呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。
シングルベルの鈴が鳴る
彼女が出来ない、毒男さんは。
「いっつもみんなの、笑いもの ニャ」
「でもその年のクリスマスの日」
サンタのおじさんは言いました
聖夜である。聖夜なので、久しぶりに内輪ネタパターンを解放しようと思うのだ。読者諸兄諸姉におかれましては、ご了承あれ。
と も か く。
野郎が三人、クリスマス・イブに一部屋に集まってアニメのDVD見ながら、麦酒を飲んでいるのだ。
く、暗い。暗いぞ。
「暗いと不平をもらすより、進んで明かりを灯しましょう」
朱雀、本当に、そう思っているのか? そうなのか? じゃあ、彼女作ってみろよ。進んで明かりを灯してみろよ。
「でも、それじゃあ、上杉が明るいことにはならないニャ」
そうでした。
ともかく、今年も、野郎三人のクリスマスだったりする。久部さんはお仕事である。
「お休みが火曜日になってから、なかなか遊べなくなってしまったなあ」
その通りなのだ。
一昨昨年は確か、武田と、私と久部さんでクリスマスだったのだが。一昨年も、去年もメンツが変わらないのだ。
「今回も、同じメンツじゃ、面白くないニャ」
というか、去年のクリスマスは私の一人負けだったのだ。ああ、すり減った羞恥心が疼くのである。
「まあ、今年も無事に一年を終えることが出来たということだな」
まとめるな。朱雀。
「じゃあ、どういうクリスマスがいいというのだ」
そりゃあ、やっぱり、可愛い女の子とだな。眺めの良いレストランかどっかで食事してだ。
「上杉さん」
なんだい。
「あたし、酔ったかしら」
いいじゃないか。今日はクリスマスだよ
なーんてな。そういう、そういう楽しい事があっても良いではないか。
「レストランで食事かニャ」
そうだが。何か。
「いや、あまりの想像力の貧困さに、目眩がしただけニャ。そういった事はバブルでもう崩壊しているのに、貴様の頭の中は蛆がわいているのかニャ」
なんだよう。いいじゃないかよう。いっかいぐらいゆめみたっていいじゃないかよう。
「やめんか、筒井康隆風に喋るのは。たいして良いもんじゃないぞ。聖夜なんて。レストランは混んでるし」
をを、唯一この3人の中では、そういうことがあった朱雀さんのお話。重みがあるのだ。
「巫山戯てろ。
まあ、たいしたことなく。特別料金の飯喰ってだ、で、地下鉄の駅で別れて帰ってきただけだ」
それ、たぶん、間違ってる。というか、こいつ、クリスマスに付き合ってくれたおにゃのこに、そんな仕打ちしたのか。
「解るような気がするニャ。朱雀の現状が約束されていたのは・・・ニャ」
まあ、ともかくだ、クリスマスでなくて良いから、胃袋も、肝臓も合った可愛い女の子と飯を食うというのは大変楽しいと思うのだが、それは同意してくれるよな。
そうだなあ、『木曽路』さんあたりでちょいと女の子と酒販を楽しむというのはいいかもしれないだろう。
「たしかにいいかもしれんな。少し色っぽいお姉さんと差しつ差されつ。
そういえば、あそこでデートすると、結構、ゴールインする人間、多いそうだぞ」
なんと、そうだったのか。それは素晴らしい。
「二人とも、そういうことは彼女作ってから言うニャ」
貴様に言われたくないのだ。
「貴様に言われたくないぞ」
思わずハモってしまうではないか。
「ふん、僕は二人より1歳若いニャ。だから、来年は、きっと彼女がいるニャ」
いや、それ、ここ数年聞いてる台詞なのだが。
というような感じで、サンタにも見捨てられた場所の、男達の酒宴は続いたのだった。どっとわらい。(03,12,24)