〜疑問〜
 

『赤』

kyo


 

「ねえ、ガウリイ、ふと思ったんだけど」
「何だ?」
「光の剣って、いつも使うときに「光よ」ってかけ声かけてるよね?」
「うん」
「でもさ、普通あーゆー時のかけ声って、もっと別なんじゃないの?」
「………さあ………?」
ガウリイが首を傾げた。
「よくあるじゃないの。「○○にかけて」とか、「○○のために」とか………」
「そりゃ、ヒロイックサーガの読み過ぎだって………」
「ま、そりゃね。でも、ほら、「光の」剣だしさ。その辺の神様にお祈りでもしてみれば、ちょっとは効果、あるかもよ?」
「その辺の神様って、どんなんだよ」
「そうね、例えば「赤の竜神」とか」
ふとガウリイが足を止めた。
「………試してみるか………?」
「………うん………」
ガウリイが、光の剣を構える。
「光を司るもの、赤の竜神よっっ!!」
二人がじっと剣をのぞき込む。
待つことしばし。
「………………………………………」
「………………………………………」
「………何にも、起きないわね」
「うん」
「なーんだ」
リナは興味を失って、くるりと後ろを振り返った。
と、そこに先ほどまではいなかったはずの、女性が立っている。
肩のあたりで切りそろえられた髪が、さらさらと風になびいていた。
その顔立ちは、どことなく誰かを彷彿とさせる。
ガウリイがリナとその女性を見比べる。
「まっっ、まさか………」
リナの顔をひとすじふたすじ、汗が伝う。
「覚悟はいいでしょうね? リナ。 あたしをこんな所まで呼びつけたんだから」
「あっっ、あたし、「赤の竜神の騎士」なんてよんでないぃぃぃっっ!!」
リナの絶叫が森の中にこだました。
 
 

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