なんしぃ仕様


 年式
  MC18型 1988年式

 ボディカラー
  ファイティングレッド×ロスホワイト

 タイヤ
  ダンロップ SPORTSMAX 200 
  
 主な後付けパーツ
  メッシュホース
  タンクパッド
  シングルシートカバー
  イエローヘッドライトバルブ
             …くらい!(驚)

基本スペック
(1988年式・STD)

全長×全幅×全高
シート高
軸間距離
乾燥重量
原動機種類
気筒数配列
総排気量
内径×行程
圧縮比
最高出力
最大トルク
始動方式
燃料タンク容量
燃料供給方式
タイヤサイズ(前/後)
1,985mm×640mm×1,105mm
770mm
1,355mm
127kg
水冷・2サイクル・ケースリードバルブ
V型2気筒
249cm3
54.0×54.5mm
7.3:1
45.0PS /9,500rpm
3.8kgf・m/8,000rpm
キック式
16L
PGMキャブレター
110/70R-17/140/60R-18


販売から10年…「レーサーレプリカ」というカテゴリの頂点に君臨したNSR250R。
その中でも異質の存在だった「ハチハチ」は、「最強のNSR」と言われています。
そんな「ハチハチ」の伝説を紐解きます。


   NSRの詳しい説明は以前乗っていたMC28のほうを参照していただくとして、ここではなぜ88年式が「最強」
  と呼ばれていたのか?また本当に「最強」なのかを語りたいと思います。
   88年式が登場した頃は、今では考えられないほどのバイクブーム。そして、NSRをはじめTZRやVFRなどの
  レーサー風マシン=レーサーレプリカが台頭してました。中でもこの中型クラス(現在で言う「普通自動二輪」)の
  カテゴリが一番熱く、2スト250ccおよび4スト400ccがメイン市場となっていました。バブル絶頂期に向かって
  突き進んでいた日本。その日本の産業を支える自動車企業の「性能至上」体制は、四輪においても「GT−R」や
  「スープラ」などのハイパフォーマンスカーが登場していた、という時代背景を見れば、当時のご時世を垣間見る
  ことができます。今日の「燃費合戦」と比べると、想像もできない…そんな時代でした。
   そんな中、「打倒TZR」をモットーに世に送り出されたホンダ・NSRは、初代モデルのMC16が大ヒットとなり、
  「性能が良ければ売れる!」とメーカーが意気込んで登場したのが、MC18・通称「ハチハチ」NSRです。
  1988年は、年々過激になるパワーウォーズ競争に歯止めをかけるべく、「メーカー自主馬力規制」が具現化
  されて、250ccは45psが上限とされます。しかし、あくまでも「自主規制」…法的な強制力がない(一説では裏で
  お上=国土交通省の圧力がかかっていた、との噂ですが)馬力上限は「そんなにきっちり守る必要はねぇべ」と
  朝霞の研究者は思ったのかどうかは定かではありません。しかし「ハチハチ」は、ピーク10,000rpm辺りで
  45ps以上出ている!というほどのパワフルさを備え、市場で人気を得たのが「伝説」の始まりです。
   そんなNSRは、峠からサーキットまで大暴れ。特にリミッターカットを施すだけで60ps近くを簡単に発生させた
  とされたNSRは、ライバルメーカーからパッシングの嵐。そんな中、わずか一年でマイナーチェンジ版の89年式
  を登場させます。形式こそMC18と変わりませんが、エンジン出力特性は大幅に軟化され、上限45psでバッサリ
  切られたようなパワーカーブ(台形パワーカーブ:「トラビジウム・パワー」とカッコ良く言われてましたが…)となり、
  全体的な性能は向上しつつも実質的なパワーダウンが施された→「直前の88年式が最強だっ!」という概念が
  生まれたというワケです。
   では、89年式は遅かったのか!?と言われれば「No!」です。確かに出力特性は変更されましたが、前述の
  台形パワーカーブによって幅広いパワーバンドを実現。またトルク特性もマイルドになり、88年式ほど緊張せずに
  その性能を発揮できるようになっています。また車体周りも改修を受け、さらなる高剛性化で総合的なパフォー
  マンスは向上。特にサーキットでは、SPレース仕様のNSR同士では共に89年式が88年式を凌駕しているので、
  「エンジンパワー=速さ」ではない、つまり88年式は単純には「最強」と言えないのです。そもそも、何をもって
  「最強」なのかは、このジャンルの世界では定義が難しいと思いますし…。一般的にはノーマル状態でパワーと 
  シャシーバランスが優れたMC21(ガルアームNSR)が「最良」と言われていますが、 コーナリング重視であれば
  セルフステアが弱くプロアームの恩恵が強いMC28も捨てがたい存在です。
  個人的に言えば、「コーナリングが楽しい」と感じたのはMC28。今まで乗った2ストで言えばV型TZR(3XV)が
  一番楽しかったです。YZF-R1にも通じる「ヤマハハンドリング」…最高ッス(^o^)/
   (あぁ、石投げないで〜)

