呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


あいつが噂のヒートガイ 3

 さて、前回に続いての作品レビューである。といっても既に4巻が発売されているので、大急ぎで追いかけなければならないのだが。

 第五話 童 DOLL
 脚本は、前回と同じ浅川美也氏。
 いや、このね、爺さんがまた良いのだ。DOLLを作っておいて、それを虐待の対象としてしか見ていない。そこに愛はないのだ。自分が作った可愛い人形(マシーン)なのではない。自分が作った心おきなく虐待できる人形(マシーン)でしかない。そこがいい。
 そうやって誰にも愛されない人形(マシーン)をジェイへの刺客として投入する若きファントム。
 ファントムも、父親との間には彼が望んだ形での愛情はなかった。(父親が望んだ形でのそれはあったのだろうが)それ故に人形(マシーン)に複雑な感情を持ってしまうのだ。この辺が良い。流石、浅川氏。
 ダイスケたちの前に現れる人形(マシーン)。ジェイは目の前の少年がマシーンであることを理解し、確保しようとするが、その行為は、傍目には狂ったマシーンに襲われる少年のようにしか見えなかった。
 もう、とんとんとん。である。
 ジェイは封印され、人形(マシーン)はジェイの保管されているエチゴ電子工学研究所を襲う。この辺り、いまいちファントム側の動機が不明瞭(なんで、そんなにジェイを目の敵にするのか)なのだが、ここは手足を伸ばした人形(マシーン)と闘うダイスケの活躍、脇役としては充分な主人公を守っての活躍である。
 最終的にはジェイが起動すれば全て片が付くことを視聴者は理解しているから、安心してみていられるのだ。言ってみれば『江戸を斬る』のお約束紫ずきんのピンチみたいなものである。
 で、ジェイ起動。あっさり悪は滅びるのであった。お約束である。
 しかし、安心して見ていられるお約束。
 うーむ『リオ・ブラボー』のジョン・ウェインがジェイならば、ダイスケはリッキー・ネルソンなんだろうなと思うのだ。
 そして、過去を封印した若きファントムは・・・。
 いや、面白かった。

 第六話 欲 MONEY
 いやね。あのお・・・トマトの先物取引なのである。
 脚本は大野木氏。いや・・・。別に良いのだが。そのトマトの先物取引。これでもうダメである。個人的にダメダメなのだ。
 トマト。確かに小豆の相場で一生棒に振った人間がいるのだから、トマトの先物で一生棒に振っても良いのかも知れないが。
 どうも、なあ。なのである。ただ、その根本的なネタを除けば楽しめる。
 突然市民達に流行する先物取引。突然発生する無許可で売買された爆発物情報によるパニック。乱高下する相場。限日(決算日)はすぐそこだった。
 いいんだけど。いいんだけど。いいんだけどである。誰が先物取引について知識があるというのだ? それをダイスケに解説させるのだが、どうも『なぜなにナデシコ』みたいで少々萎える。結局の所、元ネタが難しすぎるのである。それを解説してもイマイチカタルシスに繋がらない。そう思うのだが。
 あと、少しばかり、ダイスケが格好良い。というかラストの段階で、事情がわかっているのが彼しかいないので、ああするしかなかった事はわかるのだが。でも、もう少しやりようがあったのではないかと。
 それから、ラスト、クレア坊ちゃん(なぜか大野木氏のこのキャラは若きファントムと呼ぶには抵抗が有り余ってしまうのだ)が情けない。先物取引に失敗したら今度は金とばかりに動き出すが、それを同業他社に注意されてチョンである。情けねえ。真面目に情けねえのだ。

 ううむ・・・。果たして次回はどうなるのか。謎である。(03,4,24)


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