瀬戸谷〜右谷〜ウシロヤマ谷探訪 | ||
瀬戸谷 | ||
瀬戸谷は十方山の南面に扇状に広がった谷でその関門には瀬戸滝があり、現在では容易に滝上に至ることが出来ない。滝上から三ツ岩付近までは比較的なだらかな谷で、かつては木馬道があったが崩壊は激しく、現在ところどころに当時の木馬道の石積みが残っているのみである。この谷には木地屋原という地名が残されておりここでの先人(主に木地屋)の足跡を探査する目的で探訪した。 最初のトライは滝上に行くためにアライ川をさかのぼってみたが小滝で阻まれ、遠巻きしようと思ったが急傾斜でこのような状態では無理だと断念した。(平成17年11月9日)2回目は「西中国山地」桑原良敏、「山歩きのページ」「岩国山登物語」サイトなどを参考にしてアライ川の小滝を大きく迂回するルートを通って滝上に至り、右谷のカワジ谷合流部上流右岸の平坦地まで探訪した。(平成17年11月18日)3回目は右谷とカワジ谷の間の平坦地藪こぎで熊避け鈴を紛失し、三つ岩付近の最初の小滝を少し上った渓谷までで退却した。(平成17年11月23日) 今回は右谷とウシロヤマ谷合流部にある石積みを探査しようと探訪し、ここから折り返すよりはウシロヤマ谷を上って十方山登山道に出るほうが楽ではないだろうかと思い決行した。しかし 「山歩きのページ」さんが記されているウシロヤマ谷分岐から十方山登山道に向かう山道を見つけることができず、谷の最上流部に近い位置まで上って笹薮を水平移動したらすぐに十方山登山道に到達しほっとしたのである。十方山登山道を下って登山口まで6時間の探訪であった。(平成18年11月5日) |
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十方山登山口から少し登ると瀬戸滝方面への表示がありこの山道を進んで行くと瀬戸滝が遠望できるところまで行ける。この道は平坦でありかつての木馬道で瀬戸谷の奥地三つ岩まで延々と続いていた。 → | 木馬道跡の山道を進んで行くと瀬戸滝が遠望できるところに至る。滝に近づくにはここから急な山道を下って行けばよい。ここ右手から十方山登山本道に向かう山道があり少し登ると折れ曲がりがある。ここから少し登ったところに獣道のような山道を進んで行くとアライ川の小滝上の左岸に至り、アライ川の小支流を過ぎるとアライ川を渡るところに至る。 | |
アライ川を渡ると右岸に炭窯の跡がありその下から尾根先端部いたる山道の跡がある。これを登っていくと尾根筋先端部に着きこここからすべり落ちるような急傾斜を降りると瀬戸滝上部に至る。 → | 登山口から50分で滝上に到着する。滝上から滝つぼをみると目もくらむような高さである。左上には木馬道跡が残っておりすぐ先からは崩壊している。 | |
瀬戸谷の右岸には木馬道跡がところどころに残っているが、ほとんど石伝いに上って行くことになる。 → | タガタノ谷の手前右岸にある最初の平坦地で炭窯の跡が残っている。ここの平坦地では木地屋が稼業していたものと思われる。 | |
最初の平坦地の対岸左岸にみられる製材所の水車跡の遺構がある。このすぐ上流側には木地屋の積石墓がある。 → | 登山口から1時間40分で右谷と左谷の合流部に到達しここから右側の谷に進んで行く。左側上には大きな平坦地が数段あり木地屋の積石墓がある。 | |
右谷 | ||
右谷を上っているとワイヤーの残骸が放置されており木材の搬出に使用されたものと思われ、そんなに古い時代のものではないだろう。左側上には石積のある平坦地が数段あり木地屋が稼業していたものと思われる。 → | 木地屋原から少し上った右岸に平坦地があり炭窯の跡と積石墓があって木地屋が稼業していたものと思われる。 | |
木馬道跡の石積みが終わってからしばらく上ると岩壁に挟まれた渓谷に入る。この付近が三つ岩と思われるがどの岩を言っているのか不明である。 → | この小さな淵でゴギかアマゴの魚影を見かけたが何だか不明である。このような奥地であり太古の昔からの子孫であろうか。もう少し上流部の淵でも魚影を見ることができた。 | |
緩やかな傾斜の右谷であったがこの滝が最初でここからウシロヤマ谷合流部にかけて小滝が多くなる。 → | 渓谷の中の小滝で滝下の淵は左下の写真のように一枚岩の内側にできているものである。 | |
右上の小滝の淵を堰き止めている大きな一枚岩で水は岩を滑り落ちている。 → | この滝が大ビラメノ滝といわれているものだろうか。右谷では一番落差のある滝でこの滝を上って行くとウシロヤマ谷合流部に到着する。 | |
登山口から2時間40分でウシロヤマ谷合流部に到着する。左側が右谷本流で右側のウシロヤマ谷でこれを上っていくのである。 → | ウシロヤマ谷合流部には人工的な石積みがみられこの石垣の向うには長い石垣の列があり何の遺構か不明である。 | |
ウシロヤマ谷 | ||
ウシロヤマ谷最初の滝である。 → | ウシロヤマ谷は水量が少なく傾斜が急である。ずっと石伝いに上ってきたので疲れペースが遅くなった。 | |
この滝の両側は険しく滝上に至るには少し遠巻きして上った。 → | 谷に大きな樹木の切り残しが2か所あったがもう計測する気力が失せていた。いつごろ伐採されたものか不明であるが下山林道を通って搬出されたのだろうか。 | |
この付近の谷に水がほとんど流れていないが、雨天の時にはこの石の上をあちらこちらに流れてきれいな滝になりそうだ。ここを超えてしばらくすると土石流ケ所がありそれを過ぎると小さな枯れ谷となる。 → | 登山口から4時間30分で十方山登山道に到達しほっとする。十方山登山道から40〜50m先にあるウシロヤマ谷の最上流部をみる。谷には笹が茂っており雨の時だけ流れる谷である。 | |
よしわ地区点描 |