  【88NSRの特長】
   MC18・88年式「NSR250R」の主な特長は以下のとおりです。

  ・PGMキャブレターによる電子制御
   NSRの特徴とも言える「PGMイグニッション&キャブレター」を初搭載したのが、88年式モデルです。
   このときはまだ機能としては不十分で、アクセル開度とエンジン回転数のみの制御に留まっていますが、
   当時としてはそんな制御を行う2ストはなく、まさに画期的なアイテムでした。

  ・五角断面フレーム

   目の字断面で高剛性を謳っていたMC16から更に進化させ、レーサーRS250にも通じる高剛性な「五角
   断面フレーム」を採用。車両もコンパクトになり、軽量化にも寄与しました。
   因みに、89年式はスイングアームも同構造となりましたが、剛性の上げすぎによりコーナリングの自由度が
   やや減少…名車「MC21」の剛性バランス構想が生まれることとなります。

  ・市販車初「マグネシウムホイール」

   SP仕様に限られますが、軽くて高剛性な金属「マグネシウム」を使用したホイールを、量販車で初採用。
   マグネシウムは大気中で燃えやすく、不安定な金属ですが、バネ下重量軽減のためにはタイヤ周りの軽量化
   はとても重要。レーサーでは当時でも当たり前でしたが、市販車では前述の問題から採用は困難とされて
   いました。しかし「レーサーについているものはすべてつける!」というエンジニアのこだわりにより、合成金属
   を使用することで量産化を実現します。「生粋のマグネシウムじゃないの!?」と思われる方もいらっしゃると
    思いますが、当時はアフターマーケットにも存在せず、とても革新的なアイテムだったんですよ。

  【SP仕様との違い】
     

   88年式NSRは、シリーズ初の「SP仕様」がラインナップされたモデルでもあります。
   しかし後年のSP仕様とは若干位置づけが異なり、機能的な違いは前述の「マグネシウムホイール」のみ。
   中古車市場においても価格差はそこまでありませんが、やっぱりロスマンズカラーはかっこいい(爆)。
   欲しい方は見つけたら即決!ですよ!

  【89年式モデルとの違い】
     

   同じ「MC18」というモデルコードから判るとおり、89年式は88年式のマイナーチェンジ版、という位置づけ
   です。しかし外観はもとより、エンジン性能までトータル的な底上げが施されており、まさに「熟成」モデル。
   個人的にはこちらのほうが好きですが…中古車市場では88年式よりタマ数は少なめ。
   これまた欲しい人は、見つけたら即買いっ! (実はワタシも欲しい!)
   SPモデルは通称「銀テラ」と呼ばれる、WGP&日本GPで活躍していた清水雅広レプリカ。

   <外観上の相違点>

    ・カラーリング
     カスタマイズされてしまっては判断不能ですが、「赤/白」・「青/白」のみラインナップしていたハチハチ
     に対し、写真の「黒/赤」が追加されているのが特徴です。

    ・アッパーカウルおよびサイドカウル形状
     レースレギュレーション変更により、アッパーカウルがスラントノーズ化されています。
     スタイリッシュで個人的にはこっちのほうが好み(爆)。
     またサイドカウルは、アンダーとの分割タイプになっており、スリットなども入りレーシーですね。

