呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


“Hello, world.”

 さて、あの『鬼哭街』ですらレビューは一回であったのに、この作品ははや3回目。本当に終わるのか? というかこんなに突っ込める作品は初めてである。どうしようもなければ突っ込みもしない。惜しい。実に惜しい。その惜しいところをなんとかすれすさまじい名作になった感があるのだが・・・。
 というか、なんというかプロデュースがどうなっているのか? 小一時間ほど問いつめたいところなのだが。
 ま、ともかく全部のエンドをクリアしたのでそのあたりのレビューから。完全ネタバレなのでこれからやろうとか興味のある方はここすっ飛ばした方が良いかも知れない。また、意識朦朧でクリアしているエンドもあるので、思い違い等もあるかも知れないのでご寛恕下されれば幸いである。なお、順番はクリア順。

 1 ヒロイン ノーマルエンド
 ヒロインの命は地球よりも重い。この信念で突っ込む主人公。人間を電脳化する時に遺伝子を修正しなければならないと言うのも変な話なのだが、そのあたりは突っ込んでも仕方がないので置いておく。主人公そっくりの素体の意味も今一よく分からないが置いておく。ともかく、ヒロインのために一直線。これがこのエンドの醍醐味である。
 いやあ、エージェントのお姉さん格好良すぎ。どうして、このお姉さんとのエンドがないのか。私は理解に苦しむ。
 ともかく、地上は他のヒロイン共々壊滅。宇宙に出て、ステーション経由で火星に向かうという。ヒロインの情報を電脳化してしまうも良し。主人公を素体に移して人間にするも良しといった感じ。実はノーマルエンドで唯一、主人公、女の子両方とも生き残り、未来に希望の持てるエンディングだったりする。というか他は・・・。
 ちなみに私、このエンドに到達するのに、一回も18禁のシーンを見ずに来てしまったという・・・。はあ。だったらこれ全年齢で売っても問題なしではないのだろうか。いや、その気か? ニトロプラス。

 2 ヒロイン トゥルーエンド
 はっきり言う。トゥルーエンドは全部殆ど同じ。メカフェチ妹も女先生も脱力駄洒落少女もショートヘア嬢もみんな一部違うだけで同じなのだ。
 だったら一個でいいので、その分エージェントのお姉さんエンドとか五月蝿いだけが取り柄のレポーターさんエンドとかが欲しかったような。
 「みんなを救いたい」そう願う主人公は、コンピュータの反乱の親玉を滅ぼしたはいいが、その結果崩壊しつつあるネットワークを修復するため、自分の無機頭脳を限界まで使用。ネットワークの安定とともに、消滅する。
 世界は安定を取り戻す。
 そして6年後・・・。ヒロインは主人公に言われた「君には出来る」という言葉を支えに天才少女の名を恣にしていた。(これには色々なところで「頭の回転」等々の伏線はあるのだが、少しばかり唐突の感はある)

 しかし、このゲーム、未読をスキップさせても凄い時間がかかるのでそろそろ攻略が・・・。と思っていたら出たのだver1.12。修正パッチ。このスキップ時描画しないモードは素晴らしい。真面目に素晴らしいのだ。未読スキップがあっという間。これが最初からついていれば随分と評価は違っただろうに。そう思うのだが。根性入れて他のキャラ攻略開始。

 3メカフェチ妹 ノーマルエンド
 弁解はしない。ちょっと見で一番つぼにはまったのは彼女である。よって二番目。
 何で、父親は、彼女がロボットの研究をするのに消極的なのか。それをずっと追っていくと、とんでもない政府すら関わる計画にぶつかるのであった。という話。
 で、最後の中ボス。主人公の妹を倒し、ラスボスの親玉を倒した後、最後の最後に主人公は警官隊に破壊され、地上は大地震で壊滅。生き残ったメカフェチ妹は僅かに残った地上世界でジャンク修理を行いながら、主人公の修理を行おうとするところでエンド。主人公が死んでしまうエンドである。ただ、メカフェチ妹らしい行動ではあるなと納得できるすがすがしいエンドではある。
 ここでのエージェントのお姉さんは、狙撃やってくれたり、内蔵に銃弾食らっても果敢に主人公の殿を努めてお亡くなりになる。うーむ。格好いいのである。「こんなことなら子供産んどきゃ良かった」とはなかなか意味深。

 4 メカフェチ妹 トゥルーエンド
 6年後、彼女は主人公のようなロボットを作るべく努力しているのであった。それだけの違い。

 5 女先生 ノーマルエンド
 ストレスに耐えかねた気の迷いから女先生の後輩(女)と深い仲になってしまっていた女先生。このサイバーテロリストの後輩と絡んでの物語は進む。大筋はメカフェチ妹と同じ。でも、このルートはよくある女教師もののように結構濃い。これ、全年齢にしたらどうするのだろうか? 単純に友情そのたで済むのか? そう思うくらい濃かったりする。
 こちらのラストはやはり警官隊に撃たれる主人公。かばうために飛び出す女先生。女先生とメカフェチ妹を貫く弾丸。主人公は再び親玉を倒したコンピュータルームに戻り、二人を電脳化。復活できる日を夢見て終わりのないデーター上の日々の繰り返しを過ごすのであった・・・。
 なんだか一番救いがない。真面目に救いがない。というか『鬼哭街』と被っていないだろうか? これ。
 ここでのエージェントのお姉さんは囮になって敵のヘリに立ち向かい敢えなくお亡くなりになる。少しあっさり風味か? でも、格好いいのだ。

