呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。
我々は何を食べてきたか
人間の食生活というモノはその生涯を左右するのだ。
何を食べてきたかによって、その人間の本質が解るとも言う。
故に人間は旨いモノを喰わねばならない。
だから、たまには『木曽路』さんで美味しいモノを食べても罰は当たらないのである。
「なんともまあ、たかだか『木曽路』さんで酒を飲むのに大層な自己弁護だニャ」
そうは言うがな、武田。まだまだ、ここで落ち着いて飲み食いができかねるのだ。なんというかハレの酒飯という感じが抜けないのだ。
「まあな、確かにそうだよな。『ライオン』なんてなんか気楽にいけるようになってしまったもんな」
大学時代には、年に2回でもいければいいなあ状態だったのだ。
「それが、今ではちょっとお茶代わりに飲んでるニャ」
まあ、給料取りになったと言うことだろうなあ。
「マスター。治部煮の後はコーチン串焼きをお願いするニャ」
ええい、肉ばかりでなく魚も食え! 貴様、ポテ太君よりも日本人らしくないぞ。ここには牡蠣とかめじ鮪とか、河豚の叩きとか、鰻とか美味しそうなモノがいっぱいアルではないか。
「そんなこと言ったって、魚嫌いだモノニャ」
「まあ、こればっかりは幼児期の食生活に起因するモノだからなあ」
黙れ、豚まんでご飯食べてた男。
「ああ、言ったな。貴様。言ったな。貴様のウチだって餃子でご飯2膳も3膳も食っていたじゃないか。それは良くて豚まんは駄目なのか。それに、一度や二度の過ちであって、それをごちゃごちゃ言うのは男らしくないぞ」
「うどんでご飯食べるのはデフォルトニャ」
「いや、北海道では、それはデフォルトではないぞ。関西ではそうかも知れないが」
「嘘ニャ、うどんも蕎麦も、ラーメンも、最後はスープにご飯入れて食べるニャ」
それは猫まんまと言って忌み嫌われるぞ。
「莫迦を言うな。ご飯に汁をかけることは確かに忌み嫌われるが、丼にご飯を入れることは雑炊として認められる当然の権利なんだ、これは下関条約で認められた当然の権利だぞ」
酔ってるよ。朱雀、完全に酔ってるのだ。
「朱雀、お酒に気をつけるニャ」
「へい、親方」
「朱雀ぅ、お酒に気をつけるニャァ」
「へーい、親方」
「朱雀ぅー、お酒に気をつけるニャァー」
「へーーい、親方」
「朱雀ぅーー、お酒に気をつけるニャァーー」
「へーーーい、親方」
「朱雀ぅーーー、お酒に気をつけるニャァーーー」
「へーーーーい、親方」
「朱雀ぅーーーー、お酒に気をつけるニャァーーーー」
「へーーーーーい、親方」
「Zzzzzz」
ええい、スネークマンショーを今更やるんじゃない。誰が解るのだ。
「うーむ、ネタが古すぎたか。しかも、武田は本当に酔ってるし」
まあ、寝かせておけ。
食い物談義を続けると、時期的なものとしてのお雑煮だが、朱雀、貴様、北海道の雑煮と言われる鮭の焼いたのとイクラの雑煮なんぞ喰ったことがあるか。
「いや、ウチの雑煮は東北系らしいからな。けんちん汁のような大根、にんじん、ゴボウに椎茸、蒟蒻鶏肉、なるとにミツバ。と言った具だくさんの汁の中に餅を入れたモノだ」
ああ、ウチもだいたい似たようなモノだ。
「そういえば、朱雀君」
名古屋出身の『木曽路』のマスターが言われる。
「北海道には牛乳を入れた雑煮があるんだって?」
「たぶん、ないと思いますが・・・」
道東の方にあるかも知れないが、少なくとも北海道を代表する雑煮ではない。
たぶん、作られた伝説という奴ではないだろうか。
「ま、納豆にチーズは入れますけどね」
「え゛?」
わあああ、それはお前の家だけではないのか。朱雀? 少なくとも納豆にバターを入れることはあってもチーズを入れることはないと昔から言っておろうが。
読者諸兄諸姉。私の家の納豆も変であろうか?(02,12,12)