No1
板門店 ■初めに…
 2001年9月11日に私は友人と共に板門店ツアーに参加し、南北朝鮮の最前線・板門店に行っていきました。南北融和という言葉が頻繁に使われる昨今ですが、現実はさほど甘くはない。と言うのが正直な感想で、日本からわずか1時間あまりで着く隣国が今を持って緊張状態にあることが非常にショックでした。現場では護衛と監視を兼ねた米兵がつき、非常に厳しい条件にサインしての見学でした。少なくとも物見遊山で行くような所ではありませんし危険が伴う場所です。しかし、それでも行く価値のある所です。ここでは私が板門店で感じたことを書くと共に、これから板門店に行きたいという方への注意を書いていかに厳しい場所であるのか感じて頂ければと思います。
2001.9.11の板門店。アメリカテロ事件の起きる数時間前

■板門店ツアーに参加するには…
 韓国で現地ツアーに参加する他方法はありません。ツアー旅行で行ったのならば、ガイドさんが手配してくれるはずです。ただし、参加人数に限りがあるので早めに申し込んだほうが良いです。私が参加したときは夕食のプルコギ付きで1万3千円程度。午後発と午後発がありました。また、ツアーは毎日催行されている訳ではないし、現地の北朝鮮側の動静によってはツアーが中止になることもあります。パスポートは必携帯。服装は肌の露出の多い服装やジーンズ、運動靴などは禁止。着替えさせられる可能性があります。いずれにせよ物見遊山にいくような気楽な所ではありません。韓国と北朝鮮の緊張している最前線にいくのです。事前の情報収集は怠らないようにしたほうがいいです。

■一般的な注意
前項でも書きましたが決して物見遊山にいくような所ではないということです。南北の融和が言われているとはいえ、南北対立の最前線です。一人の不適切な行為が思わぬ事件につながる可能性があることをまず認識して下さい。実際に何度も銃撃戦が行われた場所でもあり、南北両陣営とも臨戦体制をとっており、いざ紛争が起きれば数十秒以内に部隊が到着する体制でもあります。最前線であり、危険な場所であるという事を忘れずに行動をして下さい。
 カメラの撮影は許可のでるところのみ可能です。違反すれば、カメラを没収されますので注意して下さい。ガイドが指示してくれます。
 現地ではまず注意のスライドをみて、誓約書にサインさせられます。そののち国連のゲストであることを示す札を渡されます。これは唯一ツアーの参加者の身の安全を保障するもので、紛失すると非常にやっかいな手続きが必要なので注意して下さい。
 現地では国連のバスに乗り換えて行動します。国連バスから降りるときはカメラ以外の荷物を持って降りることは許されません。貴重品はポケットに入れる他はないので、なるべく貴重品は置いていった方が良いでしょう。

■出発
 2001年9月11日、新羅免税店前よりバス二台のツアーで出発。韓国では一般の方は板門店には行けないらしい。申請するだけでも一年単位で時間が必要で、なおかつ却下されることも多いという。北朝鮮に縁故者がいないか、などを調べるかららしい。故に韓国四日間のツアーガイドは参加出来ず、お見送りで、その間板門店専門のガイドがついてくれました。
 ソウルから板門店まで1時間と余り。首都から板門店の最前線まで100キロないという所にこの国の抱えている危機を感じました。バスの中で相当厳しいツアーの注意があった後、服装のチェックを行います。(詳しいことは前述)。その後、ガイドが延々と板門店の成立から現代まで歴史講座をしてくれました。とはいえマイクの音が大きく、上手くない日本語で同じくだりを何度も繰り返す話し方で、途中で頭がガンガンして疲れてしまいました。

■道中、見かけた風景
ソウルを出ると統一路(という名前だったと記憶している)という高速道路にのって一路板門店を目指します。この道は南北統一後の大動脈に…という願いを込めて作られたとか。しかし、川沿いには鉄条網が張られ、所々に監視小屋が設置されていました。また、写真では取れなかったのですが、多くの韓国兵がいました。写真は統一路からバスの車窓より見える漢江(川の名前)。フェンス・鉄条網・監視小屋などが見えます。川向こうは北朝鮮側です。
車窓から鉄条網

旧自由の橋現自由の橋 ■自由の橋を渡ると…
統一路から漢江にかかる自由の橋からは許可がある場所以外は一切撮影禁止。橋の入り口ゲートでバスを止められて、バスに乗り込んできた韓国兵にパスポートの提示が求められます。ゲートには銃を携帯した兵士が多数いました。緊張感が高まります。

写真上:旧自由の橋 写真:最近掛け替えられた自由の橋。勿論私たちは右の橋を渡った。

| |
1
|
2
|
3
|