呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。

続おさまりどころ

 さて、信じられない話だが、恐ろしいことにこれほどの困難がありながら仕事の方は確実に進んでいたりするのである。
 いやあ、信じられない。
 しかし、孤立無援。基礎情報の変更も知らされないのはどういう事だ? 部内から文句が出るのはどうしたことだ?
 「お前、よっぽど嫌われてないか?」
 おお、友人S。なんだかんだで1週間ぶりではないか・・・。顔色悪いぞ。目の下にクマつくってからに。
 「人のこと言えると思ってるのか? 貴様の方が遙かに目の周りがパンダだぞ」
 ふふふ。
 「ふふふ」
 やめよう。ところで、時間割の方はどうなっているのだ?
 「ははは。バッチリだ」
 のようには見えないがな。
 「学級教科担当がころころ変わったり、講師のこれない曜日が突然変わったり、講師の他職場での時間数が突然増えたり・・・」
 お前もよっぽど嫌われてないのか?
 「そんなはずはない! 少なくとも『装甲騎兵ボトムズ コンプリートコレクション3』をオークションで購入するような男に言われたくはないな」
 ななななななな、なんで・・・。
 「Tの奴が教えてくれたぞ」
 ああ・・・。ついつい自慢してしまったあ・・・。
 「あいつの口は、そういう他人の本質的な問題以外のことについては、羽より軽い。このことを忘れていたお前が悪い」
 その通りだ・・・。
 「お前、えらいこと言ってたよな」
 ああ? びくびく。
 「カタカナ4文字がどうしたってぇ・・・」
 だって、コンプリートコレクションの3だぞ。めったに入手できない珍品中の珍品。在庫も札幌の流通にも流れていない代物だし・・・。G堂に予約入れて定価購入しかかった代物だぞ。それが22,000円だ。安い買い物だとは思わんか?
 「それは確かにそうだが・・・」
 しかも、初めてオークションで見たときは7,500円だったんだ。
 「随分と安いな・・・」
 うむ、それで期間が1週間あったので、放っておいたら、10人近くが入札して1万円近く値を上げていた。
 「それでも、半額以下か?」
 で、入札終了1時間前まで待って、18,000円で入れたんだが・・・。10人目の奴が、なんと自動入札にしてな、21,500までつきあってしまった。いいかげん、2万円超えた時点で諦めようと思ったんだが・・・。
 「それは極めて頭脳的な入札価格設定だな・・・」
 どうしてだ?
 「大抵、人間は大きな固まりで数を認識するだろう。だから、まず2万円。そう直前の入札者は思ったんだろう。商品にそれだけの価値を認め、そこまでなら払うつもりがあった」
 ふむふむ。
 「でも、ちょっきりでは万が一、もう少し出す人間に敗れ去ってしまう。そこで、もう3回分だけ上乗せしておいた。同じく2万円の価値を認めている人間なら、1回や2回は上乗せしても、3回上乗せする奴はそういないだろう。逆に、それ以上上乗せする奴なら、その商品にそれ以上の価値を認めているわけだ。まさか、定価で買おうと思っていた奴がいたなんて考えもしなかったんだろう」
 そうだろうか・・・。さすが、教師やってると心理学にも造詣が深くなるんだなあ・・・。
 「いや、でたらめだ。今時、LDのボックスを2万円以上で買う奴を莫迦にしただけだ」
 ・・・。
 「ところで、コンプリートボックスの3だが、中に入ってるOVA、見てないのがあるんだ。商品が届いたらぜひとも見せてくれ」
 おまえ、言行が一致してないぞ。(01,4,3)


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