呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。
酒飲みの話
最近、私や、友人S、友人Tがちょっと飲み屋であった話を集めてみた。よければ酔っぱらいの戯言におつき合い願いたい。
まず、私から。
最近元部下と飲むことが多い。このサイトを開く前に部下だった連中だが、そんな前のチーフを忘れずに飲みに誘ってくれるのは、たとえ給料日前にがぜん増えるような状況であっても嬉しいモノである。
がだ・・・。最近どうも気になることがある。
「じゃあ、乾杯」
そう言って飲もうとすると気がつくのだ。
みんな必ずテーブルの上に財布と携帯電話を置いているではないか。
昔は確か煙草とライターだったはずだが・・・。昔、99年の夏にこのサイトを始めたばかりの頃は、BARや飲み屋で携帯が鳴るのは珍しいことだったはずだが、今では飲み会の度に携帯がぴらぴらぴらぴららららら。などと鳴るのは当たり前の真ん中になりつつある。
「あのな、その携帯、どうして飲んでいる最中にも鳴るようにしているわけ?」
酔ったふりして(私も気が弱い)聞いてみた。
「へ・・・」
場にいた数名がまるで、目の前の私がガラパゴス陸イグアナに化けたような、まるで、こいつ人間か? といった視線で私の方を向くではないか。
「だって、こうしておかないと、いつ、誰からメールや電話が来るかわからないじゃないですか」
若い連中が全員大きく頷く。
「そんなの着信にしておけば後でわからないか?」
「そんな古くなった情報に何の価値があるんですか?」
「ああ、そうか。上杉さん。携帯持ってないんですものね」
「じゃあ、このすぐそばに携帯電話がある安心感、わからないんだ」
「そうそう、この携帯の先に友人がいて、その友人と繋がっている安心感は、着信になんてしてしまうと失われてしまうんですよ」
どうやら、私は完璧に時代遅れになりつつあるのかもしれない・・・。しかし、飲んでる最中に来た携帯のメールに返事打つという行為は少し無礼ではないのかね? 最近の若者のルールは違うのだろうか・・・。
「まあね、人生いろいろあるんだぜ」
おお、友人S。
「ま、やっぱり酒はのんびり飲みたいとは思わないか?
美味な肴と美味な酒。これだけであとはマスターと気の置けない会話でもしていればもう、充分だろう」
たしかにな。
「がだ、これに政治が入ってくるととたんになんだか生臭くなってくるわけだ」
ふむふむ。
「まあ、某飲み屋で飲んでいたときの話だが、例のテロについてだな、マスターの奥さんがやけに振ってくるんだ。『先生はどう思います』と」
ほう・・・。やっぱり学校の先生に肯定して欲しかったのだな
「で、自説を蕩々と披露されるのだが、これが典型的な、『アメリカのイスラム対策が悪いからあの事件が起こった。これで五分五分だからアメリカは手を出すな』理論なんだぜ」
苦痛だな・・・。
「うむ、せっかくのいい酒も味気なくなってしまったのだよ。しばらくはあの飲み屋には行かないでおこうとおもうんだ。しかし、イギリス人は賢いよな」
ああ、彼らは、絶対に会食の場所では宗教と政治の話はしないのだ。
「もしくは全く同じ政治信条を持つ者でクラブを作ってそこでそこで仲良く政治の話をするわけだ」
その弟子のアメリカ人は食事時の話題として、野球やフットボールを開発したのだな・・・。
「酒の席って難しいよな」
まったくだ・・・。
「あほニャ!」
おお、友人T。
「酒は一人で飲むものニャ!」
うーむ、それが真理かもしれないのだな・・・。
「飲み屋の常連になるのはいいが、店のヒトとあまり親しくなるのは考え物ニャ」
「確かに・・・そうかもしれないなあ・・・」
「行きつけの変哲もない居酒屋のカウンター。大生のジョッキを頼んで、適当につまみ見繕って、一人ゲームの攻略本肴に酒を飲むニャ! これなら貴様らの悩みは存在しないニャ!」
それはそれで問題あると思うぞ・・・T。(01,10,20)