    ・スイングアーム
     五角断面タイプが採用されており、トラス構造化により見た目にもガッチリした印象を与えます。
     また、リアタイヤが18インチ→17インチに変更されており(すみません、18インチから変更ありません。
     "MC18現役ライダー"さん、ご指摘ありがとうございましたm(_ _)m)
、幅も140→150にアップ。
     更にフロントタイヤがバイアス→ラジアルに変更になっています。
     これは接地性向上のための仕様変更ですね。

    ・フレーム形状
     基本的に違いはないのですが、スイングアームピボット上部にメンテナンス用の穴が追加されています。
     またハンドルのトップブリッジ部が黒塗装されています(88は素地ヘアライン加工)。

    ・チャンバー
     膨張室の先からテールパイプまでがステンレス化され、大きく跳ね上がっています。
     排気抵抗が増えたり、重心が上がったりと機能的なメリットは思いつかないので、おそらくスタイル上の
     改良でしょう…(爆)。因みに、MC21型ではガルアーム採用によりダウンタイプに戻されています。

    ・乾式クラッチ&フルアジャスタブル・サス
     89年式のSP仕様は、後世NSR・SP仕様の基礎となる「乾式クラッチ」と「フルアジャスタブル・サス」が
     奢られています。もちろん、マグホイールも装備!



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最終型MC28からの劇的な乗り換え…その動機とは!?


  「スーパースポーツの性能は、いらない
  そう思って購入した、MC28型…いわゆる最終型NSR250R。最高出力は40psと、現代の水準では非力感は
  否めないが、日本の公道使用においては、ベストと言える選択でした。

   しかし、やはり感じる非力感…。MC28型はノーマル状態ではパフォーマンスは不十分で、特に直線では
  加速性能に不満がありました。これはチャンバー(サイレンサー入口が絞り込まれており、パワーを抑制)とミッ
  ション(ギア比で180km/h以上出ないようになっている)を交換すれば、本来の性能を発揮できるようになって
  いるのですが、パーツ代だけで20万円超え…子持ちライダーにそんな余裕はありません。
  「まぁ、そんな中でもコツコツと自分仕様に仕上げていくのもオツなもんだな」と、自分自身に納得させてました。

   そして、とある日のツーリング…。
  その日も若干の非力感を感じつつ、自分なりの愉しみ方(=コーナリングがオモロイ!)でNSRを満喫したの
  ですが、集合場所であるバイクショップに展示してあったMC18型NSR…そう、「最強」と呼ばれたNSRが、
  そこに鎮座していたのです!
   私の食指はすぐに反応し(悪い癖なんですが…)、「ASK」と書かれているプライスタグを横目に見つつ、
  店長に「交換になりません?」と相談。「えーでぇ。」という心地よい返事を聞いた時には、ほぼ購入を決定。
  しかし、問題が数点。

   ・立派な「旧車」扱い!
    登場から25年…これが一番のネックとなるポイント。今乗っているMC28ですら、15年落ち車両です…。
    また2ストである以上、定期的なオーバーホールを行っていく必要がありますが、MC18型は殆どの部品は
    すでに廃盤(=新品は手に入らない)。つまり、所有することは、イバラの道を進むのと同義なのです。
   ・乗りにくい!
    あくまでもMC28と比べてですが、やはり変幻自在のコーナリングマシンだった最終型と比べると、どう
    しても「直線番長」的なイメージがあるMC18。ホントに乗りこなせるのか!?
   ・潜在能力はMC28が上!
    いくらパワーで劣るMC28でも、いじれば必ずMC18より速くなる!わざわざ「イバラ・マシン」に手を
    出さなくても、速さは手に入れることができるのです。加えてフルアジャスタブルサスや乾式クラッチなど、
    装備面においても明らかに劣るMC18…。

  部品調達もあり、最も売れたMC21型(ガルアーム・モデル)との互換性もあるため、もう10年は維持できる
  MC28。走行距離もまだ5,000km未満(MC18は10,000kmちょっと)という部分を考慮しても、現状維持を
  選ぶのが一般的な良識です。

  し・か・し!

  はっきり言って、こんな上玉MC18はもう手に入らない(はず)!最強NSRを手に入れるのは、もう二度とない
  はずだっ!
  二週間ほど悩んだ末、私はハンコを持ってバイク屋に足を運んでおりました…。  

   

 


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あの当時、走り屋(←死語!)が憧れた、88NSRを詳細解説です!


