「ねえ、ガウリイ、ふと思ったんだけど」
「………またかよ」
「光の剣って、いつも使うときに「光よ」ってかけ声かけてるよね?」
「………うん………」
「………じゃあさ、他の言葉を言ったらどうなるの?」
「………やっぱ、試してみる気か………?」
「うん」
ガウリイが、しぶしぶ光の剣を構える。
「で、何ていうつもりだ?」
「………そうね、じゃ、例えば「くらげ」」
「くらげ?」
ガウリイが複雑な顔をする。
が、にらみつけるリナの視線に、渋々と剣の方に向きなおった。
「………くらげ………」
『げいじゅつか』
「………………………………………」
「………………………………………」
ガウリイとリナが顔を見合わせる。
「あんた、何か言った? ガウリイ」
「いいや?」
『やぐるまそう』
今度の声は、先ほどよりはっきりとしていた。
声の出た方向を確認したガウリイが、恐る恐る、手にした光の剣をのぞき込む。
リナが、何とも言えない引きつった表情で、ガウリイを見た。
小さな声で、そっと剣に向かってささやきかける。
「………ラッコ………」
『コアラ』
ガウリイも口を挟む。
「らっきょう」
『うちわ』
「………………………………………………………………」
「………………………………………………………………」
二人は再び、顔を見合わせた。
「聞かなかったことにしようか………」
「………そうね」
それ以降、リナがガウリイのかけ声について話をすることは無かった。
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