呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


A7

 さて、またまた来ました。『A君(17)の戦争 7 はたすべきちかい』である。前回『6 すべてはふるさとのために』のレビューはこちら
 今回、少し拍子抜け。薄い。薄いのだ前回なんぞ419ページもあったのに、今回は262ページ。いや、これでも他の富士見ファンタジア文庫にしてみれば充分に厚いのだが。まあ、今までがぶ厚すぎたのかもしれない。
 それから、表紙イラストが変わっている。な紙のイラストの人は変わっていないのだが、版権等があるのか微妙にキャラクターが変わっていて楽しい。あと今まで非常に怪しいスフィアの制服もちゃんと制服になっているし。しかし、ほっぺのトーンは何なのだろう。うーむこのイラストさんのトレードマークなのだろうか。

 とにもかくにも、いよいよ始まったシレイラちゃんの大侵攻作戦。魔王領はもう、風前の灯火だわ、田中魔王様はもう、凄いことになってしまっているわ。最後はジーク・ジオンだわ。もう無茶苦茶である。
 中身は非常に濃い。ああ、この中身で400頁。もう少し話が進んでくれたなら。少なくとも、総帥の作戦。おそらくは焦土作戦ではないであろう、作戦がわかれば。
 まずはシレイラちゃん。やっぱり、ただもんではない。あの、首都攻撃により官僚組織がおそらくはずたずたにされていながら、それでいながら、25万の軍勢を三つに分けて侵攻を開始する。作戦名『フェラール』。魔王軍が一番恐れていた総力戦である。
 対して、魔王軍の戦力はどんなにかき集めても5万でしかない。魔王軍が取りうるべき手段は二つ。焦土作戦と各個撃破。のはずである。しかし、総帥はそれを命じない。いや、命じることは出来ない。何故なら、1軍を撃破している間に、他の2軍にワルキュラを突かれてしまっては、いかんともしがたいからだが。果たして総帥が計画し、スフィアとあーシェラが理解している作戦名『エクソダス』&『ヤヌス』とは、何なのか。いや、『エクソダス』はワルキュラすら捨てて住民を疎開させる作戦なのだが、『ヤヌス』とは。

 などと大上段にやっていると、なんか、別の本のレビューみたいになってくるので、少し脱線。というか大脱線。非常に尾籠な話。故に白地で記す。興味ない人はすっ飛ばして下さることを希望する。

 痛いです。あれは非常に痛いです。田中魔王様がなってしまった『ちにてんてん』。
 古くからのこのサイトの訪問者の皆さんは、私が昨年末、どえらいことになったことをご記憶であろう。そう、えらい目に遭うのだ、あれは。
 しかも、わたしのはイボであった。もう、感覚的にはお尻の間にもう一つ臀部が出来たみたいなモンだったのだが。裂れ痔。なんと恐ろしい言葉だろうか。
 そこまで行ってしまったら、もう、売薬を自分で塗っているだけでは無理なのだ。ダメなのだ。医者の強力なやつを、看護婦さんに強引に奥の奥まで、突っ込んでもらったり。レーザーメスで患部を灼いてもらったり、棒状のアイスノンを突っ込んで、患部えぐられてのたうち回ったりしなければならないのだ。
 はあはあ。
 あ、そういえば、ここ半年出血がない。やっぱりきちんとした治療は必要なのだ。
 同志として田中魔王陛下の完治をお祈り申し上げる。

 で、物語は本巻のクライマックスへ。おそらくは、モデルは独逸の絶望的な防衛戦から範を取ったと思われる『総帥ファンクラブ』の戦い。なんか、全巻で極道孫といわれた兄ちゃんが格好良かったりするのは果たして、社会一般の評価と才能は一致しないと言うことか。

 そして、敗北へと続く道の中、一瞬の勝利の寸前、もたらされた撤退命令の意味する物は。
 そして、激怒したリアちゃんさえも納得させる『ヤヌス』の真の内容とは。
 魔王領全国民の前で、偽りの誓いを宣言する。戦争に『はまって』しまった剛士はどこに行くのか。
 ほのかの動きは。
 作者、『デビル17』は後でも良いから、はよ、こっちを書いてくれ!(04,4,16)


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