  サイドビューは、MC28と比べるとシャープ
 な印象を受けますが、ボディはやや小柄。
 ナックルガードが小柄なので、MC28より
 引き締まって見えます。
  反してスクリーンが上方向に大きく、時代を
 感じさせる造形です(笑)。でも、当時のレー
 サー気分が味わえてグッド!


  小さめのヘッドライトが、レーサっぽくて良い
 と思うのは私だけ?イエローバルブが入って
 おり、夜間は結構派手です(汗)。スクリーン
 も大きめで、空力には不利ですが防風効果は
 高そうです(MC28は空力を重視)。
  リアビューは、伝統の丸二灯テールランプ
 が光ります。シートカウルも現代のSS車とは
 もとより、MC28よりも大型ですが、シャープ
 な形状で嫌いではありません。
 カキーンと跳ね上がったMC21が一番好き!

  アッパーカウルは、レギュレーションにより
 前輪中心より前方へ延ばすことができなかっ
 たため、鼻ペチャな印象。でも同時期のライ
 バルと比較しても十分カッコイイですよね。
  この車両はナックルガードの赤いステッカー
 部分に損傷があったため、写真では判り辛い
 ですが、何と!塗装でリペアしてます。
 「NSR」のロゴも、業者によるペイント!でも
 さすがに「PGM」ステッカーまでは復元不能
 だったようで…残念!でも、遠目で見ると全く
 オリジナルと見分けがつきません(驚)。
 因みに、MC18の外装は全て廃盤です。
 (ステッカーすら入手不可!)

  レーシーなサイドカウルは一般的な一体
 構造で、クイックファスナーの採用は無し。
 時代相応…と言ったところでしょうか(爆)。
  カラーリングは当時のHRCカラーである
 赤/白で、通称「赤テラ」。ロスマンズも良い
 ですが、やはりホンダとくればこのカラー
 ですよね!
  余談ですが、ここの「NSR250R」のロゴ
 も、アッパーカウルと同じく手塗り。よく見ると
 やや線が歪んでますが、言われないと全く
 気がつかない仕上げっぷりに脱帽です(爆)。


  フロントサスは一般的な正立タイプ。
 41mmのフォーク径は、先代MC16より2mm
 アップし、さらなる剛性アップに貢献。
 アルミホイールはレーサー「RS250」と同じ
 6本スポークとなり(先代は3本)、レプリカ度
 を深めると同時に高剛性化を実現。
  キャスター角も2度起こされ、旋回性向上を
 狙っているのが伺えます。


  リアサスは先代と大きな変更はなく、
 今見るととても地味に見える形状です(爆)。
 このスイングアームのお蔭で、チャンバー
 メーカーはその取り回しに苦労させられる
 羽目に(笑)。まぁ当時の水準では無理は
 ないのかも知れませんが…。
  因みに90年代に入り、ウィング型リア
 アームが一般化しますが、ヤマハがその
 特許を取ってしまったため、他のメーカーは
 使えなくなってしまいます。そこでホンダが
 チョイスしたのが、耐久レーサーでお馴染み
 の「プロアーム」です。これによりチャンバー
 の取り回し問題は劇的に解消されます。

  チャンバーは左右対称。スタイル優先の
 様子が伺えます。まぁ物理的に管長の適正
 化が不可能だったのですが…。
  MC21からはガルアームの採用により
 理想的なチャンバーレイアウトが実現できる
 ようになったため、性能重視の取り回しに
 なっています。
  性能重視のNSRにとって、ガルアームは
 まさに「救世主」だったのですね!

