケストラ・ディマンシュ第24回演奏会。指揮は金山隆夫氏。
団のHPでは、アマチュア初演?とのコメントもありますが、
東海地区において前世紀に数度、大学オケでの演奏もありますので、お間違いのないよう。

続いて、交響曲第4番「不滅」、9/17(月)です。
北欧モノに造詣も深い、新田ユリ氏の指揮で、オーケストラ・エレティール第34回定期演奏会。
「不滅」は、もう、アマチュアにとっても、さして珍しい選曲とは言えなくなってまいりましたか・・・。感慨深いものです。

続いては、根強い人気、木管楽器作品、

2つの幻想的小品 作品2 オーボエとピアノによる名曲です。
10/8(日)、彩の国 さいたま芸術劇場にて、
トーマス・ロ―デ&真坂亮一 「響け、さいたま 〜 ドイツ・オーボエのこだま 〜」

木管五重奏曲
それも、ベルリン・フィルハーモニー木管五重奏団。
10/9(月)めぐろパーシモンホールにて。

今年後半、ちょっと今までに比較し、情報が少なくなっておりますが、
思わぬところで見つけました。

静岡にて、弦楽合奏団の演奏会にて、バッハの管弦楽組曲第2番、マーラー編によるシューベルトの「死と乙女」に並んでの
ラインナップ。小組曲もっとやられて良い佳作です。アンサンブル・ドゥムカ。10月22日(日)、静岡音楽館AOIにて。

 

続いて、当HPあて情報をいただきましたので、紹介させていただきます・・・

 長野県の諏訪交響楽団さんが、交響曲第3番を演奏されるとのこと、大変心強い限りです。
 団員の方から貴重な情報をいただいたところです。


 諏訪市における、北欧音楽祭の存在もあり、このような関東関西のアマチュアでもなかなか取りあげない選曲になったかどうかは不明ですが、地方の歴史ある楽団の積極的な姿勢におおいに感銘を受けています。
(ただ、私も不定期にネット検索で情報収集などしていますが、今まで気がつかず失礼しました。)

 チラシを拝見すると、「Espansiva」の文字が・・・
 通常「ひろがり」という通称が付記されることが今は多いと思いますが、第4番「不滅」同様、その単語一言では言い表わせない微妙なニュアンスをもった副題をもつニールセン作品、あえて原語での表記がなされているあたりに深い含蓄を感じてしまう私です。

 我がニールセンHP、ESPANSIVA! NIELSENでも、「エスパンシーヴァ」の語感が気に入りタイトルとして採用しているところですが、この、人間性の朗らかな肯定を感じずにいられない、「ひろがりの交響曲」、秋の信州に響き渡るのを楽しみにしております。

 私個人としては、かつての京都フィロムジカ管弦楽団さんの生演奏(2003年6月)で初めて実演に触れた時の感想として、アマチュア団体さんにも是非是非取りあげていただきたい作品、なのです。
 演奏に困難の伴う4,5,6番こそニールセンの真骨頂なれどアマチュアで納得ゆく演奏をするのは至難の技、逆に初期の1,2番はやっぱり曲の弱点、特にフィナーレの弱さが気になってしまう・・・
 そんな中、第3番は、まるで、100年前の「英雄」と「田園」が新たな装いで共存するうちに、ブラームスの1番を彷彿とさせる主題がフィナーレを屈託のない人間賛歌へと導くドラマ性に魅力を感じ、さらにはラストの包容力ある響き・・・まだまだ一般的には未知なる作品ですが、充分にこのフィナーレには充実の聴後感を与えてくれるものと信じているものです。

 今後とも、この「ひろがり」の交響曲の、まさに「ひろがり」を願ってやみません。是非とも、お近くの皆様はもとより、東海、関東地区の方々も、ニールセンの描く音世界、実演での体感をオススメするものです。

ここで、曲の紹介も兼ねて、作品に対する作曲家のコメントも触れておきましょう。

 「この交響曲では次のことを表現している―第1楽章では強い緊張(エスパンシーヴァ)を表現している。それはしかしながら第2楽章で牧歌的なおだやかさへと変容する。」(1927年1月14日、デンマーク放送での演奏時プログラム)
 第3楽章は善と悪の双方が真の解決をもたらさずに現われてくるという点で正確に特徴付づけられないものだ。他方フィナーレは率直明快である。労働と日常生活の健康な楽しみへの賛歌である。感傷的な生命の祝いではなくて、日々の生活の仕事に参加し、われわれの回りに繰り広げられる生活と力を見ることができる、一般的な喜びである。」(1931年3月31日、ストックホルム・フィルでの演奏時のノート)
・・・以上、BISレーベル、チョン・ミュンフン指揮、イェーテボリ響のCDライナーノーツ(大束省三氏による)からの抜粋。

 また、「Espansiva」の意味するところは、「緊張」つまり「張った状態」を言い、かつ、英語でいう所の「expansive」には「膨張」という意味もあるところから、上記、大束氏の解説によれば、「宇宙の爆発と膨張のような強烈なエネルギーを思わせる」・・・とのことで、これらの、「緊張」「膨張」をただ一言「ひろがり」と訳すのも、誤訳でなはいものの、完全に作曲家の意図を伝えていないのかもしれません(ただ、偶数楽章の楽想は、日本語の「ひろがり」に相応しい感じもしますが)。それゆえにチラシでの「Espansiva」なる表記に含蓄を感じたわけです。まあ、「緊張交響曲」やら「膨張交響曲」じゃ、さまにならないわけで、やはり外国語からの訳というのは難しいものですね。

 それはともかく、最後のフィナーレにおけるコメントが、いかにも農民出身の彼を彷彿とさせるもので、確かにインテリ風ではない庶民の素直な喜び、を私自身、音楽から聴き取るものです。例えばベートーヴェンやブラームスのように後世の人々に神格化されたかのような、ありがたい(!)芸術とは違った歓喜が沸き起こるのを、いつもいつも微笑ましく好感をもって感じるのです。我々、庶民、凡人のささやかな生活の中の喜びの代弁を感じるのは私だけでしょうか・・・。

 最後に、当HPから、交響曲第3番関連記事をリンクしておきますのでご参考までに。
 簡単な曲紹介はこちらから。ディスク情報はこちらから。過去の演奏体験(京都フィロムジカ管弦楽団さん鑑賞記)はこちらから。

(2006.10.24 Ms)

 


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