通りすがりの者ですが。
【10/11-12/2003】 Bartha Lake Trail, Swiftcurrent Pass Trail
【10/11-12/2003】 Bartha Lake Trail, Swiftcurrent Pass Trail
10/11: Bartha Lake Trail、小春日和
さて、 足繁く通ってきたWaterton-Glacierも、 さすがにそろそろちょっと飽きて来始めたこともあり、 今年(の夏休み...って秋ですが)は趣向を変え、 昔一度行ったことのある、 カナダのGlacier National Park へ行くことにした。 Waterton じゃないよ。 カナディアン・ロッキーに丁度並行するように British Columbia 州側に横たわるセルカーク(Selkirk)山脈を、 ちょうど Vancouver から東に東に走る Trans Canada Highway 2 が貫く場所、 そこにあるのだ。
そういうわけで、 本来は今回 Waterton-Glacier には全く寄らないハズだったが、 Vancouver からはるばるレンタカーをすっ飛ばしてやってきたセルカーク、 なんとどんより白い雲の中で何も見えやしないどころか雨(というよりハイキングルートは雪)が降っていて、 週間天気予報を片手に仕方なくカナディアン・ロッキー (Lake Louise、Banff 周辺) にまで足を延ばすも、 どうも天候が芳しくない。 週の後半は多少持ち直すらしいから、 それならばと、 辛うじて晴れていそうな Waterton まで走ってきた。 なもので、 今回の Waterton-Glacier は通りすがり。
しかし、 しんどい。 Vancouver から Trans Canada Hwy を抜けて Banff まで〆めて 850km、 更にそこから一気に南下して Waterton Townsite までプラス500km の道程。
が、そこには、燃ゆる秋に彩られた Waterton の別の顔があった。
〜秋たけなわ〜
Bartha Lake Loop Trail
西洋アネモネともいいます。園内では花が白い種類も存在します。
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Autumn Colored Bartha Lake #1
小さ〜い花です。 黄色い花のベルの高さは約1.5cm。
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Autumn Colored Bartha Lake #2
こちらも小さ〜い花。 しかしもっと水際に咲いてるかと思ってた。
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紅葉と黄葉と、針葉樹の緑、
そして氷河地形(圏谷-Cirque)の断崖に囲まれた元氷河湖である
Bartha Lakeの透き通るような碧。
この季節限定の表情。
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Bartha Lake へは、 Waterton Townsite 南端のトレイルヘッドから歩き始めて、 約1時間半ほど。 中盤以降はぎゅぎゅぎゅっと急登が続く。 今まで地味そうなルートだったので攻略していなかったトレイルの一つだが、 ちょうど朝イチで Lake Louise から走ってきたら、 昼過ぎ時になってたもので、 軽い気持ちで出掛けたら、 季節感のあるなかなか美しい色彩が、 箱庭のような湖を囲むように広がっていた。 レイクに到達したら、 ちょっと心許ない気もする湖一周トレイルをぐるり歩いてみる。 特に動物は見なかったが、 松の枝葉の間を飛ぶ見たことのない綺麗な色の小鳥を発見。 愛用のAUDUBON Field Guide によると、 Pine Grosbeak という名の鳥のようだ。 "Grosbeak"、 日本語では「イカル」という種類らしい。 聞いたことないなぁ...
この晩、 Waterton Townsite 内のユースホステルに宿泊。 余談だが、 この週末(+月曜)はカナダの Thanksgiving Holidays だそうだ。 アメリカに住んでいた者としては、Thanksgiving Day といえば11月後半なので、 なんとなくハロウィンより前といわれてもちょっとピンと来ないのだが、 Thanksgiving とはつまり収穫感謝祭のことなので、 アメリカより北に位置するカナダでは作物の収穫も早いということで、 時期が早いんだそうな。
10/12: Swiftcurrent Pass Trail、 吹雪(!!)
