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水戸八景

青柳夜雨

水戸市の青柳公民館裏の畑の中。「雨の世に舟を浮へて青柳の 木の間を渡る風の涼しさ」との和歌が残るが、現在は那珂川の堤防が高く視界がさえぎられ、風情もない。

太田落雁

常陸太田市栄町の小高い台地の東斜面にある。「さして行く越路の雁の越えかねて 太田の面にしはしやすらふ」との和歌があり、今でも遠くに真弓山を望み、昭和初期に真弓千石と名付けられた眺望は格別だ。

山寺晩鐘

常陸太田市稲木町の西山研修所裏。近くに久昌寺があり、斉昭は「けふもまたくれぬと告げる鐘の音に 身のおこたりをなけくおろかさ」と詠んだ。今でも住宅街が一望でき、気持ちいい。

広浦秋月

東茨城郡茨城町、涸沼の出口に延びた砂州にある。「大空のかけをうつしてひろ浦の なみ間をわたる月そさやけき」と和歌にあるように近くに湖、遠くに筑波の絶景を望む月の眺めは、素晴らしかったに違いない。

水門帰帆

ひたちなか市の那珂湊総合支所(旧那珂湊市役所)の裏から、太平洋がキラキラ輝く。「雲のさかひしられぬ沖に真帆上て みなとのは方によするつり舟」と歌われ、釣りに出ていた船が夕日を受けて次々に帰港する様子は、美しい風趣だった。

村松清嵐

東海村の村松虚空蔵尊の奥の院。「真砂地に雪の波かと見るまてに 塩霧はれて吹く嵐かな」と和歌にあり、白い砂が青い海まで延びていたようだが、今では砂防の松林で風情も薄れた。

僊湖暮雪

僊湖は千波湖のことで、昔は約54ヘクタールあり、春夏秋冬、晴雲雨雪など自然の移ろいで姿も変わった。「千重の波よりてはつつく山々を こすかとそみる雪の夕くれ」とあるが、今では千波湖はほとんど見えず、偕楽園からが最高。

厳船夕照

願入寺裏の高台からは涸沼川と那珂川が合流するのが見える。当時「筑波山あなたはくれて岩船に 日影そ残る岸のもみち葉」と詠まれたように、今でも大きな川が交わり、漁船が走る姿は素晴らしい景観だ。


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