  エンジンは基本的に初代NSRから変更が
 ありませんが、年代を重ねるごとに各部の
 効率化と電子知能化が促進されます。
  その皮切りとなったのがMC18で初登場と
 なった「PGM」システム。エンジン回転数と
 アクセル開度により、予めインプットされた
 最適な点火時期を連続的にコントロールし、
 どんな状況においてもアクセル一つでエン
 ジンパワーを得ることが可能になりました。
  また排気デバイス「RCバルブ」も協調制御
 され、まさに「電脳バイク」です。
 …まぁ、今となっては当たり前の技術なんで
 すが…(汗)。

  最近ではFI化が進み、自動化された燃料
 コックですが、MC18が現役だった頃は、
 写真の手動式コックが当たり前。この頃の
 バイクは「ON」の状態では、エンジンが
 かかっていない状態でもキャブにガソリンが
 流入してしまうので、乗らないときは「OFF」
 にするのが鉄則。
 毎日乗る人はそこまで神経質にならなく
 ても良いと思いますが、そうでない人は
 コックを閉めるクセを付けましょう!
  なお、アイドリング調整ツマミはキャブに
 直付けのため、やや大変です。

  トップブリッジはアルミ削り出し。素材の
 輝きが活きて好印象ですが、89年式から
 黒塗装されています。88年式と見分ける
 ポイントの一つと言えますね。
  キーシリンダは一般的な形状で、当然な
 がら近年バイクのように「エンジンイモビ」
 なんぞ付いておりません…。当時は盗難が
 多かった車両ですから、オーナーも防犯
 対策に一苦労。

  左カウルもMC21やMC28と大差ない
 印象ですが、MC28のようにハンドルロック
 解除レバーはありません(笑)。
  同じホンダ車でも、CBRなどの4スト勢は
 チョークレバーはハンドル上部に設置された
 引き上げ式。経年変化で引いたチョークが
 勝手に戻っていくのですが、NSRはそんな
 ことにはなりません(…のはず)。

  左側スイッチ群を見ると…ライトスイッチが
 ある!!MC28の不満点の一つが、レー
 サーな気分をぶち壊す「常時点灯式」 だった
 ので、これは歓迎(^o^)/
 やっぱレプリカはこうでなくっちゃ!
  MC28のハザードランプは、ディマースイ
 ッチに置き換わっています。…ってか、
 当時はこれが普通だったのよん!

  シートカウルはオリジナル状態を維持し
 つつ、社外製のシングルシートカウルが装着
 されています。キー開閉でき、簡易シート
 ストッパー(素朴な造りがレーシー!)付き。
 まぁ、この手のバイクに二人乗りをすることは
 ないので、たぶん困らないでしょう(笑)。
  SP仕様のゼッケンベースステッカーを貼る
 人が多いのですが、入手困難!
 欲しくなったら自作するさっ!
 (多分しないと思うけど)

  メーターはレーシーな三眼式。レース使用
 を考慮し、スピートメーターと警告灯ユニット
 は脱着可能になっています。因みにライバル
 TZRはSTDがメーター一体式、SP仕様が
 別体式でした。つまりNSRは、STD仕様で
 あってもレース参戦を前提に設計されていま
 した。ホンダの「やる気」の度合いを感じさせ
 ますね。
  警告灯は左上から、ターンランプ・オイル・
 ニュートラル・ハイビーム警告となっています。
 余談ですが、MC21からサイドスタンド警告
 灯が追加されています。スポンジ部分が
 「やつれて」ますが、劣化しやすい素材です
 から、年式を考えたら仕方ないですね(涙)。

  メーターの夜間照明はこんな感じ。MC28
 に比べるとやや地味ですが、大人っぽくて
 よいのです(笑)。
  まぁ…、NSRに限らずレプリカに乗ってる
 人は、世代的に「オッチャン」が殆どですが。
  因みに、スピードメーター上部のバルブが
 切れているようで…これは汎用部品だと思う
 ので、 どうにかなるかな?

  これまた当時のバイクによく見られた、
 タンクから伸びるパイプ。その正体は、ガソ
 リンが気化することで発生したエアを抜く
 ためのもので、これが無いY社のバイクは
 「ピーピー」と鳴いておりました…。
 MC21になるとタンクキャップが改良され、
 エアプレーンタイプになったため、パイプは
 姿を消しました。
 しかし…弟分のNSR50は最後まで残り
 ましたね(爆)。

  一般的な機械式キー(はぁと)。
 先進性を謳うのも良いですが、やはりキーを
 回してイグニッション・オン!が、「よし、これ
 から走るゾ!」という気になります。
 (MC28のカードキーはキーホルダーが装着
 できず、他のカギと一緒に持つことができず
 大変不便でした!)
  中古車ですが、ちゃんとスペアキーも付いて
 いました。前オーナーの愛情が伝わってきて、
 「大事に乗らないと!」という気になります。