さて、 せっかくの秋日和なので、 やはりちょっとGlacier側にも顔を出してみたい、 と思い、 国境を南下し Many Glacier へ。 道中のアスペンも美しく色付いており、 期待が出来そう、 ...と思ったのはちょっと読みが甘かったようだ。 Many Glacier へ至るゲートウェイはまさに黄葉の回廊のようだったが、 その先の Garden Wall - つまりロッキー大分水嶺だが - に近づくにつれ、 どんよりと立ち籠める暗雲。
それでも選んでみたトレイルはお馴染み Swiftcurrent Pass Trail。 いまにも雨が降り出しそうな中、 それでも何かしら面白いもの、 面白い景色との出会いを求めて歩き出す。 Bullhead Lake の奥、 Garden Wall 伝いに急登が始まろうとする頃、 暗雲が落とし始めたものはもはや雨ではなく、 雪、 しかもサラッサラの粉雪だった。 そう、 この地はもう既に冬なのだ。
Swiftcurrent Trail Ascends
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Swiftcurrent Valley Viewpoint
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んー、 写真だけで状況がわかるかなぁ。
断崖に沿って登るルートなので、 けっこう危険な状態です。
解像度が十分でなくわかりづらいけれど、 吹雪です。 ガンガン降ってます。
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こんなこともあろうかと、 今回は軽アイゼンを携行してきたが、 あまりに雪がサラサラ過ぎてアイゼンの爪が効いているとはとても思えない。 しかも勢いがものすごい。 急登ルートを登り始めてからは、 歩きながら後ろを振り向くと、 今歩いた足跡があっという間に消されていくという。 気付くと立派な吹雪になっていた。 ある程度まで登り、 見晴しの良い場所までいくと、 目の前に広がる Swiftcurrent valley の絶景が、 みるみるうちに白くホワイトアウトしていく。 もはやこれは冬山登山に近い状態になりつつあるという危険を感じたボクは、 慎重にも慎重を重ね、 一歩一歩足場を確認しながら引き返した。 こんな所で一人滑落なんかしたら、 それこそシャレにならん。
〜そしてセルカークへ〜
全く短い滞在だったが、 思いがけず秋色を堪能できた二日間。 このあとボクは当初の予定通りカナディアン・ロッキーとセルカーク山系を歩きに移動したが、 このWatertonからBanffに至る、Highwood Pass を抜けるKananaskis Route を中心に、 黄葉のアスペン彩る田舎の秋の風景が印象に残った旅であった。 British Columbia はセルカークの Glacier National Park では後半好天に恵まれたものの、 高山帯のトレイルはすっかり雪に覆われ、 さながら雪山登山の様相だった。
そして帰途 Vancouver への途上、 雨天だったが Salmon Arm そばの Roderick Haig-Brown B.C. Provincial Park にて、 兼ねてから見たいと思っていた サケの遡上も見ることができ、 満足。 大遡上("dominant run")は4年に一度、 それはサッカーワールドカップの年なので2002年、 次は2006年。 今年は2003年なので一年遅かったが、 それでも "sub-dominant run" の年にあたり、 十分にサケが遡ってきていた。 すごいよね、 こんな内陸まで。
そして大韓航空(Vancouver→Incheon(Seoul)→関空)では行きの機内でも頼んだ 機内食「ビビンバ」を。 すごいよ。「Fish or Bibimbup?」って訊かれるんだから。(^^) さすがコリアン、お陰様で機内でもすっかりキムチ臭いという...
最後に、 Glacier-Waterton の秋の風景をもう少し載せておくことにします。
Chief Mountain in Autumn Yellow
早朝の Chief Mtn.
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Mt. Blakiston over Aspens
黄色いアスペンのベッドに浮かぶ。
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Mt. Blakiston with Aspen
青と黄と白のコントラスト。
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アスペンがメインとなるこの地の里山の秋色は、 圧倒的に黄色。
そして、 山は既に冬化粧。
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