白銀のリターン・マッチ
【4/21-22/2000】 GTTS XC-Skiing, from Rising Sun to two miles beyond Siyeh Bend
【4/21-22/2000】 GTTS XC-Skiing, from Rising Sun to two miles beyond Siyeh Bend
この時期、 GTTSはまだ雪のため閉鎖されているが、 東側は St. Mary から Rising Sun までは開通しており、 Rising Sun に車を置いてそこから先、 GTTSをある程度歩いたりすることができる。
てなわけで、 XC-Skiを担ぎ、 昨年同じ時期に同じことをやっているボク。 Rising Sun から、 雪のGTTSを行けるところまで登る。 目標は雪の Logan Pass にそびえる白い Mt. Clements を見ること。 去年は Jackson Glacier Overlook までしか行けなかったため、 結局遠目になんとなく見えるだけで終わってしまったので、 今年はリベンジハイクなわけである。
焦るなエルク
St. Mary Lake に沿ってGTTSを歩く途中、 湖側の土手にエルクの群れを発見。 しかし彼らは、 ボクが彼らに気付くより先にボクの存在に気付いたらしく、 すでにヒョコヒョコ場を離れている最中であった。 どうも湖側の土手から山側へGTTSを横切ろうとした時にボクを見付けて、 あわてて急拠進路変更らしい。 別にそんな逃げんでも。 何もしませんて。 GlacierのエルクはYellowstoneやGrand Tetonのに比べるとシャイらしい、 という話を聞いたことがある。 なんでじゃろ。
写真を撮る間もなく視界から消えていった彼ら。 ボクは変わらずスキー板を担いでGTTSを歩く、 と10分くらいしたところで突然目の前の湖側の土手の茂みから、 さきほどのエルクの一団がお目見え。 おっとと。 彼らは先程ボクを遠目に発見して回り道したのが裏目に出て、 今ボクと突然ハチ合わせてしまったわけだ。
エルク達は突然ボクの姿を目の前に発見して、 ビックリしている様子。 ボクも茂みからの急な物音に心臓バックンバックン。 ああ、 エルクで良かった...
ホレ渡れ、 早く渡れ。
道に立ち止まって待っている自分の前で、 エルクがGTTSを順番に渡り始めたのだが、 これがまた(^^)。 けっこう焦っているらしく、 アスファルトで足滑らせてバタバタ横切っていく。 すっこけるヤツも出る始末。 別に何もせぇへんて。 焦るな焦るな。
ドドーン!。
昨年の到達地点 Jackson Glacier Overlook を何なく通過し、 (自己)最長不踏に挑む。 Siyeh Bend あたりで森林限界をある程度越えるため、 風景がバッと広がり始める。 しかし、 それはつまり、 斜面が剥き出しになることを意味する。 そしてそれは、 雪崩危険区域に入ることを意味するのだ、 とかぶつぶつ実況解説する間もなく、 いきなり雪崩の跡が視界に飛び込んできた。 写真のような跡が Siyeh Bend の先にはいくつもある。 どうも今日おこったばかりのものではなく数日前のものらしいが、 けっこう大きくてゴテゴテしていて越えるのタイヘン。 なんてノンキなこと言ってていいんかいな。
Siyeh Bend を越え、 avalancheを越え、 GTTSがクイと右へベンドすると、 やったー、 これだこれだ、 この風景だ。 いやー来たよ来たよ来ましたよ、 来て良かった。 雪景色の Logan Pass の上にそびえる白いClements Mtn.。 しかし、 その風景と引き換えにGTTSは 今やただの雪の急斜面と同化し、 雪崩の跡は更に増えてくる。
空の青に映える雪山の白に見とれながら歩を進めていたその時、
遠く「ドドーン」 とU字谷に雷鳴が轟く。
れれ? 雲はあるものの、 不穏な雨雲らしきものはどこにもない。
またも遠く「バリバリバリバリ」。
何事かと思いキョロキョロ見回すと、
行く手遥か右斜め上方の斜面で、 まるで巨大な滝のような雪崩が発生していた。
数秒おきに巨大な雪のかたまりが岩に当たり砕け散り、 しぶきのように舞う。
自分のいる場所からは十分遠いが、
それでも初めて見る雪崩は、それだけでも十分な迫力であった。
そう、 雪崩の季節はまさに現在進行形。
ここから先はGTTSは完全に雪斜面に埋もれ、 これ以上進むのは危険そうである。
どうせあと1マイルほどで雪に埋もれたトンネルがあるので、
どのみち Logan Pass には行けっこないことはわかっている。
ここまでで片道実に5時間。
雷鳴のような雪崩の轟きを聞きながら、 ランチを食べ、 道を引き返した。
目的は完遂。
次の日は雨。 午前中は Apgar Visitor Center でレンジャーさんに色々質問したり雑談したりで終え、 午後はApgar近くを軽く散策し、 Spokaneへ引き返した。 この雪山で過ごした次の日から、 ボクは南国フロリダに飛んでいたのだった。 温湿度試験か?