  イエローバルブに交換されたヘッドランプ。
 当時は結構流行りましたが、最近はヘッド
 ライトのカスタムと言えばHID化が主流です。
 好みで言えばホワイトバルブなんですが、
 当時っぽくて悪くないので、しばらくこのまま
 乗ることにします。


  おっきなタンクパッドです(爆)。
 がっちりガードしてくれるのは良いのですが、
 ただでさえ遠いハンドルが更に遠くなるよう
 な形状で、個人的にはちょっと不満です。
 とは言え剥ぐ訳にもいきませんので、これ
 また現状維持。
  因みにタンク幅は細く、ニーグリップは
 やりやすいですがコーナーでは身体を支え
 にくいですね。


  フロントフォークも錆びなどが浮いておらず、
 とても奇麗です〜。とても20年以上前の車両
 とは思えません。
  写真ではちょっと判りづらいですが、ブレーキ
 ワイヤーがメッシュホース化されてます。
 ブレーキのタッチはかなりソリッドでよく効いて
 くれます。

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本当に「ハチハチ」は伝説になり得るのか?


 【納車インプレッション】
    2012年3月吉日。ワタシは納車準備が整ったMC18と対面します。
   いやぁ〜いいっす!ちょっとしまりのない間の抜けたMC28と違い、昔の古臭さが滲み出た「いぶし銀」のような
   輝きを見せるマシンに、惚れ惚れするワタシ(笑)。しかし立派な「旧車」であるMC18は、スタッフの方による
   細心の納車チェックが行われていました。エンジン始動はもとより、試乗して不具合がないかどうか確認すると
   いう徹底ぶり。「ああぁ、早く乗りたいなぁ」と心待ちにしながら、お店で出されたコーヒーをすすります。
    そして、ついにその時がっっ!
   車両説明を受けるのは、納車時のお約束でありますが、MC18はちと違ってました。
    ・降車時は、必ず燃料コックをOFFにすること
    ・とにかくかぶりやすいので、予備のプラグを常に携行すること
   この2点。MC18のみならず、このころのバイクではほぼ常識的な内容ではありますが、「あぁ、旧車なんだ」と
   説得させられてる感じです…(涙)。
    エンジンは一発始動!アイドリングも安定しており、アクセルを軽くひねるとバィーン!と心地よい2スト
   サウンドを響かせます。高回転のフケも良さそうです。
   「さて、それでは堪能しながら帰るべ
   …と、ギアを1速に入れて、クラッチミートすべくアクセルを軽くひねる。しかし、その瞬間…!
   ストン!
   …と、エンスト(爆)。隣で見ていた店員さんに「MC28よりも低速無いですからね〜。(笑)」と言われます。
   あのぉ…まだ半クラも当ててないんですケド(汗)。もう一度エンジンをかけて、同様にアクセルをあおると…
   ストンッ!
   …今度はクラッチも切ってませんよ、センセー(爆)。
   「何だかおかしいですね
   「そうですね〜。かぶっちゃったかなぁ
   そう言って店員さんは、前側のプラグを外してチェック。ややかぶり気味だったので、新品プラグに交換します。
   (さっき替えたばっかなような気がするけど…)
   そんな私の不安をよそに、MC18はすぐエンジン始動。景気よくアクセルをあおると、今度は大丈夫そうです。
   でも、その割にはチャンバーからの白煙が少ない感じです。4ストならまだしも、MC18は2ストですから、もう
   少しモクモクと白煙を上げても良い気がしたので、
   「もっと煙が出ても良い気がするんですけどね〜
   と言うと、「いいオイル入れてるから、それなりに煙も少ないはずなんですけど」という返答。いやぁ、カストロール
   入れてたMC28でも、もっと豪快に出てましたよん(笑)。
   その後一旦整備場に戻し、キャブ周りをチェック。ややエアを噛んでる感じだったとのことで、今度はそれっぽく
   白煙が出てきました。でも…まだ少ない気が(汗)。更に前回の教訓を生かし、ガソリンもやや多めに補給して
   もらいます(笑)。
   「とりあえず、これで帰ってみよう!
   ということになり、再度発進。確かに低速はない(3,000回転以下はスカスカ)ですが、アクセルを開けて加速
   しようとすると、ガゥンガゥンと息継ぎしてるようなフィーリングで、これは危ない!と感じたワタシは、ショップに
   戻ることに(涙)。結局エンジンはまた停止し、水温計も異常に上昇(当日は雪が降りそうなほどの寒さでしたが
   90度以上を指針!)したので、断念することに。
    やはり旧車、侮れん(爆)。
 
