北京郊外・八達嶺の長城に訪問。行ったのは2月で、本来ならば非常に寒いシーズン。長城の上も凍って危険なときもある、という話も聞いていたが、幸いこの時期にしてはとても暖かい日に恵まれた。
写真で見るのと実際に見るのはまったくスケールが違う。城壁はレンガ作りで高く、頑丈で、山の稜線に沿って非常な勾配。登るだけでもかなりの労力。望楼に登ってあたりを見回すと、延々と長城が連なる様子が見えて非常な絶景であった。考えてみると今から2000年以上前の戦国時代から営々と造り続けられている長城。土木機械がなかった時代からこれだけのものを作ってきた人の営みにただ感動。この時は八達嶺だけだったけど山海関や嘉谷関にもいってみたいなぁ。
この長城を無用の長物のようにいう説もあるが、決して無用なものではなく、北方遊牧民族の騎馬軍団の侵入を防ぎ、首都:北京を守るのには実に有効な手段であった。明の末期、強力な軍事力を持った清も、長城をなかなか越えることが出来ず、時折小規模に侵入するのみであった。結局清が長城を越えるのは、物理的に越えたのではなく、明が李自成によって滅ぼされた時、長城の山海関を守備していた呉三桂が清を引き入れたためであり、長城を越えた清によって中国は統一される。長城のもつ防御力がいかに有効であったか推察される。 |