 6 女先生 トゥルーエンド
 6年後、彼女はネット上に残った主人公の残滓。無機頭脳の普及と啓蒙に邁進している。
 しかし、メカフェチ妹のエンドにも出てきた、姉妹にそっくりの顔した三人目のおちびさんはいったいなんだったのだろうか? 妹? それとも・・・。まさかねえ。

 7 脱力駄洒落少女 ノーマルエンド
 いやあ、彼女はなんとなく食わず嫌いしていたのだが、美味しい。実に美味しい。嫉妬深くてそれでいて今ひとつ自信がなくて。ちょっと抜けてて、ぶっ飛んでいて。いやあ、通常ヒロインの中ではピカイチである。はっきり言って彼女はもっとヒロイン&ショートヘア嬢に絡めるべきだったのではないだろうか。随分と面白くなったはずだが・・・。
 それはさておき、脱力駄洒落少女の母親によって彼女の大財閥の実家が諸悪の根元にされてしまう。暴徒に襲われる脱力駄洒落少女。助けに行く主人公。今回、エージェントのお姉さんは運転手程度。しかし、執事さんが凄いいい味を出しているのだ。いやあ、マジに。うーむ。負の北川、正の帯刀・・・(って、比べるものか?)渋すぎる。いやあ私、あの紙包み。ウェディングドレスかななんて思ったのだが、彼女の大事にしていた絵と画材道具だったとは・・・。涙腺がゆるんでしまったではないか。漢だなあ。帯刀さん。
 脱力駄洒落少女の母親の妨害をはねのけ、壊滅後の大地にささやかな幸せを見いだす二人。
 いや、私、ここで終わると思ったのだ。これだけ不幸しょってる主人公なので一つくらいはこういう絶望寸前で持ちこたえる幸せというのもあってもいいかと・・・。
 しかし、流石ニトロプラス。そんなささやかな私の願いも吹っ飛ばす。襲い来る主人公の妹プラス大兵力のロボット軍団。一人立ち向かう主人公。唯一の勝機はリーダー格の妹を倒すのみ・・・。しかし・・・。行く先は絶望か。
 燃えるのだ。これは一番燃えるのだ。一番ニトロらしいエンディングである。

 8 脱力駄洒落少女 トゥルーエンド
 6年後、彼女はその財力を使って復興に尽力していたのだった。
 そういう話なのだ。

 9 ショートヘア嬢 ノーマルエンド
 どうもこうもなく、虫が好かない。挙げ句の果ての第二部の暴走。見殺しにしようかと思った彼女のノーマルエンドであるが、実は主人公にとっては修羅の道。必死に守って、ロボットであることがばれて拒絶されて、クラスメイト守って、警官隊に撃たれて・・・。悲惨の一言である。やっぱり、許し難いなショートヘア嬢は。
 そこへ現れる五月蝿いだけが取り柄のレポーターさん。いや、ここではそんなこと言ってはいけないな。実に格好いいのである。流石は職業婦人。(形容詞あっているかな)
 でもって、手遅れトゥルーエンドといった展開となる。
 しかし、一般人がたかだか高校生の(水泳で有名とは言え)言うことでどうこうなるいだろうか? という疑問は残る。結局ヒロインだけ(レポーターさんも助けろよ)生き残り。救出され、そして子供達に過去を教えている。よくあるラストである。

 10 ショートヘア嬢 トゥルーエンド
 6年後、彼女は日本代表の栄誉を勝ち取りこのまま水泳を続けるか芸能界に転身するか・・・。

 はっきり言って。このトゥルーエンド。最初にも言ったが一つで良かったのではないか。
 というか全員生き残って主人公も生き残るエンドも(難しくていいから。18禁なのにすべての女の子とそのてのシナリオを回避するとかで)あって良かったのではないのであろうか。
 エージェントのお姉さん。純子さんのエンドは是非とも欲しい。いや、外伝でも良い。サイバーテロエージェントの純子さんとその助手の主人公。果たして二人が巻き込まれるその事件とは? レポーターの佐知子さんや純子さんの元カレ(絶対いたよな。メカフェチ妹の演出では)などがからまる人間ドラマ。いいかもしれないのだ。

 最後に・・・。いろんな意味で惜しい作品であった。色々なところで詰めが甘い。やっぱり切るべき所は切らなければいい作品は作れないのではないだろうか。なんだか自省しつつこの作品のレビューを終わりたいと思う。(でもま、まず書かないとな)
 しかし、満腹したなもう。(02,10,8)


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妹!