 【今度こそは!セカンドインプレ!】
   二週間の入院の末、サーモスタットがお亡くなりになっていたことが判明したハチハチ。結果、失敗に
   終わった納車インプレッションでしたが、「今度は平気」と、実家に運んでもらい、再度アプローチっ!
   (因みに行きつけのバイク屋は、高速道路を使用して20〜30分くらいかかるほど、遠方にある)

    ちゃんとエンジンも始動し、クラッチミートでフツーに発進!(当たり前か)。そんな第一印象は、意外と乗り易く
   普通。15年前に何度か乗った、あの感動が蘇ったのは確かなのですが、やはり4ストっぽいとゆーか…まぁ、
   MC28よりは遥かに2ストっぽいですけど…ちょっと拍子抜け。でも、パワーバンドに乗っけると、MC28とは
   比べ物にならないほどのパワーがさく裂!いやぁやっぱコレっすよ、2ストは!
    ただし、そこまでがスッカスカですので、そのギャップのせいで強烈に感じているだけかも知れませんが。
   判り易く言うと、MC28のトルク特性が上下でひっくり返ったような感じ。PGMのお陰でアクセルのツキも良好。
   とりあえずアクセルを開けるとついて来るので2スト初心者でも安心のエンジン特性ですね。

    しかし、シャシーはMC28と比べて、ライダーに依存する部分が大きいです。とゆーのも、シャキッとしたボディ
   剛性が、良くも悪くも操作性に影響を与えている感じで、特に切り返しが重たく感じられます。そのくせ倒しこみ
   の反応スピードが早いため、調子に乗ってスパーンと寝かせると、タイヤのグリップを失いそうです(爆)。これは
   18インチ&細いリアタイヤも影響していると思うのですが、フレーム周りの剛性が高すぎるのが最大の要因
   かも…。でもそれは公道レベルでの話ですから、サーキットなどで全開走行するとちょうど良いのではないで
   しょうか。個人的にはバイクが勝手に曲がらない特性なので大好きなのですが、何も考えなくても曲がるMC21
   なんかとは逆のポジションにいるので、「おんなじNSRだんべ」とナメてかかるとエライことになるかも…(笑)。
   TZRほどではないにしろ、自分で操っているという「達成感」が味わえるので、ライディングにおいて感性を大事
   にする方にはオススメと言えるでしょう。

    その他の部分としては、やはりチャンバーサウンドでしょうか。MC28が「88NSRの1/6にしました」という
   触込みでしたから、ひっくり返して「MC28の6倍(!)」ということになります。しかしそのサウンドは、
   ヤカマシ!…と思ったら、そうでもない感じ(爆)。現役当時は「暴走族が来たゾ」と思ったモンですが、
   最近は大型バイクブームの影響か、爆音を奏でるバイクが多くなったため、それらと比べると「ちょっと…
   大人し(音無し?)過ぎるんじゃない?」とオネェ系口調で愚痴ってしまいそうです。
   まぁ、嫁曰く「ウルサイ!」そうなので、多分ワタシがおかしいだけなのでしょう…。
    時間がなかったのでワインディングチェックが行えませんでしたが、次回はそのあたりのインプレができたら
   良いかな?と思っております。


 

 


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語り継がれる、伝説。


 【禁断のリミッターカット(爆)】
    88NSRは、リミッターカットがとっても簡単(はぁと)。
   「ハチハチにリミッターなんてあるの!?」そう思われる方もいらっしゃると思います。実は速度リミッター
   は無いのですが、エンジン保護(ライダー保護というのが適切か?)のため、RCバルブが全開にならない
   ようになっております。これを解除してやることがハチハチのリミッター解除になります。
     1.シートカウルを外す
     2.PGMユニットにつながるケーブル群から、黒/青のコードを探す
     3.上記コードのギボシを抜き、絶縁する
   以上が大まかな手順ですが、実際の作業はコチラをご覧くださいませ。
    なお、処置後はデトネーション対策のため、ハイオクを入れるようにしましょう。

