呆冗記　人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。

　例の『金剛』型巡洋戦艦がジュトランド海戦でぼかすか沈んでしまう話であるが、かの、偉大なる漫画、『ワダチ』にもあるとおり、人間、脳細胞の数は同じ、自分が今日考えたことは誰かが明日思いつく（だったかな）のである。
　それが『真・大東亜戦争　World War1<1915>　帝国陸海軍欧州ニ征ク』（ワニノベルズ　林信吾　清谷信一共著）だったりする。今年の２月に１巻が出たのを今頃みっけたのだが、ま、確かに著者は随分と変わり種である。林氏といえば立ち読みしたことがあるが、新潮社から『英国議会政治に学べ』を書いた人ではないだろうか。清谷氏はＫＫベストセラーズで『不思議の国の自衛隊』を出した人のはずだ。失礼ながら、お金出して購入したことがないので、詳しくは知らなかったりする。
　「ま、『大東亜戦争』という名前を出した瞬間に胡散臭くはあるよな」
　おお、友人Ｓ。「新聞は戦争を美化せよ」は読み終わったのか？
　「お陰様でな。だいたい、東条英機が主人公だというじゃないか」
　正確には主要登場人物の一人なんだが・・・。
　「なんか、危ないよな。最近。どうも、『プライド』（東条英機主人公の東京裁判弾劾映画）といい、『日本の近代』の記述と言い・・・。どうも逆コース走ってる気がしないか？」
　うーん、そうだろうか？
　「そうだと思うぞ私は・・・。実際、８０％の支持率を持つ内閣が暴走したら、とんでも無いことになるやもしれない。真面目に将来のこと考えた方がいいと違うか？」
　確かに・・・。とんでも無い法案はいくつかあるが・・・。ま、それは人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。だからな。
　「そういう態度が良くないと思うんだがなあ・・・」
　いつか、実名で大喧嘩する日が近いのかもしれないが・・・。匿名サイトだからな。ここ・・・。
　「だから、そういう考えが確実に逆コースを加速しているんであってな・・・」
　あ、空飛ぶ阿部謹也！
　「え、どこどこ」
　ガスッ！　
　必殺！　平凡社世界宗教大事典の角！
　「うそだろ・・・おれが・・・負けたのか・・・？」
　ガク・・・。

　このやろ・・・とんでも無い奴の負けゼリフ、剽窃しやがったな。
　ま、ともかく、静かになったところで話を続ける。
　話としては良くある歴史の一部改変型である。要するに日本がＷＷ１により深くはまってしまったらどうなったか？　という簡単明瞭な架空が根底にあるのだ。その結果、日本陸軍は近代戦の洗礼を２５年近く早くに受け、火力とアメリカの物量をまじまじと目にすることになる。アメリカ恐るべし。このことと、火力一番！　この考えが極端から極端に走る日本人の特質によって史実と異なる歴史を歩み出させるのだ。
　また、海軍も金剛をドッカーバンクで、しかも潜水艦の攻撃により失うことにより、潜水艦に対する船団護衛の重要性に気づくと共に、戦艦偏愛主義から覚醒することになっている。しかし、陸軍のように極端に走るなら、通称破壊より戦闘艦攻撃用の潜水艦の大量生産に走りそうなのだが、その辺はしっかりセーブして、航空機に走るのは少し納得がいかなかったりする。
　やっぱりよくあるご都合主義なのだろうか。
　しかし、ま、架空の人物である外務省官僚、西条英俊はこの改変された世界で日本をどこへ導くのか。
　ま、そこそこ読めるのではないだろうか。（何か凄く偉そうだ）

　「う・・・。ここは」
　おう、友人Ｓ。俺の部屋だ。何か疲れているんじゃないのか。途中で寝ちゃったぞ。
　「ほー。するとそこに転がっている平凡社宗教事典は何なのかな」
　ぎく・・・。
　「外法って奴を見せてやるぜ　鬼道閃！！」
　だから、それはやめろ！（01,5,8）