呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


A6

 さて、毎回毎回、待ち続けている『A君(17)の戦争 すべてはふるさとのために』である。ちなみに、前回はこちらだったりする。

 前回、いかにものネタ。『ドラゴンでウルリスは攻撃できないかな』を三船敏郎のように振ってしまった作者だが、今回はいよいよ大戦争である。
 で、冒頭の作戦会議。うーん。これを言い出すと某所では荒れるのだが、こういう事をするから、別人説が出るのかもしれない。すなわち佐藤大輔氏はもう少し年齢層が上のヲだが、こういったネタを振るのは、私と同年代(30代後半)のヲではないのか。そういう疑問である。だって

 『やるやらないの話なら無用』

 である。いかにも、世界の三船の言いそうなことではないか。

 しかも、準備こそ楽しい。そう、永遠の準備期間の是非を問うた『ビューティフルドリーマー』をリアルタイムでぶちかまされた人間にとっての甘く切ない想い出。おそらく7は4巻を拒絶する人間と、許容してしまう人間の差異は、この作品にいつ触れたかによって違うのかもしれない。
 まあ、個人的には絶対同一説を支持するものだが、そのあたり、確かに佐藤大輔氏とは違う年代の作者の存在というものを否定できない人がいるのも理解できないわけではない。

 話が脱線してしまった。
 ともかく、話は急を告げる。シレイラちゃんは世界征服(その通りの意味ではない)をたくらむわ。ほのかがちょっかいをかけてくるわ。もう大変な上に、グラッサー男爵の強襲偵察である。魔王領の公用語は日本語なのだが、なぜか広島弁がまかり通る。

 『お、ワシぃ呼んだかいのぉ、嬢ちゃん』

 である。美少女メイド嬢が

 『んまっ、あんだみたいなめんこい子にそったらこといわれたらなじょしていいだかオラ困るわぁ』

 なのだ。

 しかし、鷹見氏の時にも言ったが、今回少しばかり地の文が饒舌すぎるかもしれない。まあ、設定オタクの話は設定オタクとして骨の髄までどっぷりつかってしまったという自覚がある私は、ツボにはまって馬鹿笑いできたが、そこまで覚悟のない人は、怒るかもしれないなあ。そう思えるのだ。
 で、真珠湾。『トラトラトラ』だけかと思ったら、なんとドウーチェ救出作戦もかねるとは。シュトルヒ、アラド、ハインケル、ユンカース・カ○ヒア。わあ、メッサーシュミットとフォッケウルフが存在しない。などと手を叩いてしまうのはきっと私は悪いヲなのかもしれない。ともかく、ともかく、乾坤一擲の大作戦がいよいよ始まるのである。
 しかし、この世界の戦上手は、主人公だけではない。いや、小野寺総帥も大変なのである。
 マリウクスのランバルト王国軍は異常を察知し急使が飛ぶ。なのに、悪しき官僚制度によってこの情報が無視されてしまうのだ。豪屋氏も官僚制になんか恨みでもあるのか。とおもってしまうではないか。しかし、そんな物なのだろうなあ。きっと。
 とにもかくにも奇襲作戦は大成功、残る問題はドゥーチェこと、田中魔王さんの救出にかかってきた。
 そこで、『ブラックホークダウン』ネタを使うか? 作者。いったい何を考えているのだ?(ほめ言葉)
 まここまでうまくいったのだが、最後の最後で作戦が失敗するのだ。まあ、失敗といっても

 「へーか、浮気した」
 「二人でひっついてる」
 「趣味変わったんだ」
 「他にもいっぱいかわいい子がいる……裏切り者! 浮気者!」

 といったレベルなのだが。ともかく、魔王軍は田中魔王様の救出には失敗するものの、フェラールの兄ちゃんの奪取に成功。作戦目的をある程度果たして帰還する。

 「では、友よ……いつかまた訪れる締め切りの日に」
 「その時には逃がしませんよ。フェラール先生」

 いやあ、もーほー兄ちゃんとオタク魔王の会話とは思えない渋さである。
 ま、今回も十分楽しませてもらったのだ。
 次回はいよいよ決戦か?(03,11,22)


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