呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


A5

 いよいよ出たぞ。『A君(17)歳の戦争 5 すすむべきみち』なのである。なんだか佐藤大輔氏の新刊ラッシュなのだ。こんなに嬉しいことがあろうか。いやないのである。しかもだ『A君(17)歳の戦争 1』が『まもるべきもの』で、今回が『すすむべきみち』。
 すすむとまもる。
 進と守。
 「ははははは。宇宙戦艦ヤマトじゃねえか」などという重症のヤマト季違いは放っておくのである。
 で、内容。面白い。面白いのだが、自己充足小説書いてるのか? といった観点のぎりぎりで見切っているあたりが凄い。いやあ、実際ぎりぎりである。全く完全無欠のアニマにビューティフルな女吸血鬼。更にちょっと強引な幼なじみときて(幼女は田中魔王のものだから取っちゃだめ)、今度は新キャラお姫様である。しかも、一般大衆のことを第一に考え、行動できるのだが天然ボケのお姉様と来たもんだ。で、国のために自分の判断で政略結婚を求めてやって来るという。をいをいの世界である。
 だいたい、この現実世界、一生で一人でも理想の女の子に巡り会えたらOKだというのに、しかも、その幸運の女神には前髪しかなくて、逃したら二度と幸運は現れないというのに、ゴーシ。いい加減にせえよ。なのだ。

 どうも、この主人公から某、昔の友人が連想されるのだが、彼の書いていた小説なんぞ、その自己充足小説の最たるものなのであった。だいたい『ダイターン3』の波瀾万丈のように金持ちで道楽で危険に身を投じ、寄ってくるのは美女ばかり、据え膳食わぬは男の恥で、でも、ちゃんと本命はいたりする。
 莫迦か、アホかと。
 あんまりアホらしくなったので、彼の小説のパロディを、似たような設定で私も書いたことがある。貧乏でやむにやまれる事情から事件に巻き込まれ、美女にもてるはずもなく、本命は敵方に囚われ、死ぬよりもつらい目に遭わされ・・・。そこから奇跡の大逆転。で、そこそこ幸せになって、終わり。という。
 結果、電柱というかドラム缶ほど願った彼は、無事に可愛い妻子に恵まれ、平々凡々な家庭を成したと聞いた。
 対し、針ほど願った私は結局、自分の小説以上に悲惨な事実を越えて今に至る。
 現実なんて、そんなもんである。

 なんか、話がすっかり逸れた。とにもかくにもこの姫様、どうも、どっかで見たような気がしていたら、某掲示板で答えをいただいた。エヴァンジェリン姫である。で、アルバート・オーソンの変わりに執務室長がついていると。そうだったのかあ。だ。うーむ。たいしたものである。この覚悟。方向が明後日の方向いているような気がしないでもないが、充分である。素晴らしい。これから、煮詰まってきてるスフィア、枷から抜けられないアーシュラ、敵役のほのかをぶっちぬいて一番のヒロインも可ではないのだろうか。

 更に、今回も小ネタが充実。針井歩太(ハリィ・ポタァ、ハリー・ポッターなんて読んではいけない)の出てくる4ページは爆笑ものである。やっぱり、クリントイーストウッドの声は山田康夫氏でなければと思うのだ。(でもダーティ・ハリーなのだよな)
 あとは、ホテルのスライムのドツキ漫才が実は有料チャンネルとか・・・。腹抱えて笑ってしまった。何かツボにはまってしまったのだ。
 更には田中魔王氏のコミケネタもきっちりある。いやあ、可愛いロリロリメイドさんに傅かれての同人誌作成。いいなあ。などと思ってしまうのは完全に逝ってしまっているのだろうなと思ったり。

 言ってみれば、これでキャスティングは終了。いよいよ全てに向かって牙を剥くゴーシ君とほのかとの決戦へと物語は大音響で流れていくのだろう。もう、そのあたりが楽しみで楽しみでたまらないのだ。
 大丈夫だよな。きっと。絶対。豪屋氏の中の人みたいな事にはなるまいよな。きっと。秋には新作読めるよな・・・(フェードアウト)(03,5,28)


backtopnext