監視委員会・川村委員へ16団体が公開質問状を提出

(2000年5月16日掲載)


 辰巳の会を含む16の市民団体は、5月15日、県土木部監理課(監視委員会事務局)を通じ、石川県公共事業評価監視委員会・川村国夫委員に対して、「『所見』の準備過程への関与に関する公開質問状」を提出しました。

 16団体を代表して、ナギの会・渡辺寛さんと辰巳の会・碇山洋が質問状を提出し、記者会見に臨みました。監理課からは、式部課長と竹腰氏が応対しました。

 (ソフトの制約のため、オリジナルの傍点は、傍線として表示されます。)


『所見』の準備過程への関与に関する公開質問状

2000年5月15日

石川県公共事業評価監視委員会
委員 川村国夫殿

石川県自然保護協会
会長 金津五雄

市民オンブズマン石川
代表 塩梅 修

地球温暖化防止石川連絡会
代表 鶫 謙一

金沢自然観察会
代表 吉岡 勇

金沢の水と緑を守る会
代表 川上通子

地球の友・金沢
代表 三国千秋

アースデーこまつ
代表 中山美智子

星空を守る会・北陸ネットワーク
代表 上村 彰

ガイアクラブ
代表 高桑ひとみ

兼六園と辰巳用水を守り、ダム建設を阻止する会
会長 中井安治

紅茶の時間
主宰 水野スウ

辰巳の文化遺産と自然を守る会
代表 宮江伸一

ナギの会
代表 渡辺 寛

白山の自然を考える会
事務局長 高橋外男

森の都愛鳥会
会長 本間勝美

豊かな自然と健康を考える会
代表 佐藤禮子

 1999年度(平成11年度)第1回石川県公共事業評価監視委員会(1999年8月17日)には、資料として『犀川水系辰巳ダム治水計画に関する所見』が提出されました。石川県は、1998年度第2回監視委員会までに出したもの以外に資料を提出する場合は市民グループにも事前に同じものを提供すると約束することによって、市民グループが当初反対していた監視委員会の8月17日開催への協力をとりつけながら、『所見』を秘密裡に準備・提出したのでした。

 兼六園と辰巳用水を守り、ダム建設を阻止する会(辰巳の会)の独自の情報収集によって『所見』提出が明るみに出ましたが、県は、辰巳の会から指摘されるまで、『所見』の存在を県民にも報道関係者にも隠していました。

 辰巳ダム再評価の結論に少なからぬ影響を与えた『所見』を県が秘密裡に準備・提出し、市民グループを騙し討ちにしたことは、「公共事業の透明性の確保」を掲げた公共事業再評価のあり方に関わっていささかも曖昧にすることのできない重大問題です。『所見』の準備・提出に関連するすべての情報が、県民の前に明らかにされる必要があります。

 辰巳の会が情報公開制度を利用して入手した県の公文書(1999年6月15日付「復命書」)には、県河川開発課職員が『所見』執筆者・藤田裕一郎氏(岐阜大学工学部教授)を訪ね協力を依頼した際、川村委員も同行し、監視委員会としての意見を説明されたという記述があります。

 以下、この重大問題に関わられた川村委員にたいして最小限の質問をさせていただきますので、文書にて御回答いただけるようお願いいたします。回答期限は6月5日午後5時(必着)とさせていただきます。なお、「公共事業の透明性の確保」を目的とする公共事業再評価に関わる問題であるので、この質問状は公開質問状とさせていただき、質問状と川村委員の御回答は、記者会見やホームページ、各種メーリングリストなどを通じて公表させていただく予定であることを申し添えます。

(1)県の公文書(1999年6月15日付「復命書」、提出者=米田昭夫河川開発課長〔当時〕はじめ3名)には、「川村先生には石川県公共事業評価監視委員会の委員として監視委員会の意見を説明していただいた」と記述されています(傍点は引用者。以下、同様)。

 @川村委員が説明された「監視委員会の意見」とはどのようなものであったのでしょうか? その内容を御説明ください。

 A川村委員が監視委員会を代表して藤田教授に「監視委員会の意見」を説明するということを、監視委員会はいつ、どのような形で決めたのでしょうか?

 B「復命書」では、川村委員が説明されたのは、川村委員おひとりの意見ではなく、「監視委員会の意見」とされています。したがって、当然、藤田教授訪問に先立って、10名の委員からなる監視委員会の意見を集約されているはずです。川村委員が説明された「監視委員会の意見」は、いつ、どのような形で集約されたのでしょうか?

(2)石川県内で活動する15の市民団体が監視委員会・川島良治委員長に提出した『県公共事業評価監視委員会の運営等に関する申し入れ』(1998年11月26日付)で「監視委員会が委員以外の専門家、学識経験者の意見を聞く場を、十分な回数、時間をかけて公開で開催してください」と申し入れたのに対して、川島委員長の回答(同12月16日付)は「事業主体が検討すべきものと考えており、その方向で事業主体から依頼があれば聞く場は設けたい」としていました。

 @監視委員会が藤田教授の意見を聞く(=『所見』の提出を受ける)ことについて、事業主体(県)から監視委員会に対していつ、どのような形で依頼があったのでしょうか?

 A「公開で開催してください」との申し入れに対して「その方向で事業主体から依頼があれば聞く場は設けたい」と回答されたにも関わらず、『所見』(未定稿)がはじめて監視委員会にしめされた「事業説明会」(1999年8月3日)は非公開で開催され、1999年度第1回監視委員会に『所見』(完成稿)が提出されたことも県民・報道関係者には隠されていました。委員長回答に反する一連のプロセスに『所見』準備の段階から御自身が関わられたことについて、どのような見解をおもちでしょうか?

(3)辰巳の会など6つの市民団体が連名で谷本正憲知事あてに提出した『市民運動にたいする石川県の背信行為に関する抗議文』(1999年10月13日付)が指摘しているように、「『追加資料はない』『追加資料があるときは市民側にも事前に提供する』と言明して8月17日の監視委開催にあわせた報告文書作成に協力させておきながら、『事業説明会』に『所見』の未定稿を提出し、監視委員会に『所見』(完成稿)を提出したうえ、『所見』提出を市民グループ代表、傍聴者、報道関係者に隠していたことは、言い逃れのしようのない背信行為、騙し討ち≠ナす」。

 @川村委員は、県が市民グループに対して「追加資料があるときは市民側にも事前に提供する」と約束していたことをご存じだったでしょうか? ご存じだったとすれば、いつ、どのような形で知られたのでしょうか?

 A川村委員は、『抗議文』が明らかにしているような『所見』提出に関わる一連の経過をご存じだったでしょうか? ご存じだったとすれば、いつ、どのような形で知られたのでしょうか?

 B事情を知っていたかどうかに関わりなく、川村委員が『所見』の準備、県の市民グループに対する“騙し討ち”に(結果として)関与されたことはまちがいのない事実です。「公共事業の透明性の確保」を建前とする「第三者機関」の委員として、御自身がこのような不透明かつ背信的な行為に関与されたことについて、現時点における見解をお示しください。
以上


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