■万里の長城
北京郊外・八達嶺の長城に訪問。行ったのは2月で、本来ならば非常に寒いシーズン。長城の上も凍って危険なときもある、という話も聞いていたが、幸いこの時期にしてはとても暖かい日に恵まれた。
写真で見るのと実際に見るのはまったくスケールが違う。城壁はレンガ作りで高く、頑丈で、山の稜線に沿って非常な勾配。登るだけでもかなりの労力。望楼に登ってあたりを見回すと、延々と長城が連なる様子が見えて非常な絶景であった。考えてみると今から2000年以上前の戦国時代から営々と造り続けられている長城。土木機械がなかった時代からこれだけのものを作ってきた人の営みにただ感動。この時は八達嶺だけだったけど山海関や嘉谷関にもいってみたいなぁ。

この長城を無用の長物のようにいう説もあるが、決して無用なものではなく、北方遊牧民族の騎馬軍団の侵入を防ぎ、首都:北京を守るのには実に有効な手段であった。明の末期、強力な軍事力を持った清も、長城をなかなか越えることが出来ず、時折小規模に侵入するのみであった。結局清が長城を越えるのは、物理的に越えたのではなく、明が李自成によって滅ぼされた時、長城の山海関を守備していた呉三桂が清を引き入れたためであり、長城を越えた清によって中国は統一される。長城のもつ防御力がいかに有効であったか推察される。






万里の長城 
長城は中国の古代文明のシンボルであり、名が世界に知れ渡った古代中国の防御工事である。延々と1万2700里に及んでいることから「万里の長城」と呼ばれている。世界文化遺産名録にも登録されている。北京市街から北に約80km行ったところにある八達嶺長城は保存状態が最もよく、長城の中でも代表的な区間である。北京境内にはまた金山嶺。慕田峪、司馬台などの長城がある。

八達嶺長城
居庸関の北、北京から60余キロ離れたところに位置している。関所の城楼は明の弘治十八年(1505年)に建造され、城楼の東西両側に門が一つずつあり、額として東の門の上に「居庸外鎮」の四字が彫ってあり西の門の上に「北門鎖鑰」の四字が彫ってある。
八達嶺長城はとても壮観で城壁の高さが平均7.8メートル、その土台が重さ500余キロの大きな花崗岩で築かれている。城壁の上では馬なら5頭、人なら十人が並んで進むことができる。 城壁の外側に●口があり、パトロールする時、そこから遠見する。射撃孔から矢を射ることができる。ほぼ800メートルおきに宿泊、兵器保存、見張りに使う敵楼、墻台が設けてある。
(中国観光局より抜粋)