North Fork は遠かった...(1)
【7/17/1999】 The North Fork (Hidden Meadow/Bowman Lake)
【7/17/1999】 The North Fork (Hidden Meadow/Bowman Lake)
忘れ去られた彼の地へ
North Fork..... 公園北西部一帯をこう呼ぶのだが、 周囲に訊いてもこのへんに足をのばしたことのある人はほとんどいず、 地球の歩き方等、 メジャーな公園ガイドからも忘れ去られた地.....
地図を見ると North Fork にアクセスするには Inside North Fork Road と Outside North Fork Road がある。 どちらも基本的には川に沿って森林を貫く道路らしいので、 行きにInside、 帰りに Outsideでぐるり一周すれば快適に回れるかな、 なんて考えたのは少々甘かったかも知れない。
予報は Scattered Thunder Storm と出ていたが、 Apgar 以北の園内の天気はボイン晴れで、 とりあえずはまずまず。
まずは Inside から、と思いApgar を発ったのだが、この道、 Apgar から Polebridge まで、 ウネウネと森の中・草原の中を ほとんど一車線幅の未舗装林道が延々30マイルも走るとんでもない道だった。 車の目の前を何度リスが通り過ぎたことか。 ただ、危ないのはむしろ野生動物よりも、ごくたまにすれ違う対向車の方だ。
道の両脇をふちどるように咲き乱れる Paintbrush 他の花々は確かに美しいのだが、 延々続く森林の中のラフロードにイヤ気がさしてくる。 ど〜りで人が行かないワケだ。
ここは Yellow Stone?
と、 その頃、 道は森林地帯から元森林地帯へと抜ける。 元、 というのは、 このへん、 その昔、 大規模な山火事で、 キレーに焼けてしまった後に下草が茂ってできた独特の景観を持つ草原地帯。 ここは Yellowstone か? 火事が起きたのは1988年というから、 これもYellowstoneの大規模な山火事の年と一緒なのでは?
その中に Hidden Meadow Trail という、 道から片道20分ほどのトレイルを発見。 足元にはカラフルな花びらをつけた草花が茂り、 ふと見上げれば、ばっと青く開けた空にそびえる幾本もの黒い幹。 獣道のようなそのトレイルは、 Meadowに着いた頃、 どんどん狭くなり、 ついには本当に獣道になってしまい、消失してしまった。 Hidden Meadow の名にふさわしい、 ほっとするような小さな草原地帯と沼地。 波のない水面を、 つがいの水鳥が音も立てずに平和に泳ぐ。 沼岸に先客が一人。 僕と同世代に見える若い彼は、 消防士だという。 この夏、 仕事で Glacierに駐在することになった、 と喜んでいた。 針葉樹林での山火事が、 どう燃え広がるのかを調査研究するのだという。
このトレイル、 馬も可、 なのだが、 ついに一つの馬糞も見なかった。 そりゃそうだよ。 ダートをこんなとこまで馬舎車を牽引して来る奴がそんなにいるとも思えん。
2時間で3000feet 〜ナゼに下りの方が遅いのだ?!〜
焼けた森林跡を抜け、 やがて車は Bowman Lake へと達する。 時計の針は既に3:40pmを回っていたが、 ここで挑戦したのが片道約6マイル、 標高差約3000feet の Numa Ridge Lookout へのトレイル。 湖岸を離れてしばらくは深い森林地帯を黙々と登り、 高度をぐんぐん稼いでいる筈だが景色は一向に開けない。 湖もほとんど見えない。 だから、 延々登った先の森林限界付近でやっとのこと開けた景色、 真っ青な Bowman Lake を見下ろしつつ間近に Rainbow Peak を拝んだ時、 やっぱり 「うををを〜〜っ」 と叫んでしまった。 やはり Glacier は森林限界を超えてからが素晴らしい。
ここで地図を見ると、 もうほとんど着いたも同然に見える。 ....と思ってしまったあと、 実は更に30分もかかる。 Lookout は確かにそこに見えてんのになー。 一旦安心してしまったら、 この30分は精神的にとってもキツい。 そして Lookout。 2時間10分かかった。 登頂の充実感はナカナカだが、 残念ながら景色そのものはRainbow Peak の角度がイマ一つで、 山の景色はもっと下、 森林限界付近の方がいいかも。
帰り道は、 「一人だとBearが心配だよ」とのことで、 Kalispell から来たというCrowley 夫妻と一緒に下ることにする。 彼らは突如熊に襲われた時のためにと拳銃を持ち歩いている。 さすがアメリカ。 実はこの頃、 昨年晩秋の Grand Canyonトレッキング中に不注意で痛めた右ひざがうずき始める。 彼らには気付かれないようにかばいつつ歩いたが、 ペースを乱さずについていくのは実はけっこうキツかった。 2時間半。 下りの方が時間がかかった。 要するに登りが速すぎたためにひざに負担がかかったらしい.........
彼らに写真を送る約束をしたら、 今度来るときゃ Kalispell の家をぜひ利用してくれとのこと。 日本人の性質を見抜いてか、 "Don't be afraid!" と念をおされた。 嬉しい出会いだ。
Outside North Fork Road から Camas Creek Highway を経由し Apgar へ戻る夕方、 ド激しい雷雨に見舞われた。 空に派手に走る幾本もの閃光がキレイだ、 なんてノンキなこと言ってていいのか? 車に落ちんなよぅ。
本日、 今まで園内でほとんどお目にかかったことのなかった鹿類(Mule, 角付きElk) に数度車の前を横切られた。 どうやら鹿の当たり日だったらしい。
宿は Apgar Lakeside Mountain-View Motor Inn.....
こと、 雷雨のパーキングで車中泊。$0.00ナリ。
実は禁止されてたりしないのかなこういうの......。
- 【注】やっぱり禁止されてました。 パーキングロットで車中泊するということは、 つまり食料と共に夜を過ごすことになり、 クマを駐車場におびき寄せる原因になるからダメだ、 と、2000年5月に車中泊した際、 レンジャーさんに見つかって怒られました。 車中泊してもいいが、 その場合はキャンプサイトに停めてしなさいとのこと。 もちろんキャンプサイト使用料は取られます。