呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


米国のイラク攻撃について 2

 さて、前回は1月20日時点での話だった。
 以後情勢は緊張し、もう一触即発状態にある米国のイラク攻撃について再び考えてみたい。

 前回も言ったが今回はアメリカとともに行動するしかないと思う。

 私は人間の性は『善』であろうと信じる。しかし残念ながら、その意識の集合体にして、国民に利益をもたらす組織である国家は『善』であるとは信じることが出来ない。
 そうであったならば、英国の忠実な弟子であった日本が、その英国の外交手段を完全にコピーしながら、その英国に切り捨てられた歴史的事実が説明できないのだ。
 アジアや中東、アフリカで、日沈むことのない大英帝国の政治手法。『帝国主義』をその教え子、日本は中国大陸に対して忠実にまねして見せた。結果は、英とそして米をはじめとする列強の中国からの締め出しとなり、非常に不幸な歴史へとなだれ込んでいくことになる。
 英はこう言いたかったのだろう。『自分のやるようにするな。言うようにしろ』と。
 そんな、海千山千の国々を相手に、日本は外交戦略を立てていかねばならないのだ。日本が極東の島国で安穏としていた間、丁々発止とやりあっていたヨーロッパ。国としての歴史は若いが、力だけはある(そして、智恵も英譲りである)米。もしも、外交というものが日々の生活の延長であるならば、生まれた惚れた腫れた死んだの日々の生活を、どこよりも長く繰り返している国。中国。
 こういった国々とやり合えるのか。現在の日本という国はその力があるのだろうか。疑問である。

 ともかく、この日本で平和を訴える方々に問いたい。果たして私も含めてあなた方は、そして、日本という国は平和のために何をしてきたのだろうか。
 あの、凄まじい悲劇であった太平洋戦争の敗戦。そのあとに築かれた『平和憲法』。その後、我々は何をしたのだろうか。
 状況を喩えることは、時に問題の卑小化、変質を招くおそれがあるが、あえて喩えよう。
 あるところに世界村という村があり、争いが絶えない。つい先だっても村を巻き込む大きな争いがあった。しかし、警察も何もないので、それぞれの家では独自に武器を持って自分の家を守っている。
 そんな中、前の村を巻き込んだ大きな争いの片一方の当事者が、「みんなを信じよう。武器を棄てよう」と言い出した。
 その、言い出した人間は、どうすればいいだろうか。

 もしも、理念を広げるならば。
 言い出しっぺが先頭になってその理念を広げていくしかない。人々が武器を持たなくてもいいように、環境を整えていくしかない。武器を持ったならず者がいたならば、大怪我をするかも知れないが、先頭になって血を流し、そうやって『平和憲法』の理念を広げるしかない。

 もしも、一国だけでその理念を守るならば。
 一切の武器を棄て、たとえ泥棒に入られても、家族が殺されてもにっこり笑って無抵抗を貫くしかない。そうすれば、心のある村人達は、何かを感じてくれるはずだ。

 しかし、日本はその村で何をしてきただろうか。何もしていない。

 一番大きな家の住人に守ってもらい、『平和憲法』を広げる努力もせず、気がつけば世界有数の正面装備(3回撃ったら弾がなくなるような、補給はアメリカ任せのような軍事力は軍事力とは呼べまい)を持っている。なのに、いざとなったら『平和憲法』を盾に何もしない。

 そんな国を世界の人々はどう見るだろうか。そんな国が何か言ってもだれがついてきてくれるだろうか。

 平和を唱える人々は、日本に独自外交を求めている。そんなことが出来るか。出来るわけがない。
 独自外交を行えるだけの努力を日本の常識ではなく、世界の常識で日本はしてきたであろうか。否である。
 日本独自の外交戦略。そんなものがあるか。あるわけがない。
 アメリカ追従。これが哀しいが日本の現状なのだ。
 そして、現在の日本の歩んできたこの道から得られる先は、米国から離れることは出来ない。米国とともに歩んでいく一本道である。
 願わくば、アメリカの行動が彼の国が言うとおり、世界の平和を守る行動であることを信じてついて行くしかないのだ。
 それ以外の道はない。

 しかし、現状はこうであっても。未来は変えられる。いや、変えなくてはならない。
 今後の日本の外交をどうするのか。それを決めるのは国民の権利であり、義務なのである。
 そして、石油のほとんどをアラブに依存し、外交常識の通用しない国家がすぐ側に存在する日本に与えられた時間は、そんなにないはずなのだ。
 何が出来るのか。何をしなければならないのか。よくよく考えていく必要がある。

 私個人の考えでは、国家は国民を守るために存在すると思う。故に、国民を守る方策を選んで欲しいと思うのだが。

 しかし、今は、今回は、今までの考えなしの行動のツケを払わなければならないのではないだろうか。(03,3,8)


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