 【中古車の動向】
    はっきり言って「皆無」です。稀に出ても価格は安いので買いやすいのですが…正直、お勧めできません。
   「自分は買っときながら、何たる言いぐさじゃっ!」と怒られそうですが、何と言っても殆どのパーツがメーカー
   欠品ですので、外装はおろか、エンジンも壊すわけにはイカン!というプレッシャーのもと、バイクライフを
   過ごすことになります。加えて2ストは約2万kmごとにオーバーホールが必要です。パワー低下はもちろん
   エンジンが壊れる可能性も無きにしも非ず…。腕の良い、信頼できるバイク屋と友達になりましょう(笑)。
   因みにNSRの持病とも言える「オイルシール抜け」は、クランクごと交換。ヤフオクで出てたら何はともあれ
   一基ゲットしておく必要があるかも、です。

 【検証!果たしてハチハチは最強なのか?】
    幸運にも、3モデルのNSRを乗り継いでこられたワタシ。ここで各モデルの採点をすると共に、イントロ
   ダクションでも触れた、「本当にハチハチが最強なのか!?」を徹底的に論じてみたいと思います。
   まずは、下表をご覧ください。

MC18
MC21
MC28
エンジンパワー
★★★★★
★★★★
★★★
エンジンの扱いやすさ
★★★
★★★★
★★★★★
コーナリング(高速)
★★★★
★★★★★
★★★★
コーナリング(低速)
★★★
★★★★★
★★★★★

   あくまでも私の主観的な採点ですが、乗った経験がある方であれば頷く部分もあるかと思います。
   (反論もあると思いますが…)
    ホンダ自ら「名車」と豪語する通り、やはりMC21は「NSRの完成形」と言っても過言ではない仕上がり。
   やみくもにエンジンパワーやシャシー性能を上げるのではなく、「扱いやすくて速い」を具現化したバイクと
   言えるのではないでしょうか。ただし個人的には「勝手に曲がる」フィーリングがイマイチ。また車体をバンク
   させると一気に旋回していくので、初心者ならともかく、他のバイクから乗り換えた人はびっくりするのでは
   ないでしょうか?
    MC28は、基本的にはMC21の進化系。前述の車体のクセが取れて、とっても乗り易いバイクです。
   これまた「名車」と位置づけてもよいのですが、NSRとしてのレプリカ度は遠のいて「別のバイク」になって
   しまった感が拭えません。エンジンパフォーマンスが低下したと言う点もありますが、「レーサーっぽさ」が
   希薄になったかなぁ…という印象です。しかし低速トルク感は歴代トップでハンドリングも素直。特にワイン
   ディングではMC21以上に扱いやすく攻めやすいので、公道ではベストと言えるNSRだと思います。

    では本題。MC18のパフォーマンス…表に表れている通り、エンジン以外はイマイチの結果(爆)。
   直線ではまず負けることがないでしょうが、コーナリングでMC21やMC28を追い回すには、ある程度の
   テクニックと度胸が必要だと思います。特に切り返しの重さと接地感の希薄さは大きなマイナスポイントで、
   コーナー入口でしっかり荷重移動をかけてバイクを寝かせなければ、スパーンと曲がってくれません。
   エンジンパフォーマンスは確かに歴代トップで「伝説」ですが、コイツを乗りこなすことが、正に「伝説」だと
   言える!?でも、コーナーに刺さって「伝説」にならないよう気をつけましょう…(汗)。

    なお、誤解のないように補足しておきます。
   確かにMC18のエンジン性能は最強ですが、リミッターカットしてチャンバーなどに手を加えれば、
   MC28のほうが速いです。長く乗り続けたければ、少しでも寿命が延びるMC28を選ぶのが正解!(笑)

    当時は過激と言われ続け、伝説化してしまったハチハチ。これを乗りこなすことが、当時の走り屋の
   ステータスだったのですが、ワタシもこのエンジンパフォーマンスとフットワークを乗りこなせるように
   日々精進したいと思っています。
    壊さないように(爆)。

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