呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


あいつが噂のヒートガイ 5

  さてさて、例によって例のごとく、やってきました『ヒート・ガイJ』のレビューの5回目である。もしかしなくても、私はこの作品を愛してしまったのかもしれない。などと言うと何だか怖くなってしまうのだが。いや、真面目に『ビッグオー』の方を単独レビューにしたい所なのだが。そうもいかないようなのだ。やり始めた以上は最後までの精神で頑張ろうと思う。(あと8回もあるのか。げげ)
 ちなみに前回はこちらである。
 では、行ってみよう。

 第9話 絆 TRUST
 例によって例の浅川氏脚本。はっきり言って浅川氏脚本の中でも、今までで一番面白い。30分で見事にドラマしているのである。浅川氏の脚本はみんな素晴らしいのだが、今回は特に私にとっては良い出来である。しかし、動物と子供にやられるのは視聴者の常とはいえ、ここまではめられるとちょっと忸怩たるものがあるのだが。面白いものは面白い。なんと言ってもモニカが主役だ。いやいや。
 都市国家で暮らすための証明書。市民と流民を隔てるもの。ジュド国民ID証。俗称『パスポート』。これを入手できる非合法手段があるという。それを調べるダイスケとJ。その頃、あの、写真屋の少女。モニカの母クリスチーナは新たな出会いを手に入れてしまった。それが罠だとも知らずに。
 いやしかし。このクリスチーナ母さん。ここまで極道な母親でいいのだろうか。二日酔いは病気じゃないぞ。微熱と頭痛は病気じゃない。セデスでも飲んで働け! なのだが。けなげに看病するモニカが可愛い。
 三人娘にも言われるが『男を見る目が全くない姐さん』の新たな恋人はやっぱりクズだった。ここまで不幸で良いのだろうか。この姐さん。
 で、ダイスケが情報を入手するために潜入し、クリスチーナ母さんと悪漢(笑)グレンの逢い引きの場が、この世界では非合法商品の喫煙倶楽部というあたりが、非常にうまいと思う。このあたり、一寸したタームが非常に効果的に挿入される良い例だそう思うのだ。
 新しい恋人と愛する娘と三人で暮らすことを夢見るクリスチーナ母さん。しかし、モニカはその提案を拒絶する。その姿にうたれたダイスケは住民データの改変を知る。
 結局母親を追うモニカ。走るパセリ。(ロバ)モニカを追うダイスケ。モニカに手をさしのべるクリスチーナ母さん。本性を現すグレン。こっから大捕物である。
 テンポ良く進む物語はまったくひっかかりなく進んでいく。
 今回のJ語録。『男は女の愛を利用してはいけない』『男は感謝の言葉を求めるものではない』しかし、誰がプログラムしたんだ。この語録。
 あと、ラストシーンのモニカの可愛さはなかなかである。

 第10話 弾 GUNS
 脚本は新人さん。言い方が変かもしれないが浅川氏、大野木氏ときて、第三の男。高寺彰彦氏。主な脚本作品は1996年。『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』。まさか漫画家。1984年にヤンマガでコミック書いた同姓同名の方と同一人物なのであろうか。『サルタン防衛隊』は原作が高千穂遥氏なので、たしか本の山崩せば出てくると思うのだが。
 物語自体は可も不可もなし。ただ、どうしてもダメなのがイージス艦を戦艦と呼ぶ某A新聞並みの節操のなさ。せめて軍艦と呼んで欲しいのである。作品自体登場人物と血縁のあるユルゲンス元大尉とその部下たち。マシーンなのに融通を利かせろと言われて困っちゃうJなど、面白い所満載なのだが。『戦艦』。はあ。こんなところを気にする人間はそんなにいないのであろうか。でもなあ。
 ま。それは置いておいて、物語自体は面白い。面白いんだが、127ミリ砲だけで何ができるかという問題点は存在する。どうも、この高寺氏。スピーディな脚本を特異とされるのだが、軍事知識は乏しいような。ま、確かに防弾ではない一般建築物に大砲ぶち込めば大被害かも知れないが、徹甲弾ならば突き抜けるだけではないのだろうか。それに50年前の雨ざらしの砲身に精密射撃ができるとは限らないが。可能なのか? このあたり、私の方が知識不足かも知れない。もしも知識をお持ちの方がいらっしゃったらご教授願いたい。
 というわけで。おそらく次回へ続くのだ。

(03,9,4)


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